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2006年5月14日(日)
FUNKY 2nd.ツーリング



今シーズン初めてのロングツーリングはウエット路面で始まったが、直ぐにドライに変わって昨年のリベンジを果たしたツーリングとなりました。



     
Report by Ryuta   



コース


秋田
⇒大潟村⇒能代⇒八森⇒

深浦⇒鯵ヶ沢 
生干しイカ⇒車力村

⇒十三湖⇒小泊⇒竜泊ライン⇒

竜飛埼⇒三厩⇒大平⇒


やまなみライン
⇒大平⇒

蟹田 カニ・しろうお・(昼食)

青森⇒
八甲田 雪中行軍遭難車像

谷地温泉 入浴⇒奥入瀬⇒

奥入瀬バイパス⇒
子の口

宇樽部⇒休屋⇒発荷峠⇒

十和田樹海ライン⇒小坂⇒比内

⇒米内沢⇒阿仁前田⇒上小阿仁

⇒五城目⇒農免道路⇒下新城

⇒添川⇒
モト ワークス ヒラタ 

走行距離 578km

夜中の雨は上がったが、路面はウェットで秋田を出発。



























八森でカッパを脱ぐ。


青空が出て日が差してきた。
昨年とはご主人様が変わったGSX−R1000青。
▼昨年のリベンジツーリング
FUNKYの2nd.ツーリングは、毎年青森県津軽半島の突端竜飛埼を目指すツーリングを行っているが、昨年の2nd.ツーリングでは八甲田の山中で霰や雹に襲われ死ぬ思いで山を下りる経験をしていた。今年は晴れた天候で2nd.ツーリングを出発したかった私だったが、朝起きて窓の外を見てみると路面はしっとりと濡れていた。雨は殆んど上がってはいたが、店に向かう車のフロントガラスにはポツ、ポツと水滴が付く。

店に到着するととA氏とU氏が店の前に立っていて、私の軽トラを見て笑顔で視線を送って来る。私は工場からA氏のZX-10Rと私のGSX-R1000(黄)を出し店の前に並べる。本当はもう一台バイクを出したかったのだが、それはもう少し後にする事にする。

出発時間の6時前にM氏が到着したのだが、昨日の夕方店に来て田植えが終わったので明日のツーリングに参加出来ると言っていたK氏がまだ来ていなかった。私が彼の携帯を鳴らしてみると「電源が入っていないか圏外」のアナウンスが流れてくる。普段なら携帯の電源を切ってバイクでこちらに向かっていると考えるのだが、今日の彼は車でこちらに向かっている筈だから、私には合点がいかなかった。


▼皆さんの驚く顔が楽しみ

出発時間の6時は過ぎたが、K氏が来る予定になっている事を私はメンバーに教えて、彼が来るのを待つ事を告げる。彼の携帯に電話したが出なかった事を言うと、M氏は「出ないという事は走っているという事だろう。」と言ったが、その時私は「彼は車で来るのでそれは無い。」とは言えなかった。

待つ事15分、K氏は赤い車でやって来た。YZF−R6でやって来ると考えていた私を除く他のメンバーは、車で来たK氏を見てまずは驚いた。 「何で車なの?」 そして私がGSX−R1000(青)を工場から外に引っ張り出した時、彼らは再び驚きそして言った。 「NANDA そういう事か!」

私はそのメンバーの驚く顔が楽しみで、K氏がR6からGSX−Rに乗り換えた事を直隠しにしていたのだが、その目的はめでたく達成されたのでありました。パチパチパチ・・・。

K氏は急いで着替えた後、初めてGSX-Rに跨り(K氏は今まで乗ると欲しくなるからと言って、私のGSX-Rにも一度も跨った事が無かった。)そして自分の物となったGSX-Rのキーを捻り、エンジンに火を入れたのであった。


▼俺のせい・・・?

6時20分過ぎ予定時間より遅れていた事もあり、我々は慌しく店を出発する。私、M氏、U氏、K氏、A氏の順で走り出し、横山金足線に出て手形山方向に左折する。手形山の坂に在る信号で止まった時、ミラーを見て後ろの二台が来ていない事に気付く。信号が青になっても来なかったので発進し交差点の先左側にバイクを止め待つ事にする。

少ししてK氏とA氏は何事も無かった様子でやって来たので、私は止まった理由を聞かないまま走り出す。手形山を越え右折、添川から山を越え上新城道川まで来た時、私は後で鳴ったホーンの音でまた後ろ2台が来ていない事を知らされる。しかし、今度は後ろが来ない理由を3番手のU氏がしっかり目撃していた。

U氏が見た物とは・・・? それは2番手M氏のリヤシートに取り付けられたバックから落ちる帽子の姿だった。落ちた帽子を拾うためK氏とA氏が止まった事をU氏から知らされたM氏、開きぱなっしになっているバックのファスナーを見て唖然とする。

何で何度も遅れるんだとた不思議に思っていたM氏だったが、K氏が拾って来た帽子を受け取った時には苦笑いをしなが謝るしかなかったのである。一回目の落下の時遅れた原因を確かめずに発進した私も悪かったが、二回も遅れた原因が自分にあったと知ったM氏は、結構へこんでいた。これ以降、M氏が走り出す前バックのファスナーを確認するようになったのは言うまでもない。


▼空気が重い

国道7号飯田川バイパスに出た我々は、7号を北上し八郎潟町から大潟村外周道路に入る。外周道路の路面は一部を除いてドライでスピードが上がる。バス釣りをする釣人達の路上駐車が殆んど見られなくなった外周道路は、以前よりだいぶ走り易くなった。

今日は気温が低く(10℃前後)スピードを上げると空気が重く感じられる。着ているカッパがバタバする事もあって、出せるスピードに限界があった。空気の重さを感じなくなるには、もう少し季節が進む必要があるようだ。

能代市で国道7号に別れをつげ国道101号に入った我々は、八森の展望台パーキングにバイクを停める。ここまで来たら空には青空が広がり日差しも眩しいくらい差している。南の海の向こうには男鹿半島から鳥海山までハッキリと見えいて、これからの天気を左右する西の空も晴れわたっていたから、これから先雨の心配は無さそうである。我々はここでカッパを脱ぎ、休憩を取ってこれから先の走りに備える。

鯵ヶ沢の由利商店前
昨年とは違ってカッパは着ていない。



ドライヤーを使って、烏賊を焼いています。



     何回食べても美味い物は旨い。
この烏賊が原因と思われる不具合がこの後彼を襲う?


しっかり、お土産も購入。
ホッケの一夜干、お勧めです。


▼「今日は雨でなくて良かったですね。」

国道101号線の西に広がる磯の海岸線を見ながら岩館、十二湖、深浦と走った我々は、鯵ヶ沢の外れ生干しイカを売る店が建ち並ぶ中、NHKで全国放送された店(放送されたのは20年も前?)由利商店の前にバイクを停める。

まだ開店したばかりの様で横の戸が閉まっていたが、中にはオネエさんの姿が有って我々見て直ぐに戸を明けてくれる。彼女の第一声は「いらっしゃいませ。今日は雨でなくて良かったですね。」だった。

昨年はドシャ降りの中を走ってここに来ていて、彼女の我々に対するイメージは「雨と共に毎年5月に訪れる秋田のバイクの人達」で有るようだ。確かに毎年ここを訪れる5月中旬頃は天気か安定しない時期でもあり、私もここで何回もカッパを脱いだ記憶が有る。3回に1回はカッパを着ていた様には思うが、人はどうしても雨の時の印象が強く残るようで、彼女が我々に持つイメージは雨と共に有るのだろう。

今日のメンバーは5名。私は生干しイカを何枚注文するか悩んでいた。以前1人に1枚注文した事があったが、その時は完食するのに苦労した記憶があったし、4人で2枚の時は物足りなさを感じたものだった。3人で2枚が適量と思われるが、足りないよりは多いほうが良いだろうと私は4枚注文する事にした。しかし、後にイカの食べ過ぎで体調を壊す者が出ようとは、私はその時思ってもいなかった。


▼いつ食べても美味しい烏賊

烏賊はいつもの様に炭火を使っておねえさんの手で焼かれるのだが、今回おねえさんはヘアードライヤーを手に烏賊を焼いていた。ドライヤーをどの様に使っていたかは離れた所から見ていたので分からなかったが、おねえさん烏賊を美味しく焼く新テクニックを開発したようである。焼き方で味か大きく変わる烏賊、烏賊焼テクニックも日々進歩している様である。

4枚の焼かれた烏賊が食べやすい大きさに切られ、二枚の皿に盛られて運ばれて来る。一年ぶり食べる此処の烏賊の味は最高に旨い。今年の烏賊はドライヤーテクニックのせいなのか、特に旨かった様に私には感じられた。運ばれてきた時、皿に盛られた烏賊の量を見た私は、残ってしまうのではないかと心配したのだが、烏賊は瞬く間に5人の胃袋に納まってしまったのであった。


▼由利商店お勧めのお土産

入口のガラス戸にホッケの一夜干の張り紙を見つけた私は、それが如何なる物かおねえさんに尋ねてみた。ホッケが採れるのが冬で、採れたホッケを3枚におろし真中の骨を取り除いた後一夜干にし冷凍保存した物だそうで、1パックに5匹入って700円だそうだ。

私はお土産に1パック購入し家で焼いて食べてみたが、大きくはないが骨が取り除かれているので食べ易く大変美味しかった。この由利商店のホッケ、お勧めです。しかし、採れるのが冬なので、在庫が無くなり次第販売終了となってしまうとの事でした。食べてみたい方は、お早めに。

烏賊で少し空腹が満たされた我々は、鯵ヶ沢を発って車力のJAスタンドに向かう。港の前を通り国道101号のバイパス出口に出ると、そこにも烏賊を売るお店が集まった所が有る。鯵ヶ沢には烏賊を売るお店が集まった場所が二ヵ所あって、鯵ヶ沢の街南側の由利商店が在る地域と街北側のこの場所である。こちらは南側より店数は少ないが国道101号に面しているので結構賑わっている様に見える。由利商店の在る場所はバイパスが出来て国道から外れてしまった為、お客が減ってしまったと言う。

烏賊はどのお店でも食べられますが、焼いた生干しイカの味は各お店で違っています。皆さんには由利商店の烏賊を是非一度食べて頂きたいと思います。



車力のJAスタンド。付着した泥汚れに我慢できずに、洗車機で全員のバイクを洗車する。


昨年はここで竜飛に行くのを諦めたのだが、
今年は行きます竜飛埼



竜泊ライン途中に在る展望台。
日本海、津軽海峡、竜飛埼、北海道が見える。


小泊と竜飛埼を結ぶ竜泊ラインのワインディング。


海の向うは北海道。






いざ、竜飛埼




U氏が腰掛けている所は旧日本軍
の津軽海峡監視所跡。



自衛隊の現代の無人監視所?




ここを訪れた人は灯台をバックに写真を撮る。

▼車力で洗車

鯵ヶ沢から広域農道を使って車力に出て、JAのスタンドに入る。給油を終えバイクを見ると、朝に走った濡れた路面のせいで汚れが目立ち、晴れた日差しの中ではバイクが醜く見えてしまうし、乗っている我々も気分がよろしくない。

スタンドに洗車機が有ったので、ここでバイクを洗車する事にした。水洗車料金百円とは、安い。百円で5台洗ったから、1台20円でバイクは輝きを取り戻し、跨るライダーの気分もリフレッシュされたのであった。

昨年は雨の為ここで竜飛埼に行く事を諦め、やまなみラインを通って直接蟹田に向かったのだが、今年は何の問題も無く竜飛に向かう事にする。車力を出て津軽平野の中を走ると、右手に広々とした十三湖の湖面が見えて来る。十三湖が海につながっている水路を跨ぐ橋の袂に蜆ラーメンで有名な和歌山というお店が有って、私はそれを横目で見ながら橋を渡る。

このあいだ和歌山の蜆ラーメンをテレビの旅番組でやっていてレポーターは美味いと絶賛していたが、私が食べた和歌山の蜆ラーメンは絶賛する程の物では無かった記憶がある。他の店でも蜆ラーメンを食べた事があったが、さっぱりとした蜆のスープはラーメンには合わないと私は思う。 「蜆はやっぱり味噌汁でしょう。」 そんな事を考えながら私は十三湖を後にし小泊に向かった。


▼苦手な峠から竜泊ライン核心部へ

小泊から 道の駅こどまり の間には小さな峠があってトリッキーなコーナーが続く。私は今まで何回もこの道を走ってきたが、どうしてもここを好きになれないでいる。特に下りの深い左コーナーが嫌いで、そこのコーナーはRが緩く入って奧できつくなるし、下りの勾配も変化するし、ブラインドの左コーナーの先は直ぐに右に曲がっているし、何回走ってもリズムが取れないでいる。今回は先頭だった事もあり、ハクハクしながら峠を下ったが、何とか無事道の駅に出る事ができた。

道の駅 こどまり の先は、日本海を左に観ながら快適に走る。冬には荒波が打ち寄せるであろう岩だらけの海岸は、今日は波も低く穏やかな姿を見せている。海岸を離れ山側に入る所にゲートが有って、このゲートの先は冬季間閉鎖になる。閉鎖が解除されるのは毎年ゴールデンウィーク頃になるようだが、年によっては前後する事もあるようだ。

ゲートを過ぎると竜泊ラインの核心部に入って行く。最初は天にも昇る様なヘアーピンカーブが幾つも続き一気に標高を上げて行く。特に左のヘアピンコーナーでは、左上を見上げながらのコーナーリングとなり、初めてここを走るライダーはきっと驚くだろう。

ヘアーピンカーブが終わると、今度は二つと同じRを持たない沢山のコーナーがライダーを待ち受けている。ここで私は後ろに下がり、M氏を先頭にK氏、A氏、私の順で上に在る展望台を目指したのだが、先頭のM氏の走りにいつもの切れが無く後続はM氏に遅れる事無く展望台に到着する。ここのスチエーションでは、隼に乗るU氏はさすがに厳しかったらしく少し遅れて到着する。

展望台からは日本海、津軽海峡、北海道、そして我々が今走って来た芸術的な軌跡を描くワインディングが見えている。ここで各車、足回りの具合を確認したりタイヤ状態を見て空気圧を調整したりしている。今日初めてGSX−R(青)に乗ったK氏は、私のGSX−R(黄)とフロントフォークの沈み込み量が違う事を発見しその理由を考えていた。


▼新しいバイクの楽しみ

青のGSX-Rのサスセッティングはストック(オーストラリア向け仕様)のままだったのだが、彼にはシックリこなかったようだ。新しいバイクに乗った時自分好みのサスセッティングを探し出すのも楽しみの一つで、サスが決まった時初めてそのバイクが自分の物になった気がするものだ。これ以降、K氏はツーリング中サスのセッティングに励むのであった。

暫しの休憩の後、我々は竜飛埼に向かう。この展望台から竜飛崎に下って行く道もトリッキーで、決して無理が出来ない。道の正面に竜飛埼が見えていて、道路は鋭く右にカーブしている所が有って、正面の景色に見とれていると真直ぐ行きそうになってしまうのだが、真直ぐ行くとガードレールの先は断崖絶壁だったりする。


▼今日の竜飛埼は・・・

私は先頭で慎重に道を下って、竜飛埼下のパーキングにバイクを停めた。我々が到着した時、パーキングにはバス1台と数台の車だけしか停まっておらず、歩いている人もいなかった。

我々がバイクを止めると遠くから盛んに声が掛かる。それは土産店のおばさん達の呼び込みの声で、我々は手薬煉いてお客を待っているところに来てしまったようだ。しかし、誠に申し訳なかったがお土産屋さんに用はなく、我々は彼女らの熱い視線を背中に感じながら竜飛埼に向かったのであった。

今日の竜飛埼からは北海道が直ぐそこに見えていて、バイクで走ればものの数分で着いてしまそうな感じである。ここに道路が有ったら北海道も秋田から日帰り圏内に入るのだが、目の前の津軽海峡がそれを拒んでいる。あぁ・・・今年も行きたい北海道・・・。


五年ぶりの竜飛埼

私がここ竜飛埼を訪れるのは五年ぶり?になるが、以前とは少し変わっているのを発見した。竜飛埼の象徴的な建造物であった旧日本軍の監視所跡が無くなっていて、丸い段差に変わっていたのだ。

今は目で見て津軽海峡を監視する時代ではなく、レーダーやソナーによって津軽海峡を通過する船舶を監視しているのだろうから、戦前から有った監視所跡が取り壊されても何の不思議もないのだが、監視所の中に入り狭い窓越しに観る津軽海峡は、戦時中にタイムスリップした様な気分にさせてくれていたから、何かアトラクションが一つ無くなってしまった感じで少し寂しい気がしてしまった。


▼フェリーが見えるという事は・・・

竜飛埼から海を眺めていたら、一隻のフェリーが日本海から津軽海峡に入ろうとしているのが見えた。あのフェリーは秋田から苫小牧東港に向かう、我々が北海道に行く時に利用する新日本海フェリーに違いなかった。

秋田を7時に出港したフェリーが竜飛埼を望める所に来た頃、我々はいつもレストランに行く事にしている。竜飛埼が見えてくる時間がちょうど昼時なのである。時間を確認すると、やはり12時になるところだった。考えてみたら、秋田からバイクで竜飛まで来るのと、フェリーで来るのと大して時間が変わらないと言う事か。

今年の9月、あのフェリーの上からこの竜飛埼を見てみたいものである。


▼体調不良


記念写真を撮ったりして休憩していると、口を抑えて吐きそうだと言いつつ吐く場所を探す男がいた。胃の具合が悪いらしく吐きそうだと言う。公衆の面前で吐かれては皆さんにご迷惑と何とか我慢させ、バイクの所に戻れば胃腸薬が有るからと言い聞かせてバイクの所に戻ったのだが、救急バックに胃腸薬は入っていなかった。

        後姿に元気なし。

古くなった薬をまとめて処分したのを私は忘れていた。結局、そのままの状態で竜飛埼を発ったのだが、後でヘルメットの中で吐いたと言う話は聞かなかったから、何とか治まったのだろう。


蟹田川の順番待ちの間、ニコチン補給。


しろうおの踊り 600円



これから彼らは口の中で御臨終。















A氏、隼のポジションをチェック。


▼JRの線路
竜飛から青函トンネル工事の時に造られた道路を使って三厩に出た後、今別のバイパスに入る。今回はお目に掛からなかったが、このバイパスにはパトカーが出没する事が多いので皆さんお気を付け下さい。今別から国道280号と別れ鉄道沿いに小国峠を越え大平(おおだい)に向かう。

私はこの道路から時々見える鉄道が一本の同じ線(JR津軽海峡線)だと思っていたのだが、実際は三厩までのJR津軽線と北海道に渡るJR津軽海峡線の二線が交互に見えていた事を今回このレポート書いていて初めて知った。

以前、駅に隣接する 道の駅 いまべつ で休憩した事があったが、隣接する駅が、津軽線の つがるふたまた駅 と 津軽海峡線の つがるいまべつ駅 の2駅並んでいた事も知らなかった。

私は今まで鉄道で北海道に渡った事が無く、一度は青函トンネルを通って北海道に渡ってみたいと眺めていた線路が、実は三厩に行く津軽線だったとは・・・。よく考えてみたら三厩駅の先に線路は無かったなぁ・・・。


▼やまなみラインを楽しむ

大平の踏み切り(JR津軽線)を渡ると直ぐやまなみラインに繋がるT字路に出るのだが、今回は少し様子が変わっていた。以前T字路だった所の正面に新しい道が出来ていてその先に信号が出来ていたのだ。新しい道は、やまなみラインの広い道が伸びてきたもので、信号を右に曲がるとやまなみラインが始まる様になっていた。そういえば、昨年ここを通った時、工事中であった事を思い出す。

信号が青に変わって今年のやまなみラインがスタートする。昨年のやまなみラインは雨降りでトンネルの出口で三台のバイクが死ぬ思いをした事を私は思い出しながら、昨年パフォーマンスの舞台となった一つ目のトンネルにスピードを落として慎重に進入して行く。

トンネルを抜けスピードを上げる。今日のやまなみラインは、以前走った時よりも路面が荒れていて、うねりや段差が有ってコーナーリングスピードが上がらない。

やまなみラインは平成11年に完成し7年経つが、この道は土盛りして造ったコーナーが多く路盤が沈下してうねりや段差が出来てしまったようだ。高速コーナー途中にうねりや段差が有るため、どうしてもその手前でアクセルを戻しざるをえず走っていても楽しくない。様子を見ながらやまなみラインを抜け、暫く行った所で大平に引き返す。

道路状況も頭に入ったので、帰りは少しペースを上げてみる。ペースを上げてはみたものの、コーナー途中のうねりが気になってスロットルは開けられない状態が続く。それでも行きよりはアベレージが高く、私に後を見る余裕はなかった。聞いた話だと私の後ろにはK氏がピタリと着いていた様で、その状態を見ていたM氏は「それは着き過ぎだろう。」と言うほどに接近していたらしい。

ハクハクしながらのやまなみライン走行を楽しんだ我々は、昼食予定の蟹田に向かった。


▼蟹田川は満席

午後1時少し前、我々は蟹田の蟹田川に到着する。いつもの事だが席は満席で暫く待つ事になり、私が順番待ちをし外のメンバーは外で待つ事になった。外で待つ四人は全員喫煙者で一斉にタバコに火を点けようとするのだが、風が強く皆さん着火に苦労している様子が妙にこっけいで、私は思わず笑ってしまった。そこまでして吸いたいか、煙草。


▼しろうおを食べる男
蟹田川のメニューの中で何が一番お勧めと聞かれたら、私はしろうおの踊りと答えるだろう。しろうおには色んな食べ方があるが、どんな食べ方をしてもしろうおそのものには大した味はなく、結局味付けた味にしかならない。

味が無いしろうおを味わうには、しろうおのコリコリした歯応えや口の中での動きを味わえるしろうおの踊りしろうおの最高の味わい方だと私は考える。

昨年このしろうおの踊りを何回も勧められながらも頑なに拒んでいたある男が、今年は自らしろうおの踊りを食べると言い出した。どういう心境の変化か分からないが、彼は心に期するものがあったのだろう、動き回るしろうお数匹を箸で挟んでゆっくりと口の中に入れた。

それを何回か繰り返した後の感想は、「味が無い」であった。食わず嫌いの彼は、初めて食べたしろうおに味が無かった事にある意味安心した様子で、口の中でしろうおを泳がせた後、胃袋に送り込んでいた。




私はしろうおの天ぷらが載ったしろうお蕎麦を食べた。しろうおの天麩羅はころもの味しかしなかったが、揚げ玉の載った狸蕎麦だと思えばそれなりに美味かった。



しろうおの天婦羅が入ったそば。500円



こちらは、しろうお定食1200円。
しろうおの踊りは付かない。




入口には席が空くのを待つ人達がまだ並んでいて、食べ終わった我々は早々に席を立った。











▼GOLDWINGの真実

外に出てバイクの所に戻ると我々の隣にホンダGOLDWINGが停まっていた。最近よく見掛けるGOLDWING、排気量は1832cc、最高馬力109PS/5,500rpm、最大トルク14.4kg・m、とトルクの大きさに驚く。このスペック、どう見ても車のエンジンスペックでバイクの物とは思われない。

それよりも何よりも車両重量とその価格に驚かされる。車両重量425kg、車両本体税込み価格は¥3,255,000−である。私だったらHONDAの店に行って325.5万円に少し足してS2000を注文してしまいそうである。

私より年齢が少し下と思われる青森ナンバーのGOLDWINGライダーは、「秋田からですか。」と我々に声を掛けた後、400kgを越える重量のGOLDWINGを軽々と操って走り去って行った。私にはあの重いバイクを運転する自信は無いな。

我々もGOLDWINGライダーに少し遅れて蟹田を出発、八甲田の谷地温泉を目指す。

 
今年の谷地温泉は日が差して暖か-ィ!
昨年はこの場所で必死でバイクを転回したのを思い出す。




この扉の前に立つのに1年待たされてしまった。




ブーツを脱いで温泉へ。




湯上りのお喋りにヒントが・・・。




















発荷峠、十和田樹海ライン入り口に在るパーキング。昨年は超寒かったが・・・。


ここから今日最後のスペシャルステージ、
十和田樹海ラインに向かう。



駐車場場脇にはまだ雪が残る。

▼今年の八甲田は・・・
今年は昨年と違ったアプローチで青森市街から田代平に出て八甲田谷地温泉に向かう。途中、30台近いバイク軍団とすれ違った。最近これだけの数のバイクとすれ違うのはハーレー軍団ぐらいしかなかったが、国産車4メーカーのバイク中心でこれだけの台数のツーリンググループを見るのは久しぶりだった。まだいるんですね、マスツーリングのグループが。私はもう絶滅したと思ってました。

標高が上がるにつれ道路脇の残雪の壁が高くなってくる。小峠、大峠付近まで来ると我々の前に車の列が出来ていて追い越しするのも躊躇われ、雪中行軍遭難者銅像の所まで車に着いて走る事にする。

昨年ここでU氏がコーナーを曲がり切れずに脇道に突っ込んで停まるという事件があったのだが、今回彼はその場所をしっかり検証して来たようだ。彼は「よくもあの狭い道に入れたものだ」と自分自身に感心していた。一瞬の判断で危機を回避する能力もまた、ライダーには必要な事なのである。

雪中行軍遭難者銅像前のパーキングを過ぎ、前の車も少なくなったので追い越しを掛ける。道路脇の雪の壁は2mを越えカーブには雪解け水が流れていてペースは上がらなかったが、少し走りを楽しむ事が出来た。

田代平湿原の前を通り国道394号に出て右折、昨年霰に降られて死ぬ思いをした谷地温泉への道を登り始める。椈の森の中を走るこの道は、適度なコーナーと直線が入り混じっていて走って楽しかったし気持ち良かった。今年は雷も鳴らず、路面もドライで昨年とは大違いだったが、昨年の情景をダブらせながら走ったこの区間は、思い出深いものとなった。


▼谷地温泉に無事到着

国道394号が国道103号に交わる所から右に入ると谷地温泉が在る。昨年は何とか谷地温泉前までは来たものの、見る見る内に白く変わっていく路面を見て身の危険を感じた我々は、必死の思いでバイクを転回し焼山に下ったのであった。

今年の谷地温泉は眩いばかりの太陽の光が差し込み、昨年と比べたらまるで天国のように見えた。滑る足元に気を取られながらバイクを転回した場所に我々はバイクを停め、昨年は目の前まで来ながら入るのを諦めた谷地温泉にタオルをもって向かった。

売店入口に置いてある発券機で入浴券(400円)を買いカウンターに券を出し、奥の廊下でブーツを脱いで浴場に向かう。売店のおねいさん?は、私のカメラを見て「貴重品はロッカーに入れて下さいね。」と念を押すので、我々は浴場前に有ったロッカーに貴重品を入れる。


▼踏んだり蹴ったり状態

しかし、ここのロッカーは小さくK氏の大きなヒップバックは入らなかった。彼は一人脱衣所の中に有った大きなロッカーを利用する事になる。大きなロッカーは百円玉を入れて利用するタイプで、「百円取られるんだったら嫌だね。」と言いながら、彼はロッカーにバックを入れ扉を締め百円玉を投入口に入れた。

キーを捻ると「コットン」と音がして百円玉が落ちる音がしたので、K氏はキーを抜こうとしたのだが・・・。キーが抜けないではないか。力いっぱい引っ張ってもキーが抜ける気配は無かった。ローカーは閉まらないはわ、百円取られるわでK氏少しお怒りモードになりかけたが、百円は後で係りの人に言って戻してもらう事にして、ロックの掛かっていないロッカーにバックをいれたまま彼は温泉に入る事にする。


▼十年ぶり位の谷地温泉

私が谷地温泉に入るのは久しぶりで、以前とは状況が少し変わっていた。まず入浴料が300円から400円になっていた事。浴場には泉温が違う湯船が二つ有るのだが、熱い方(それでも40℃位)の湯船が新しくなっていて、年期の入った浴場の雰囲気の中で浮いていた事。それと入っていた人々の年齢層が上がっていた事だった。

温度の低い湯船の方には、60〜70歳代の方々がカラッと並んで入っていて、我々が入れる隙間は全く無かった。一見同じ人の様に見える白髪のお年寄りが湯船の中にズラッと並んで入っている様は、申し訳ないが私は近寄り難い何か異様なものを感じてしまった。

私は熱い方の湯船に暫く入った後、温い方には入らずに浴場を出る。混雑していたという程ではなかったが、何か落ち着かない感じの谷地温泉だった。外に出て体を冷やしながら休憩を取る事にする。

K氏は早速売店に行き、状況を説明して百円をもらってきた。直ぐに戻してくれたと言うから、頻繁に起こる事らしかった。温泉のガスで金属が腐食し鍵が回らなくなるのが原因と思われる。


▼ライディングスクール イン 谷地温泉

谷地温泉前のベンチに座りながらM氏にライディングテクニックに関する質問が出て話が弾んでいたようだ。私は参加していなかったが、A氏やU氏はM氏の話から大きなヒントを得た様で、帰りの道すがらそれを実践し成果を上げた模様である。疑問に思った事を聞ける環境にある事は、ライダーに取って幸せな事である。


▼昨年の思い出

谷地温泉を発った我々は、国道103号を焼山に下って行く。昨年は霰の降りしきる中、真っ白になった道路を一列になってゆっくりと下って行ったのだが、今年は車を追い越しながら快適に走る。あらためてこの狭く曲りくねった道を走ってみて、あの状況下で1台も転倒もせずに走れたのは奇跡に近い事だったと思えてくる。

昨年我々は途中から仙人平に曲がって焼山に下りたので蔦温泉は通らなかったのだが、蔦温泉付近の道は輪を掛けて曲がっていて、昨年ここを通っていたら最悪の事態になっていた事は容易に想像出来た。そんな事を考えながら道を下った私は、焼山に在るSHELLスタンドにバイクを停めた。ここで給油すれば秋田までガソリンはもつ筈で、後はガソリンを気にせず秋田まで走るだけである。給油のみで直ぐに焼山を出発、奥入瀬バイパスに向かう。


▼奥入瀬バイパス

奥入瀬川に沿って少し走った後、奥入瀬バイパスに入る。奥入瀬から十和田湖の外輪山に一気に駆け登る奥入瀬バイパスは、途中から登り側が2車線になり車に邪魔させずに走れるところが北海道の狩勝峠に似ている。この道に注文を付けるとしたら車線の中央にペイントされた矢印が走行に邪魔な事だ。滑りそうな矢印の上を避けて走ると、走るスペースが車線の半分しかなくなり窮屈な走りになってしまうのだ。

途中からM氏に先頭を変わってもらってその後を追う。彼は前回左側の車線を走って矢印に苦労した経験から中央線よりの右車線を走っている。私は左側車線で彼を追ったが、少し離されてしまった。やはりここは中央線よりの右の車線が走り易いようである。

外輪山から子ノ口に下り宇樽部から休屋に出ると、休屋もゴールデンウイーク後で観光客の姿は少なく、走っている車の数も多くはなかった。我々は、和井内から発荷峠に上り十和田樹海ライン入口に在るパーキングに入る。


▼十和田樹海ラインの走り

昨年ここに在るトイレの屋根の上には白い物が載っていてひじょうに寒かった記憶が有るが、今日は5時を回ったこの時間でも寒さを感じない暖かさでこれから向かう十和田樹海ラインの走りが楽しみである。

U氏は谷地温泉からここまでM氏からのアドバイスを試して来たようで、その結果苦手にしていたこまかなコーナーを以前より速く走れる様になったそうで、M氏のアドバイスは有効であったようである。休憩後、今日最後のスペシャルステージ十和田樹海ラインに走り出す。

最初は私が先頭で走り、直ぐにM氏に先頭を変わってもらいその後を追う。しかし、途中に在るシェルターの所で私はM氏に遅れを取ってしまった。このシェルター内の路面にグルービングが施されているのだが、私はこのグルービングが大の苦手でどうしてもスロットルが開けられずM氏に大きく送れてしまったのだ。

シェルターを過ぎると比較的長い直線が多くなり、私はGSX−Rのパワーを生かしM氏を追うと何とかM氏の背後に着く事が出来た。私は間隔を少し取ってM氏に着いて行く。

私の目から見た今日のM氏の走りは、危なげなくスムーズにコーナーをクリヤーしている様に見えたが、私が必死になって追い掛けなければならないスピードではなかった。これはどういう事なのだろうか。M氏が後日語ったところによると調子は決して悪くなかったというから、多分私のスピードが以前より少し上がったのかもしれない。

前を走るライダーが速いのか遅いのかは自分と比較しての話だから、絶対スピードではないわけで相手のスピードが変わらなくても自分か速くなれば相手を遅く感じる事になる。以前ここのスチエーションではM氏に置いていかれる事が多かった私だが、少しはM氏のスピードに近づけたのかもしれない。私の後ろにはK氏がピタリと着いていたと言うから、K氏もまたM氏のスピードに近づいたという事だろう。

TZR250R(3XV)で走っていた頃に比べたら、十和田樹海ラインも何と短く感じる事か。「もう七滝」って感じて樹海ラインを走り切ってしまった我々は、揃って小坂、毛馬内、比内、米内沢と走って上小阿仁の手前に在る見通しの良い直線に出る。






上小阿仁のローソンで最後の休憩。


小腹が空いてエネルギー補給。



無事に帰って来ました。
▼リッターバイクはベンツより速い?
下りの長い直線の先に対向車は無く、私は前にいた車の列に追越を掛ける。すると車列の中からベンツ(多分Sクラス)が出て来て前の車に追越を掛け始めた。その動きを見ていた私は、ベンツが追い越しを終え左車線に戻った横を一気に加速して車列の前に出る。

私は先頭だったので後ろの状況は知らなかったが、後続も私同様の加速をしていた模様で、後ろで見ていた者の話によると結構な迫力であったらしい。ベンツの加速もリッターバイクの加速には遠く及ばない事を証明した出来事だった。

上小阿仁ではいつも道の駅で休憩するのだが、今日は小腹が空いていた為ローソンで休憩を取る事にした。皆さんパンやおにぎりや飲み物で空腹を満たし、少し元気を取り戻したようである。後は一気に秋田まで走るのみ。8時前には秋田に帰れるだろう。


▼R1のヘッドライトは明るい

国道285号の道の駅五城目付近まで来ると日はとっぷりと落ちてヘッドライトの光がくっきりと分かる様になる。GSX-Rのヘッドライトは、私が前に乗っていたTZRに比べたら大分明るいのだが、私の横を走るR1のライトの明るさに比べたら見劣りする。

下向きのライト数がR1の2個に対しGSX−Rは半分の1個だから暗いのは当然なのだが、夜の安全走行の為にもHIDでも取り付けてもう少し明るさを増強したいところだ。何せ年寄りの目は暗いと一気に感度が落ちるから、明るいヘッドライトは年寄りに取って必須アイテムなのである。


▼昨年のリベンジを果たす

午後八時前、我々は無事秋田に帰還する。本日の走行距離578km。予定時間よりは少し遅くなったが、昨年悪天候に阻まれ行けなかった所、出来なかった事を全てやり遂げ、昨年のリベンジを果たして帰って来くる事ができた。

今日は少し気温は低かったが、天候にも恵まれ皆さん充分走りを楽しむ事が出来たのではなかろうか。走りのステップアップのヒントを掴んだ者、新たな課題を見付けた者、メンバーそれぞれだったと思うが、私にとってもGSXをより楽しく走らせるヒントを今回のツーリングで見付けたような気がする。

バイクの楽しいところはこれで終りと言う事が無いところで、自らが努力する事で新しい世界が開け、更に楽しさが増していくのがバイクの世界なのだと思う。これからも充分安全に気を付けてバイクを楽しんでいきたいと私は考えている。

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578km走りました。皆さん、お疲れさんでした。

昨年断念した竜飛埼にも行き、建物の前までは行ったが入れなかった谷地温泉にも入った今回のツーリング。昨年の地獄を見たツーリングとは打って変わって春の日差しを浴びて走りを満喫出来たツーリンとなりました。


2006 FUNKY 2nd.Touring





                                  Report by Ryuta

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