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朝霧に霞む牧場


犬達も朝食が待ちどうしい?


今日の乗馬は昨日の雨で中止?
馬達もゆっくりと朝食中。


















































出発準備中、昨日の雨で緑が際立つアニマの里駐車場。




お約束の一枚。

▼朝霧に包まれたアニマの里の朝
いつものように6時前に目が覚めた私は、カーテンをそっと捲って外の様子を覗いて見る。すると牧場全体を白い朝霧が包み込んでいた。

今日は早起きしたA氏と外に出てみると、肌寒さを感じるほどではなく冷んやりとした空気が気持良い。正面に見える緑の斜面では羊たちが草を食んでいて、何とも長閑な風景が広がっている。ここが網走の街の中心から1キロも離れていない場所に在る事が信じられない景色である。

朝食の時間は通常7時半なのだが、少し早くしてもらって7時過ぎから食事を始める。昨年は和食パターンだったからA氏も洋食パターンは初めてで、アニマの里で取れた野菜を中心としたメニューをいただく。

ここでは最初パンが2個出てきてその後は追加自由になっているのだが、遠慮深い皆さんは2個で終りにしていた。私の場合2個で充分なのだが、それでは充分とは言えない方がいた筈なのだがどうしたのだろう。




  今朝の朝食は要望通り洋食パターン。










  卵が少し焼き過ぎ?












  懐かしい瓶牛乳。美味い!















  自家製ヨーグルトとハスカップジャム。












  混ぜると、彩りが美しい。










ここの自家製ヨーグルトに入ったハスカップジャムにN氏が興味を示した。このハスカップなる果実は昔からある北海道の木の実のようで、N氏は昔よく食べていたらしく懐かしがってした。

このハスカップ、ビタミンCが100g中50mg、カルシウム、鉄分も多く含まれメロン、ブドウをはるかにしのぐ量が入っているらしい。アイヌの人たちの間では、ハスカップを食べると「体を軽くし、不老不死」に役立つとして食べられていたそうだ。

また
ハスカップには眼の老化や疲れ目の予防・改善に効果があるというシアニジンという成分が多く含まれていて、その量は目に良いといわれるブルーベリーの10倍とも言われているらしい。ハスカップはFUNKYの走りを変える魔法の果実なのかもしれない。


▼不思議の扉

食事を終え出発前のルーティーンに入った私がトイレに行くと二つ有るトイレの扉が両方共開かなかった。中に人がいるものと思い外で暫く待ったのだが出てくる気配が無い。ノックをして声を掛けたが応答が無かった為外からロックを解除して開けて見ると中には誰も居なかった。

私は何とか用を済まして戻って来たのだが、N氏によるともう一つのトイレも開かないのだという。もしかしてもう片方もロックされたままになっているのかと調べてみたが、やはり中には誰もいなかった。

扉を開けてロックしたまま扉を閉めれば扉はロックが掛かり外から開かなくなるのだが、二つの扉が二つ共誤ってロックされたとは考え難い。わざわざロックさせる人もいないと思うが、何とも不思議なトイレロック事件であった。


▼スペシャルステージへ

アニマの里の前でお約束の写真を撮った後、8時10分網走を出発する。網走の街の中を抜け小清水の原生花園前を通過、今の時期殆んど花は咲いていないのに結構車が止まっている。FUNKYも以前はここに止まっていたが、網走で宿泊するようになってから休憩するには近過ぎて止まる事はなくなった。ここの駐車場には色々と思い出も有るのだが、今日も素通りとなってしまった。

斜里の近くまで来ると畑から白い湯気が立ち昇っていて、それが地表に漂って霧になっているのが見える。これが朝霧のメカニズムなのだと感心してしまった。

我々は斜里から知床には向かわず、国道244号をそのまま根北峠に向かう。


根北の後の小休止。
皆さん興奮してます。






















今日の知床峠は何とか羅臼岳が見えている。良かった。


説明役A氏。初めてのU氏&N氏に観光案内。


バイクはTZRからGSX−R変にわったが、
昨年も撮ったショット。


















▼今日初めてのSS 根北峠
昨日も走った根北峠、皆さん準備はよろしいですか。黄線が白線に変わり私はギヤを3つ落としてGSX−Rのスロットルをワイドオープンにする。するとその先に自転車を踏んで坂を登っているサイクリストを発見。

私は中央線に寄ってそのサイクリストの横を通過し加速する。後に聞いた話では彼は突然の事に驚きその場に停止してしまったらしい。私に続き後続も一気にペースを上げた。


▼そしてGSX−Rの根北峠

今日のコースコンディションは昨日とは違って完全ドライ、そして昨日の雨で埃が流されたのかグリップも良い感じで、思いっきりアクセルを開けてコーナーに飛び込んで行く事が出来て楽しい。昨日とは大違いだ。

走っている車も少なく邪魔されずに峠まで楽しく走る事が出来た。峠で後続を暫し待って皆さんを確認してから下り始める。下りの最初には直線の下りからフルブレーキを掛けるコーナーが二つほど有るのだが、GSX−Rの場合直線で出るスピードが半端じゃなくてコーナー手前のブレーキングが結構シビレル。

同じようなコーナーは十和田樹海ラインの下りにも有るが、ここの場合下りの傾斜がきつくブレーキを掛けるタイミングが難しい。出ているスピードと下りの傾斜からどうしてもビビッて早めにブレーキを掛けてしまうのだ。

しかもGSX−Rはブレーキ・タイヤ、サスペンション共に決っていていて、思った以上に減速してしまいコーナー手前でブレーキングが終了してしまうのだ。それでもブレーキが遅れるよりは安全なわけでそれはそれでよしとしよう。

一般道でのブレーキを掛けるタイミングは、サーキットのように目標物を決めて(同じ所を行ったり来たりはする場合は別だが)掛けるわけにはいかないから、場数を踏み経験を積んでいく事が必要となる。それもバイクが変わればいちからやり直しになるから、これで良いという事はない。いずれにしてもレースをしているわけではないので、20%位の余裕を持っての話なのだが。

峠から一旦下った道が橋を渡って上りに変わるとそこが高速ステージの入口である。その上りが終わり道が再び下りに転じると、道は忠類川沿いを上下にうねりながら下って行く高速ステージに突入する。

ここの道は坂の底にある橋に向かって下って行き、その橋からまた坂を駆け上るの事を3回繰り返す。つまり三つの大波を真っ直ぐに進むような感じで、波のピークから次の波のピークまで見通しが利くからスロットルを開け易くスピードが乗るのだ。

3回目のピークを過ぎるとその先には超高速の右コーナーが現れる。ここをいかにスピードを落とさずに通過するかが、この先にある直線のスピードに関係してくる。

私は右の高速コーナーをスピードを乗せて立ち上がる事に成功、直線に出てGSX−Rにフルスロットルを与えるとデジタルメーターの数字はグングン大きくなって行く。ここでのスピードは今まで私が経験した事のないものだったが、この記録も後日更新される事になる。

ここ迄ミラーを見る余裕など全くなかった私だが、直線の中ほどでミラーをチラッと覗き見る事が出来た。しかしミラーの中に後続のヘッドライトの光は無く私は直ぐに視線を前方に移し左コーナーに備えた。

短くブレーキを掛けギヤを落として緩い左コーナーに入って行くと、左に金山滝の入口、右に大きなパーキングが見えて来る。ここは結構車や人がいる事が多く探りながら走らなければいけない場所だ。


▼○○○とのニアミス

金山橋を渡ると道は森の中を抜け前方に牧草地が見えてくる。左に牧草地が広がる直線で前方の路上に黒い何かが見えた。それがカラス?(とっさの事で確認は出来ていない)の群れである事が分かるのにそんなに時間は必要なかった。

私はカラス?がGSX−Rに気付いて飛び去るともの考えていたが、GSX−Rのスピードが高過ぎたようでカラス?が飛び立った時、私は彼らの目の前にいた。それは本当に紙一重のタイミングであった。私がそこを通過したその時、カラス?の足と私のヘルメットとの間隙は1mもない状態だったと思う。

あのスピードでカラス?が私かGSX-Rに衝突していたら、私もGSX-Rもただでは済まなかったろう。以前雀のような小さな鳥が肩に衝突(走行スピードは60km/h程度)した経験を持つ私だが、その時は肩に結構な衝撃と痛みも感じたから、それより大きなカラス?があのスピードで衝突する事など、私は想像すらしたくない。

皆さんは前方にカラスを発見したら、シッカリとスピードを落とし彼らが飛び立ったのを確認してから通過するようにしてください。普通カラスは道路上にいる事は少ないのだが、多分その時路上に何かの小動物の死骸が有ったものと思われる。しかし、その時の私にはそれを確認する余裕はなかった。


▼最後尾からの追い上げ

両側の森が切れて根室海峡まで続く直線に出ると、昨日は無かった工事の為片側通行止になっていた。私は停止線の暫く手前で停止し後続が揃うのを待った。

最初に来たのは隼のU氏で、最後尾から追い上げA氏、N氏をかわして先頭でやって来た。さすが隼と言うべきなのだろうか。高速でのスピードの伸びは他を圧していたようである。

A氏の場合バイクにはスピード的に問題無かったようだが、人間にリミッター効いてしまったようだ。私と同じGSX−R1000 K5に乗るN氏も人間リミッター(カウルから体が大きくはみ出している為高速になると空気抵抗が大きくなる)が効いて超高速ではスピードが伸びないようである。

今回の根北峠は今までにない短さで、時間を計っていないので正確な事は分からないが、FUNKY史上最速であった事は間違いないだろう。これがGSX−Rの実力なのだろうが、ハードに人間が着いていっていない事だけは確かなようだ。

全員揃って工事現場を通過、昨年も止まった古多糠の自販機前で休憩とする。皆さんの口から、つい先ほどまで繰り広げられていた根北峠でのドラマの内容が語られている。今日は皆さんしっかりと根北峠の場所を認識できていたようで、昨日とは違う根北峠を楽しめたようである。


▼皆さんから駄目出し

私はそこで皆さんから最初の自転車の追い越しに関し、駄目出しをされてしまった。私が自転車を追い越した時、中央線に寄れば間隔はそれで充分だと考えていたが、出ているスピードが普通でなかったようで自転車を驚かせてしまったようだ。

皆さんにあのスピードで追い越すなら対向車線に出て追い越さないとビックリすると指摘される。皆さんのお言葉を肝に銘じ、今後は気を付けたいと思います。


▼海岸沿いは海霧

休憩後海岸に出る所で道を間違ってしまった。今まで何回も通っている道だったが、舗装状態が変わっていた事で間違えてしまった。慣れた道で注意が散漫になっていたのがいけなかったようだ。もっとも、そのまま行っても海岸には出られそうだっがのだが、道が悪そうだったのでUターンして戻る事にする。通り慣れた道でも先頭を走る者としては、常に新しい気持ちで走らないといけない事を痛感した次第です。

根室海峡に出ると海霧でシールドに水滴が付いて走り難く、トラックの後に着いてゆっくりと走って羅臼のGSに入り給油する。海は霧で霞んでいたが、霧の合い間から羅臼岳が見えていたから知床峠は晴れていると思われ安心する。ここまで来て知床峠が霧で走れないのなら、来た意味がなくなる。峠が霧だったら熊の湯に入ってゆっくりして行くのも一興ではあるのだが。


▼二つ目のSS 知床峠

我々が給油を終え羅臼の街を抜けて知床峠に向かうと、前を1台のスポーツバイク(車種は思い出せないがカウル付きホンダ?)に追い着きその後に着いて走る事になった。

熊の湯で止まるのではないかと思ったバイクは、その前を通過し知床峠に向かって行く。我々だったらここから一気にペースを上げるのだが、前のバイクのペースは変わらなかった。

このペースで走られては知床峠に何をしに来たのか分からなくなるので、我々はそのバイクの前に出てペースを上げる。幸いにも今日の知床峠への道に車は少なく快調に走る事が出来た。

この知床峠の羅臼側の道は、2つと同じコーナーの無い千差万別なコーナーで構成されていて、走る我々は次々に迫り来るコーナーに立ち向かわねばならない。

知床横断道路を走る道具としてGSX−Rは強力であった。この道はコーナーはともかく、標高100m位から740mの知床峠まで一気に標高を上げるため勾配がきついのだが、、パワーの有るGSX−Rで走るとギアの選択が少なくてすみ大変楽だった。

昨年のTZRと比較するとそのチェンジ操作の回数は半分以下で、その分走りに集中する事が出来た。しかし時間的には昨年と大きくは違わないのではなかろうか。どちらのバイクで走るのが好きかと聞かれたら、結構迷ってしまうかもしれないが、人間楽だったら良いというものでもなかろう。


▼今年も羅臼岳が見えました

私が先頭で知床峠に到着、N氏が来てA氏が到着したがU氏が来ない。根北峠の高速ステージでは驚異の追い上げをみせたU氏であったが、低速コーナーが連続する知床峠では隼の重さやホィールベースの長さが仇になり我々から大きく遅れてしまったようだ。

暫くしてU氏が到着し、パーキングに入ってバイクを止める。羅臼岳の頂上部分には雲が掛かってはいたが、羅臼岳の雄大な山容は見えていてここを初めて訪れたN氏やU氏は、その景色に見入っていた。知床峠は雲が掛かっている事が多く、羅臼岳が見えたのは結構ラッキーな事なのである。

暫く休憩した後、我々はウトロ方面に下って行く。こちら側は黄線が引かれたところが多く車に着いてゆっくりと下って行く。知床五湖に右折する所に警察が立って何かやっていたが、我々に止められる理由は無くそのまま通過する。さすがにここではスピードを落として離れていくメンバーはいなかったが、警察には何かと敏感なFUNKYではある。鈍感な私を除いての話だが・・・。

ウトロの街に入ると荷台から海水?を溢しながら走るトラックが多く走っていて、路面がウエット状態になっていた。この手のトラックは知床峠や根北峠でも走っていて、コーナー毎に水を撒き散らかしている場合がある。遠心力で水が溢れ出し水を撒いているようだ。

楽しみなコーナー毎に水を撒かれてはもう台無しである
ライダーの敵、水撒きトラックの実態は解明されていないが、私の想像では魚を生きたまま運ぶ水槽を積んでいるのではないかと思うのだがどうなんでしょう。いずれにしても、ライダーに取ってありがたくない存在の水撒きトラックではある。

ウトロから斜里に向かうと海に豪華客船?が停泊しているのが見える。船で北海道を周るツアーでも有るのだろうか。客船でゆっくり船旅を楽しみながら北海道を旅する時代、日本も豊か?になったものである。

斜里から清里を抜け、昨年昼食を食べた札弦に在るレストランに向かう。そこのメニューはどれもボリュームがあり旨かったので、是非N氏に食べてもらいたいと立ち寄ったのだが、駐車場にバイクを止め入口まで行ってみると本日休業の札が下がっていた。その気になってドアの前まで行っていただけに、空腹と重なってガックリ!? 我々は重い足取りでバイクに戻り、昼食場所を探して走り出す。

クッシーが生息するという屈斜路湖。


水際の砂を掘ると温泉が出てくる砂湯。


れが日本一美味しいというクレアートソフト。
400円という価格に私は二の足を踏んでしまった。


足湯も作られている。

▼屈斜路湖 砂湯

昨日転びかけたT字路を無事通過、野上峠を越えて川湯温泉に出る。公衆浴場の前を通って屈斜路湖に向かうと右手に湖が見えて来る。そこが砂湯である。水際から温泉が湧いていて砂を掘ればどこでも温泉に入れるという砂湯だが、FUNKYは今まで一度も立ち寄った事が無かった。

最初、川湯温泉で昼食にしようかとも考えたが、以前食べた時はラーメン位しか無かった気がしたので、観光地の砂湯だったら何か美味しい物が有るのではないかと考えやって来たのだが・・・。

砂湯には広場の右と左にお土産屋さん有って、我々はまず右側の建物に行ってみる。しかし、そこにはソフトクリームやジュースを売る所しかなく反対側に行ってみた。しかしそこにも食堂やレストラン的なものは無く、有るのは立ち食いそば屋さんだけだった。

こうなったら致し方ないので皆さん、そばやうどんをいただく事にする。私はそばを食べたのだが、N氏は芋餅なる物をか買ってきて我々にも分けてくれた。この芋餅、以前津別峠の売店でも売っていてK氏が食べた事があって、この地方の名物のようである。

そしてそのお味は、名前通り餅にジャガイモを練りこんだ味で普通に旨かった。K氏が津別峠で食べた時、カボチャ餅も有ってK氏はカボチャの方が旨いと言っていたような気がする。今度はカボチャ餅を食べてみたいものだ。


▼芋餅+高級ソフトクリーム=?


 食べた人は記念撮影。
芋餅が私の口に入っている時、A氏が400円もする高級ソフトクリームを私に一嘗めさせてくれた。私の口の中で芋餅と高級ソフトクリームが融合し新しい味が形成されてしまい、高級ソフトがいかなる味なのかハッキリ認識する事が出来なかった。

私が芋餅の中からソフトの味だけを必死に抽出した結果、そのソフトの味は確かに美味しい物だったと感じたが、それが日本一であったかに関しては疑問が残った。本当に日本一美味しいソフトクリームだったら、芋餅の味を駆逐してもっとソフトの味を主張してくる筈と考えるからだ。



▼GSX−R1000 K5 と遭遇

昼食を終えた我々は1時少し前、砂湯を出発し津別峠に向かう。屈斜路湖に沿って走り国道243号に出ると、そこの信号機横にあったガソリンスタンドがお店に変わっていた。私はここに有ったGSに沢山の思い出が有って少し寂しさを感じてしまったが、毎年訪れる度に思い出多きガソリンスタンドが無くなっているのは、時代の流れなのだろうか。

昨年は糠平のGS、今年は此処と街から離れたGSが消滅していく。FUNKYに取っては貴重な給油ポイントが無くなるのは痛手で、コース設定を考える時制約を受ける事が多くなってきた。

信号に止まっていると前方にGSX−R1000 K5(ブルー)が止まった。私がFUNKY以外のGSX−R(K5)を見るのは初めてでジーッと見てしまった。リヤシートには荷物は無く地元のライダーと思われる彼は、ブーツを履いているわけでもなくジーンズにブルゾンと言うスタイルで走っていた。あのスタイルはGSX−Rには似合わないと感じた私であった。



大きくなってバス用のスペースが増えたパーキング
左のバイクがNSR250R SE

津別峠からの屈斜路湖。
今日は少し靄が掛かっていて、見通しがいまいち。


お約束の一枚。
▼津別峠 ここも変わっていた
屈斜路プリンスの先を左折して津別峠に向かう。仁別に行く道のような狭い九十九折を一気に上って津別峠展望台に到着する。何か以前来た時と違うと思ったら、駐車場が広くなっていてバスも停められるようになっていた。ここまで来る道のヘアーピインカーブ内側が広く改修されていたのはバスを通すためだったようだ。津別峠もメジャーデビューが近いようである。もうしたのかな?

津別峠からの景色を楽しんだ我々だったが、駐車場から展望台のテッペンまで上る階段が結構長くて、今日の走りで膝に疲労が溜まっていたメンバーにとっては、きついアルバイトであったようだ。

駐車場には今日どこかで見た NSR250R SE が停まっていて、我々より先にパーキングを出て行った。今時カウル付きのバイクでツーリングとは珍しくその姿を展望台の上から見ていた私だが、我々とは違った服装でNSRに乗るライダーは軽やかにNSRを操り坂を下って行った。

後に白煙が残すわけでもなく2サイクル特有の排気音を残し走り去って行ったNSR250R
。結構乗り慣れたライダーとお見受けした。ヤッパ北海道はカウル付きのバイクで走らないとね。カウルが無いと疲れます。


▼自分の走りを貫く大切さ

津別峠の展望台を1時半過ぎに出て津別のGSに向かう。津別峠から津別側に下る道は、登り同様狭く曲りくねっていて隼には不向きでU氏はここで大きく遅れてしまった。こんな時、遅れたライダー考えるべき事は、前を追うのではなく自分のペースでシッカリと走る事である。

バイクを走らせる時ライダーはバイクの特性や道のレイアウト、自分のレベルなど走る環境を総合的に判断し、自分がどのように走るかを決めなければならない。それを怠ると無理をして事故を起こしたり疲れてしまったりする事になる。各自その事を自覚して走る事がバイクを安全に楽しむ事になるのだ。

そんな面倒くさい事を考えてバイクに乗っているのかと皆さんはお思いになるかもしれないが、我々がチームとしてバイクを楽しむ時それはとても重要な事で、それがなければFUNKYの走りは成立しないと断言してもよい。

狭い道を抜け2車線路に出た所でU氏を待つ。待つライダーに信頼がおけない場合この時間は結構気を揉む時間になるのだが、U氏の場合は安心して待つ。この信頼感がチームには必要なのだ。

U氏が来て津別に向かって走り出す。この道は道幅は広くはないが私好みの平面の先の見えるワインディングが続き大いに走りを楽しんでしまった。津別の街に入ってGSに向かう。

以前私は休日に開いているGSを探して津別のGS巡りをした事があって、休日に開いているGSは調査済みでそのGSに向かうと予想通り開いていて給油を済ませる事が出来た。

ここ津別から今日3つ目のSS(置戸〜芽登間)に向かうには二つのルートが考えられる。一つは訓子府を通って置戸に行くルートで、距離が短く時間は掛からないが、交通量も多く走っても楽しくはないルート。そしてもう一つのルートは本岐から陸別に抜け陸別から置戸に行くルートで、本岐〜陸別間は中速のワインディング、陸別〜置戸間は高速ワイディングが続くルートである。

私は時間的に余裕があったので陸別を回って置戸に行くルートを選択する。


▼パッシングに感謝

本岐に向かって国道240号を走り始めて直ぐ、我々に向かってパッシングを浴びせてくるダンプがいた。ネズミ捕りがこの先で行われていると理解した私だが、車の後に着いて走っていた私はそのままの状態で走行する。

私はトラップに掛かる心配がなかったので特にその場所を探さなかったが、この手の事には目敏いN氏は、草むらに潜むパトカーをしっかり発見していたようだ。パッシングに助けられた格好だが、特に出していなかったからそれが無くても問題は無かったと思うが?ダンプの運転手さんには感謝である。


▼久しぶりの国道242号

本岐から陸別までの中速ワインディングをそれなりに楽しんで陸別に到着する。そこから国道242号を走って置戸に向かった。この道を走るのは久しぶりで常呂の船長の家に泊まっていた頃だから、もう10年位は走っていなかったのではなかろうか。

この陸別〜置戸間は、超が付くほどの高速区間でアベレージは高いのだが、以前走った時の250ccや400cc中心の
時代と違って今回はGSX−Rで走るわけでどのような展開になるか予想出来なかった。

前に走った時は路面状態が悪く走るのに苦労した記憶があったこの道だが、今回は路面も良くGSX−Rの性能を充分受け止められるルートである事が分かった。リッターバイク中心の今日でも、このルートは充分我々を楽しませてくれる事が分かり、来年以降のSSに組み入れられる事になりそうである




今年も立ち寄った置戸のセイコマート。
今年は陸別から来ました。


















































































菅崎商店 芽登GS。
ドラム缶からタンクに給油する?133円の高級ガソリン。



























糠平の商店で食料&飲料を購入。
▼SS 置戸〜芽登間
高速走行を充分堪能した我々は、置戸のいつものセイコマートにバイクを止める。ここまでの高速ステージの話や先ほどのパッシング事件の話で話が弾む。初めてここから先のSSを走るU氏とN氏にコースのレイアウトの説明をしておく。

コンディションを整えて今日最後のSSに向かう。勝山温泉の前を通過し鹿の子ダムへの分岐を過ぎるとSSの始まりである。昨年は反対方向から走ったこの道だが、昨年と大分状況が変わっていた。

この道は道道にも関わらず北見方面から帯広方面に抜ける最短ルートの為か長距離トラックが多数走っている。その為かトラックのダブルタイヤの轍が路面に刻まれていて、昨年は気にならない程度だった轍が今年は走行ラインラインを変える時気を使ってしまうほど深くなっていた。そのため今年は走っていても以前ほど楽しくなく、何か損した感じであった。

それでも高速な走りを楽しみながら走っていると、前の黒い車が左のパーキングに入って行くのが見えた。私はそのままのペースで先に進んだのだが、私の後ろでは私と違う考えを持ったメンバーがいたようだった。これがこの先に起こる出来事への伏線になっていたとは・・・。


▼大どんでん返し

芽登温泉入口を過ぎ国道242号からの道を左に見ると、そろそろこのSSも終りに近づく。両側の森が切れ牧草地の中を走る直線路に出ると私はペースを落とし走っていた。

すると前方にシルバーメタリックのクラウンセダンが見えて来る。そして我々はそのクラウンに追い着いてしまった。クラウンの前席には2人の男性が座っており、彼らは65km/h前後のスピードをキープして走っている。

賢明なる皆さんはこれがどういう状況なのかお分かりと思いますが、その時の私は何の躊躇もなくウインカーを右に揚げた。

・・・とその瞬間、クラウンの屋根に赤色灯が引っ繰り返って飛び出した。そのタイミングは絶妙であったようで、後で見ていたメンバーの証言によると私のウインカーが点くのと赤色灯が引っ繰り返ったのは殆んど同時であったという。

助手席に乗る彼は右手をランプの点灯スイッチの上に置き、ミラーで私のウインカーが点くのを凝視しボタンを押すタイミングを計っていたに違いなかった。私の後ろのメンバー達は、クラウンが覆面さんである事に直ぐに気付きホーンを鳴らしたりして私にアピールしていたらしいのだが、私には何も聞えなかった。


▼究極の選択

後ろのメンバー達は、私がクラウンの後ろに着いた時心の葛藤に苦しんでいたという。このままだと何も気付いていない先頭は追い越しを掛けるに違いなく、その場合自分はどういう行動を取るべきかを悩んでいたというのだ。

先頭が追い越しを掛けても自分は追い越しを掛けず他人のふりをするか、はたまた一緒に追い越しを掛け着いて行くか悩んでいたらしい。あるメンバーは 「先頭が行ったら俺も行く。」 と覚悟を決め逃げ切る方法を真剣に考えていたという。

そんなメンバーの葛藤など全く知らなかった私は、追い越しのためウインカーを右に揚げたのであった。

その瞬間、目の前で赤色灯の見事な回転技を見せられた私は一瞬状況を把握しかねたが、直ぐに置かれている状況を理解し私はウインカーを戻しそ知らぬ顔でクラウンに着いて行く。

この金魚の糞状態は暫く続いたのだが、クラウンが左にウインカーを揚げ空き地に姿を消して我々は開放される事になる。私はクラウンが消えた後、再び出て来ないか暫くミラーを覗き込んでいたが、その気配は無くスピードを元に戻して芽登のGSを目指した。

私がウインカーを揚げた時、赤色灯が出なかったらどういう展開になっていたか想像したくもないが、多分止められる事はなかったと思う。しかし旅の楽しい思い出になる事はなかったろうと思うが。


▼貴重な給油ポイント 菅崎商店

クラウンから開放されたその後、それなりのスピードで走って芽登の街中にある菅崎商店にバイクを止める。菅崎商店には昨年も立ち寄ったGSで、糠平にGSが無くなった今貴重な給油ポイントになっている。

我々がバイクを止めた時、GSのテツヤ君がフォークリフトから下ろしたドラム缶からガソリンを地下のタンクに移していた。(多分そうだと思う)通常GSにはタンクローリーが油を運んで来るのだが、ここには来ないのだろうか。

ここのガソリン価格は、1リットル133円(レギュラー)と今回の北海道の中でで最高級のガソリンであった。FUNKYに取ってこのGSで給油出来る意義は大きく、是非無くならならずに営業を続けていってほしいと思う私だが、何か不安が残る光景であった。因みに菅崎商店の休業日は日曜日となっている。


▼FUNKYも人のためなる?

我々が給油していると1台の車が道路向こう側に停まり我々に向かって何か叫んでいる。その車は我々がクラウンの後ろに着いて走っていた時、我々の後ろに着いたパジェロであった。

私は知らなかったが、そのパジェロのドライバーはゆっくりと走る我々を見て追い越しを掛けようとしたらしく、それを最後尾にいたU氏に静止されて追い越しを辞めたらしい。

彼はその止められた理由を確認するために停まったらしく、「覆面だった?」と道の向うで盛んに叫んでいる。覆面であった事を確認した彼は、「ありがとーう。」と我々に大きな声で感謝の意を表し手を振って去って行った。FUNKYもたまには人の役に事もあるんです。


▼食料の買出し

給油後、置戸側に少し戻って左折、清水谷に向かう。寂しい原野の中を走り抜け清水谷で国道273号に出て糠平の商店の前にバイクを止める。この商店は幌加温泉にお泊りの時は必ず立ち寄り、食料と酒とタバコなどを調達するのがお約束になっている。

皆さん思い思いのアルコールやツマミを購入する。タバコは買ったかA氏に確認したら、置戸のコンビニで購入済みであった。今回N氏とU氏は幌加温泉は初めてであったが、昨年も宿泊しているA氏はそのへんに抜かりは無かった。

N氏が食料を大量(私の基準での話)に買い込んでいたので、私はバイクに載せられるか心配していたら、「宿までは近いんでしょ。大丈夫です。」と言っていた。

買い物を終え外に出て私がバックに買った物を詰め込んでたら、N氏が買い物袋をリヤバッグに括り付けようとしていた。「おいおい、それはまずいでしょ。」私は中に入れないと駄目だと注意する。彼は直ぐ近くだと聞いていたので、宿までぶら下げて行くつもりでいたようだった。

確かにここから幌加温泉まで10分も掛からないで行くが、ぶら下げて行けるほど近くはないのだ。私の言っている事に納得できない様子のN氏であったが、私に言われるままにバックの中に買った物を入れようとする。しかし彼のバックに買った物全部が入るスペースは無く、結局U氏と私のバッグに分散して運ぶ事になった。

走り出すまで納得がいかない様子のN氏だったが、走り出して数分で私の言っている意味を理解したようである。


▼今日最後の走り

買った物をしっかりバッグの中に収納した我々は、糠平を発って幌加温泉に向かった。時間は4時を回っており車の数は少なく、我々のスピードは徐々に上がって行く。両側が森で緩い上りの直線で根北峠で出した記録を更新したGSX−Rは、幌加温泉の玄関先に真っ先に飛び込んだ。

玄関先に4台のバイクが並び、今日のツーリングは無事終了したのであった。バイクから下りたN氏は言った。「買った物をバックの中に入れろと言う意味が分かりました。近いと聞いていたけど結構距離が有ったんですね。」

FUNKYで近いとか遠いとか言う時の単位は、kmではなくminutesである事を知ったN氏であった。


皆さん一緒に温泉へ。


アッーツ!? 極楽 極楽


汚染から上がって夕食。


これが問題の・・・ 名前は?





U氏のオールド。
彼には少し小さ過ぎたようです。
▼親父さんと1年ぶりの再会
バイクから荷物を降ろしていると親父さんが出てきて1年ぶりの挨拶を交わす。この1年で頭が大分白く薄くなった私と違って、親父さんは昨年とチットも変わっていなかった。おばさんも出て来てご挨拶、おばさんも変わらず元気そうだ。

荷物を持ち親父さんに案内されて部屋に行く。今年は久しぶりに階段を上った左側の次の間付きの部屋だった。最近は右側の狭い部屋が続いていが、今年は広い部屋でゆっくり出来そうだ。

着替えて少し落ち着いたところで全員で温泉に向かう。幌加温泉が初めてのU氏とN氏に、ここの温泉の印象をどう語るか楽しみだ。そして彼らの印象は・・・。


▼幌加温泉の湯船

幌加温泉を私が好き理由は色々有るが、古いが趣の有る建物や親父さんの人柄そして何といっても温泉の良さであろう。ここの温泉の良さは殆ど無色透明でありながらその中に含まれる成分が析出する形で内面が覆われた湯船である。

今まで幾つもの温泉に入ってきた私だが、ここと同じような湯船に出会った事は無く、その何ともいえない肌触りの良さはここ幌加温泉だけでしか味わえないものだ。そんな幌加温泉に入ったU氏とN氏は、この温泉のよさを充分に堪能したようで、湯船にもたれ掛かって肌触りの良さを感じ取っていたようだ。


▼親父さんからのプレゼント!?

温泉から上がりリラックスした時間を過ごした後、夕食の時間になって1階の食事が用意された部屋に行く。昨年は部屋食だったので1階に行くのは久しぶりの感じだ。テーブルの上には馴染みの料理が並び美味しくいただく。

親父さんが小鉢に入った○○○○(親父さんが何て呼んでいたか忘れてしまった)を4本持って来る。「少し辛いかもしれないが手に入ったから。」とわざわざ差し入れしてくれたのだ。

私が思うに多分青唐辛子だと思われる○○○○をまず私とN氏が食べてみる。A氏もN氏から少し分けてもらって食べたのだが、その辛い事、辛い事。辛いと言うよりは舌が痛い感じで痺れてくる。

N氏もA氏も途中で食べるのをやめてしまったが、私は何とか1本食べ切ることが出来た。親父さんには申し訳なかった結局2本の○○○○が残される事になったのだが、北海道ではこれを普通に食べるのだろうか?私には信じられない。

ここでは御櫃の御代りをする事も無く夕食を終え部屋に戻った我々だったが、N氏の体に異変が起きていた。額から汗が噴き出し止らないのだ。先ほど食べた○○○○のためか発汗が収まらないのだ。

私にはそんな事は起きなかったからN氏の体はもの凄くレスポンスが良く、年寄りの私の体は鈍感である事が証明されてしまった。N氏は舌のシビレを抑える為、水や御茶を大量に飲んでいたから、それが発汗を助長した嫌いがあったのも確かだが。


▼酒宴 大盛り上がりで・・・大失態

部屋に戻って糠平で買ってきた酒を飲み今日の走りを肴に酒宴が始った。この後の私の予定としては、ここの上に在るもう1軒の宿鹿の谷に行って露天風呂に入り星空を観賞する事にしていた。

話が盛り上がって皆で鹿の谷に行く事になったのが9時少し前になってしまっていた。タオルをもって下の帳場に行き親父さんに鹿の谷に行って来ることを伝えると、鹿の谷の入浴時間は9時までだと教えてくれる。

本当は8時前に行くつもりでいたのだが、この時間になってしまっては今回は鹿の谷を諦めざるをえなくなってしまい、我々は先ほど入った幌加温泉に向かったのである。


▼FUNKY 幌加温泉女湯に入る

A氏、また同じ湯船に入っても面白くないと女湯に誰もいない(電灯が消えていた)事を良い事に女湯の浴場から男湯の間にある扉の鍵を開けてきた。女湯の温泉は、男湯の小さい方の湯船と同じ食塩泉なのだが湯船が大きく浅いのでゆったりと腰を降ろして入浴する事が出来るのだ。

この際、皆さんで女湯に入る事になった。今日は泊り客は少なくこの時間には女性客が来ないと勝手に決め込んでの事だったが、良い子の皆さんは絶対に真似をしないようにして下さい。

幌加温泉では、女湯から男湯に行く事は女性の選択で可能(扉の鍵は女湯側に付いていいる)になっており、女性も自由に男湯の硫黄泉の湯船に入れるようになっているのだ。多分?


▼人間の不思議

温泉から上がって酒宴第2ラウンドが開始、談笑はまだまだ続いたがアルコールが底をつき始め11時を過ぎてお開きとなった。テーブルを廊下に出して布団を敷く。この時驚いたのはペットボトルやアルミ缶の量(アルコール系を除く)で、容量で言ったら4リットル近くはあったと思う。その3/4程を一人で空けたとしたら、驚くでしょ。

奥の部屋に三人、手前の部屋にN氏の布団を引く。襖1枚の遮音性能が心配されたが、心配する事は無く床に入って私は直ぐに眠りに就いていた。今回、私は何の音も気にならずに眠りに就く事が出来た。それは音がしなかったのではなく、音を感じなくなっていたようなのだ。最初は確かに音はしていたが、私はそれが全く気にならなかったのだ。

以前テレビで見たのだが、人間は自分の聞きたくない音の周波数を絞るシステムを持っているらしく、必要としない音は自動的に聞かなくなるらしいのだ。私はこの3日間でその消音システムを作り上げる事に成功したようである。
第5日目