コース
秋田⇒出羽グリーンロード゙⇒南外⇒三ッ森山⇒

東由利⇒西馬音内⇒十文字⇒国道342号

岩井川⇒須川⇒県道282号⇒国道398号⇒

花山⇒県道249号⇒国道108号⇒鬼首⇒

横堀⇒国道13号⇒院内⇒松の木トンネル⇒

笹子⇒法体の滝⇒猿倉⇒花立⇒南由利原⇒

仁賀保高原⇒西目⇒沿岸道⇒岩城IC⇒

44峠⇒県立運動公園⇒県立運動公園⇒

出羽グリーンロード⇒岩見三内⇒太平⇒

貝の沢温泉 入浴 モト ワークス ヒラタ 
               走行距離 506km



リターンライダー




昨晩の雨は上がったが、路面は濡れていた。

 2011シーズン最後の FUNKY 7th.ツーリング は、出発時間がいつもより遅いAM7:30で私は余裕で家を出られる筈だったのだが、結局起きたのが遅くて家を出たのは7時を回っていた。

 昨晩降っていた雨は上がっており、私は軽トラでハーフウエットの道を飛ばして店に向かう。ローソンの角を曲がって店の前にバイクを探したが、まだ誰もまだ来ていなかった。私はいつものようにバイクを工場から出して着替え始める。

 そうこうしている間に今日の参加メンバーが続々と到着し始める。今日の参加者は私を含め5名で、その中に8年ぶりに参加するメンバーがいた。

 彼がFUNKYツーリングに初参加したのは1988年だったからもう23年も前の事になるが、まだ10代だった彼は FZR250 EXUP付 (3HX)でバイクの楽しさを知り、CBR400RR、NSR250R等を乗り継ぎ2003年まで’99 YZF−R1でFUNKYツーリングに参加していた。

 一旦オンロードバイクと距離をおいていた彼は、久しぶりにONロードバイクを手に入れ今回8年ぶりにFUNKYツーリングに参加する事になったのである。彼は今日ツーリングに合わせて整備した NSR250R SE (MC21) をライディングする。


南外佐藤酒店雨到着


紅葉の進み具合は例年より遅いようである。


気温は13℃と1か月前の気温だった。

 予定通りに秋田市を出発した我々は、先ずは出羽グリーンロード経由で南外の佐藤酒店を目指す。8年ぶりに走るNSRの彼(以後NSR)には最後尾(2サイクルでも有り)で自由に走ってもらう事にしたのだが、8年ぶりとは云え長年FUNKYで走ってきたベテランの彼だから問題は無いだろう。

 路面はまだ乾き切っておらず久しぶりに参加するメンバーもいる事だし、私は押さえたペースで出羽グリーンロードを走り始めたのだが、今回も霧が出ていてシールドに水滴が付着して苦労する。

 久しぶりにFUNKYツーリングを走ったNSRがどのような感想を持ったかは分からないが、私が想像するに結構以前との違いを感じたものと想像する。

 8年前のFUNKYツーリングには速い者が偉い的なところも有ったのだが、最近は速さを求めるだけではなく走りを磨きながらもツーリングを楽しむ方向に重点が移ってきた。

 そうなった要因として時代背景の変化やハード(バイク)の進化が挙げられる。この10年でバイクを取り巻く環境は変わったし、タイヤ、ブレーキ、フレーム剛性等バイクの基本性能は大きく向上した。

 その結果より高いスピードを維持して走れるようになった反面、リスクが増大する事にもなった。FUNKYツーリングはグループで走ってはいるが、弁当とリスクは各人持ちで、他人がどう走ろうと自分は自分の走りをしリスクは自分で取る。

 これは発足当時から基本的に変わっていないのだが、それがよりハッキリと自覚されるようになり、自身のリスクをシッカリ管理する事により結果的に速さだけではなくなってきたのである。

 私の場合大人の対応をする他のメンバーさんとは違い、リスク管理が甘く条件反射的に抜かれたら抜き返そうとしてしまうのだが、NSRも私同様古き良き時代?のFUNKYを引き摺っている人なのかもしれません?

 国道105号に出る前の高速ステージで私がミラーを覗き込むと、リッターバイクを抜く勢いで走るNSRの姿が映っていた。彼の走りは正しく古き良き時代の?走りで、彼は8年前にタイムスリップして走りを楽しんでいるようでした。

 我々は南外の佐藤酒店前にバイクを止めて休憩としたのだが、店の前に設置された温度表示板は13℃を表示しており、それは1ヶ月前に行われた6th.ツーリングの時と比較して5℃も高い気温で、今日は指先が凍える事も無く、晩秋の陽射しが柔らかく我々を照らしていた。

 最終ツーリングでは、向いの民家の紅葉がいつも色鮮やかな色彩で我々を迎えてくれるのだが、今年は色付きが遅いようでその色彩は冴えなかった。今年の紅葉は例年より遅れていると聞くが、長かった夏が影響しているのだろうか?

 休憩を終えた我々は南外を出発して三ツ森山へ向かったのだが、グリーンロードの通行止は相変わらずで、我々は八木沢経由で三ツ森山へと向かう。


往年の走り



道の駅 東由利



ここも天気は良かったがまだ路面は完全に乾いていない。


 今日の三ツ森山は路面に所々濡れた個所が有って、私は路面を確認しながら慎重に山を越えたのだが、私がリッターバイクで走るようになって、路面が濡れている時のペースは明らかに遅くなった。

 250や400で走っていた頃の私は濡れた路面でもそこそこのペースで走っていたが、重くてパワーの有るGSX−Rで走るようになってからは、リヤタイヤのスピンが怖くて(最新のバイクに装着し始めたトラクションコントロール欲しい)安全マージンを大きく取った走りに変わったのだ。

 今回軽量なNSR250Rで三ツ森さ山を越えたNSRだったが、Stop&Go のワインディングロードをオンロードバイクで走るのは久しぶりだったようで、大分手子摺っていた様子だった。

 ワィンディングロードはブレーキが決まらないと始まらないが、NSRは長いブランクからブレーキを掛けるタイミングのプログラムがまだ構築されておらず、コーナリングが安定しなかったようだ。

 しかし、秋田市に帰る頃にはNSR250R向けの新しいプログラムを作り上げたようで、NSRの走りに余裕が出てきていましたね。

 三ツ森山を下り 道の駅 東由利 に到着した我々は、パーキングにバイクを停め休憩する。南外で休憩した時には他のメンバーとのコミュニケーションに苦労していたNSRだったが、ここ東由利ではメンバーの中に入って会話を交わしている。

 ライダーは初対面同志でも一緒に走る事で距離感が縮まり次第に打ち解けていくものだが、NSRも走行距離が増えるに連れ8年前と同様冗舌になっていくのでありました。


晩秋を走る




岩井川の旅の駅

 道の駅 東由利 を出た我々は、国道107号から県道32号に入り県道34号梨ノ木峠を越えて田代に出た後、県道275号を国道107号方面に向かい、国道398号の少し手前から川を渡って西音馬内に出る広域農道に入る。

 広域農道の路面は一部まだ濡れており思い切った走りは出来なかったが、我々は晩秋の陽射しを浴びながら鮮やかな色彩を放つ山々の間を駆け抜け西音馬内に出る。

 西音馬内から県道57号に入った我々は、稲刈りが終わり閑散とした田んぼが広がる横手盆地を横断、十文字に出る。横手湯沢道路の下を潜り国道13号を横断した我々は、国道342号に入って増田を通過し東成瀬岩井川の旅の駅にバイクを停め、これから向かう須川に備えて休憩を取る。

 私はいつものようにトイレ前に置かれた自販機でペットボトルのお茶を買おうとしたのだが、お金がスルーして下の釣銭口に落ちてきた。お金を入れ直しても同じでよく見たらランプが全く点いておらず、ここでは既に冬支度を終え自販機の営業は終了していたようです。

 休憩を終えた我々は国道342号を須川に向かって走り始め、国道に沿って流れる成瀬川沿の集落を通過しながら標高を上げて行く。成瀬川に造られている成瀬ダムの建設現場が近づくと、ダム建設に伴う付け替え道路の工事が進んでいた。

 舗装すれば直ぐにでも供用出来る区間も有ったが、私はどの場所にダムが建設されこの地域がどの様に変わるのかを知らない。成瀬ダムは森吉山ダムや胆沢ダムのようなロックヒルダムで造られるらしく、完成すればこの地域も大きく変わる事になりそうである。

 しかし成瀬ダムの反対運動も有るようだしダムの行く末はまだハッキリしないが、私が興味の有るのは付け替え道路がどの様なルートでそしてどのような線形で造られるかだ。

 ダム建設現場?を過ぎると本格的な須川へ上りが始まる。私が先頭で他のメンバーを引っ張る形で走り始めたのだが、陽の当らない場所が濡れていたり、カラ松の落ち葉が路面を覆っていたり(ワダチを除く)していて、路面状況を確認しながらの走りになる。

 私は路面に集中しミラーを見る余裕も無く栗駒山荘下のT字路まで走ってしまったのだが、後ろではNSRが10Rを抜き去る走りを見せていたようだ。FUNKYで通算10年以上の経験を持つNSRは、10Rの走りを後ろで見て機をみて前に出たようなのだが、追い越された10Rは大人の対応(私だったら即座に抜き返す)でそのままNSRの後ろを走っていたようだ。

 初めてのメンバーと走る場合、走り方を理解するまで慎重な走りになってしまうのだが、一緒に走る時間を積み重ね互いの信頼関係が形成されてチームとしの走りが出来るようになる。それには最低1シーズンの時間が必要なのかな・・・?

栗駒 須川 栗駒山荘下で休憩。 標高1000以上のここまで来ると、紅葉の鮮やかな色彩は消えておりました。


国道398号

 須川から小安方面に下る県道282号は、今年から?中央の黄線が無くなりはみ出し可能になったのだが、この道を下方向に走るのは長い下りの先にヘアーピンカーブが有ったりして結構難しい個所が多く、私はそれなりに走って国道398号に出て左折、宮城県との県境を目指す。

 走り慣れた道とは云え国道398号の秋田県側は、道幅も狭く途中に水汲み場も在ったりして結構気を使う場面が多い。一方県境を越えた宮城県側は、岩手・宮城内陸地震後にきれいに造り直された区間も有って、結構走り易かった。

 湯浜温泉に下る所の駐車場には多くの車が停まっていたが、湯浜温泉は再開されているのだろうか? 私は湯浜温泉には一度も行った事が無いのだが、行くには国道のパーキングから山道を10分位歩いて下るらしく、ライダーブーツで行っても良いものかどうか悩んでいる温泉である。

 我々は湯浜峠のパーキングにバイクを止め少休止を取ったのだが、宮城県は白い雲がプカプカと浮かぶ良い天気で、陽射しが我々を温かく包んでおりました。

湯浜峠で休憩 後ろは栗駒山


花山のそば


花山そばの一つざらぼう


古民家風の店内



手打ちそば 大盛り 1000円(税込)



ぶっかけそば 1000円(税込)


お腹を満たして花山のGSへ向かう。

 休憩を終えた我々は花山に向かって下り始める。ここの下りは所々に中央線の無い狭い区間も有って道路状況の把握に充分な注意が必要なのだが、私はメリハリを付けながらそれなりに走る。

 久しぶりにここを走るNSRは、ブレーキのタイミングに苦労していたようだが、ベテランの走りでしっかりと着いて走っていたようだ。温湯温泉からは広い2車線路になったが、私は今日初めて立ち寄るお蕎麦屋さんを探しながらの走りになり、ペースは上げられなかった。

 花山には有名な蕎麦屋さんが3軒存在するようなのだが、今回は 山菜茶屋 さらぼう で昼食を取る事にした。温湯温泉から少し走った左側にも 花舞の里 というお蕎麦屋さん在って、私はどちらにするか迷ったのだが、今回は 手打ちそば(40食限定) と云う言葉に引かれて ざらぼう にいたしました。

 ざらぼう は狭い杉林を抜け広い二車線路に出て直ぐの右側に在って、私は以前からその建物は知っていたがお蕎麦屋さんである事は知らなかった。

 建物の中は古民家風の作りだったが、現代の物も取り入れた小奇麗な気持ちの良い店内だった。私は限定40食だと云う 手打ちそば 800円 をオーダーしたのだが、他のメンバーの多くは大盛り(200円プラス)をオーダーしていた。

 以前の私だったら当然の如く大盛りを注文していたのだが、最近メタボだの血糖値が高いだの悪玉コレステロールがどうのこうのという健康診断の結果が出て、カロリー摂取量を抑えている(その成果はまだ出ていないが・・・)私は、普通盛りにいたしました。

 この歳(来年の1月で63歳)になりますと、人間の体は効率が上がる?(代謝が落ちでカロリー消費量が減る)ようで、若い時と同じ量を食べても脂肪に回るカロリーが増え皮下脂肪の厚さが増すようです。

 何故か一番最後に運ばれて来た手打ちそば(普通盛り)は、艶が有ってコシも有る美味しいそばだったが、私も大盛りで良かったと思わせる量でしたね。

 唯一 ぶっかけそば(普通盛り) 1000円 をオーダーしたメンバーがいて、そのそばの量を見ると 手打ちそば(大盛り) 1000円 と大差ない結構な大盛りだった。そばの上には美味しそうな天ぷらも載っていて、私も ぶっかけそば にすれば良かったと後悔したが遅かった。

 山菜茶屋 さらぼう の ぶっかけそば はお得なメニューかもしれません。

 お腹を満たした我々は、ざらぼう を出発して花山に在るGSに向けて走り出す。ここから道の駅が有る花山までは広目の2車線が続き、私は少しペースを上げて走ってみる。

 このようなステージでは400ccや250ccは少し離れてしまうのだが、その2台のバイクはフルスロットルで前の2台を追い掛けていたようだ。

 NSR250R SE(ノーマル/リミッターカット済) と FZR400RR−SP(フルパワー仕様) の加速を比べると、重さのハンデが有るもののパワーの差(10PS弱?)でFZRの方が少し速いようで、ヨーイ・ドン!で加速を始めるとFZRがジリジリと離れて行くとNSRは言っていた。

 NSR250Rにチャンバーを装着してセッティングを出せばFZRと同等以上?の加速が得られる事は分かっているのだが、NSRはあえてノーマル仕様で勝負?するようである。

 以前チャンバーを装着したNSR250R(後輪馬力60PS以上)を北海道の直線で焼き付かせた経験を持つNSRは、その時の事がトラウマになっているのか今のところチャンバーの装着は考えていなと言うが、先の事は分からない・・・?

 彼の経験とテクニックを持ってすれば、ノーマル仕様のNSRでもFUNKYツーリングを充分楽しむ事は容易と思われるのだが、北海道を走る場合はストレスを感じるかもしれませんね?


花山GS



花山の ENEOS GS



肩を並べるHONDAの250、
左 NST250R SW / 右 CBR250R
2車の間には20年
の隔たりが有る。
パワーは古いNSRが23PSも大きい。


森林博物館の紅葉は始まったばかり。

 我々は1年ぶりに花山のENEOSスタンドを訪れたのだが、いつものようにおかあさんが出て来て給油をしてくれた。昨年は2年5か月ぶりで私の顔を思い出すのに少々時間がったおかあさんだが、今回は一発で私を認識したようで親しく会話を交わさせていただきました。

 我々が給油しているとHONDAのCBR250Rがやって来た。私はこの新しいHONDAの250スポーツバイクを間近に見るのは初めてで、マジマジと見てしまったのだが、期しくもその横ではNSR250Rが給油をしており、新旧のHONDA250スポーツバイク揃い踏み状態になっていた。

 並んでいるのは同じフルカウル仕様250ccだがその中身と云うか性能は対照的で、片や煙を吐く水冷2サイクルVツインのハイパワーエンジン、片やフューエルインジェクションの水冷4サイクルシングルのクリーンエンジンで、それぞれのバイクがそれぞれの時代背景を良く映し出していた。

 乗っているライダーウエアーも、NSRはレザーレーシングスーツ、CBRは上がナイロン製のツーリングジャケットと下はレザー?パンツとそれぞれの時代を現わしており、時代を越えてここ花山の地で両者は出会ったのでした。

 両車間には20年の時の隔たりが有るのだが、エンジンパワーはNSRが45PS、CBRが27PSと20年で18PSもパワーダウンしている。工業製品は年月が進むと性能がアップしていくのが当たり前だと私は思うが、250ccスポーツバイクでは時間が逆に流れているようである。

 新しい製品の方が性能(パワー以外も)が低いこの状況は、現代の250ccバイク環境をよく表現していると思うのだが、NSRは無理としてもCBR250RRみたいな4サイクル4気筒モデルが発売される時代はもう来ないのでしょうかね?

 今考えると昔(20年前)はライダーに取って色々な選択肢が有って、本当に良い時代だったですね!

 お母さんに別れを告げてGSを後にした我々は、森林科学館へトイレ休憩の為に向かった。森林科学館に到着して見ると、いつも我々の目を楽しませてくれる楓の木の紅葉は、まだ始まったばかりで殆ど色付いていませんでした。 残念!

 休憩を終えた我々は、狭く曲がりくねった道を慎重に走りながら国見峠を目指すが、楽しみにしていた国見峠の紅葉も今一でしたね。

 県道249号の国見峠を越えると道はちゃんとした二車線路になるのだが、砂や小砂利が路面に落ちていて私は路面を確認しながら慎重に峠を下り江合川沿いを走る道に出る。ここから国道108号までの区間が私の大好物で、見通しが効くワインディングロードを大いに楽しんむのでした。


南由利原高原の道路陥没


 国道108号に出た我々は右折して秋田県との県境に向かう。毎年この時期は紅葉見物の車やバイクで賑わっているこの道も、今日は交通量が少なく走り易かった。以前は結構頑張って走った時期も有った鬼首道路だが、距離が短い事も有り今回はそれなりに走ってしまいました。



笹子 道の駅 清水の里 鳥海郷 で休憩。 


南由利原高原サイクリングターミナル着


この先の道(右方向)が通行止めになっていた。


これから仁賀保高原にむかうのだが・・・。

 鬼首トンネルの中で秋田県に戻った我々は、国道13号の横堀を目指す。以前から行われていた国道108号の改修工事も大方完了し、狭いのは秋の宮温泉郷の中位になって大分走り易くなっていました。

 国道13号に出た我々は、国道13号と国道108号の供用区間に左折し院内で国道13号と別れ国道108号を笹子の道の駅へ向かう。

 松の木トンネルの高速ステージを楽しんで、我々は 道の駅 清水の里 鳥海郷 にバイクを停めたのだが、私はいつものように道の駅の向い側に在るGSで給油&休憩をする事も考えたのだが、花山で給油してからまだ130km程しか走っておらず、道の駅で休憩する選択をしたのだった。

 しかし、このまま無給油で秋田市まで行けるかというと微妙で、バイクによっては持たない可能性が高かったから、結果論だがここで給油してガソリンの心配をしないで走るべきだったのであろ。

 充分な休憩を取った後笹子峠を越えて百宅経由で法体の滝に出た我々は、鳥海山の麓を縫うように走るワインディングロードを走り抜け猿倉温泉の上に出た後、そこから矢島花立までの高速ステージを楽しみ南由利原高原サイクリングターミナル前にバイクを止める。

 これからの予定は、仁賀保高原にを往復して沿岸道で秋田市に向かうのだが、ここ南由利原と仁賀保高原を結ぶ道路が最近陥没(陥没した道にバイクが落ちたが、ライダーは奇跡的に軽傷だったらしい)して不通になっており、仁賀保高原に行くには大きく迂回しなければならなかった。

 不通個所がそれだけだったら我々がいつも使う ゆり高原 ふれあい農場 経由で西沢に出て西由利原に上るコースを使えば良かったのだが、ふれあい農場から西沢に下る道路もまた通行止めになっているらしく、そのルートは使えなかった。

 通行止の柵の前には仁賀保高原に行く迂回ルートとして、南由利原から一旦国道108号の前郷に下りて鮎川から西由利原に上がるルートが案内されていたが、私は二車線路ではないが舗装された抜道(林道?)が存在するとの情報を得て、今回その道にチャレンジする事を考えていた。

 その道は ふれあい農場 の少し手前から左に入って黒沢経由で西沢の集落に出る道のようなのだが、事前に地図で確認したところ確かに地図上にその道は存在してはいたが、この手の道は実際に行って見ないと分からないから、私の中には本当に通れるか不安が有った。

 南由利原高原サイクリングターミナルを発って前郷方面に走り始めた私だったが、抜道の入口を探しながらの走りで集中出来なかった。左 黒沢 の標示板を見付けた私はそこを左折したのだが、道は車一台がやっとの狭い道だった。

 それは由利原高原の彼方此方に見られる狭いが舗装はされている道で、沼?池?の中を抜けやがて薄暗い杉林に入って一気に標高を下げると、集落の中を抜けて県道287号に出た。

 そこからは知った道で、私は右折して鮎川方面に進路を取り西由利原に上がる道に左折したのだが、その反対方向の東由利原に上がる道は情報通り柵で塞がれておりました。

 ヘアーピンコーナーが連続する西由利原へ上がる道を駆け上がり広域農道に出た我々は、左折して四角井戸溜池に向かう。途中に在る少し長い直線に出ると、正面に見える傾き始めた夕陽が眩しく眉を顰めながら直線を駆け抜ける。

 我々は四角井戸溜池で県道285号に出て左折、県道32号と交わる冬師の十字路に出て県道32号を右折して仁賀保高原へと上って行く。

 この十字路の南由利原方面に向かう県道32号には柵が設けられていたが、陥没個所の手前に在る集落や先ほど我々が通って来た西沢へのルートも有って、完全閉鎖にはなっていませんでしたね。


太陽との競争



仁賀保高原の仁賀保側上り口 見はらし台。



陽が傾き日没も近い。

 南由利原から先ほどの十字路までは通常5分も掛らないのだが、崩壊個所を迂回した結果我々は20分以上の時間をロスしてしまった。この時間的ロスが、以後の予定いに影響する事になるのだがその話は後ほどいたします。

 FUNKYでは定番コースとなっている仁賀保高原への道は、勾配がキツイカーブが連続する難しい道で、私はこれまで何回となく走ってはいるが苦手(上りも下りも)としている道で、ペースが上がらなかった。

 後の皆さんにはご迷惑をお掛ける結果となってしまったが、後ろにはこの道の先頭を任せられる人材が揃っていたから、私は後ろに下がっても良かったのだが、今回は決断が付きませんでした。

 来年からは皆さんに先頭をお任せして、私は後ろで自由に走りたい(隠居生活?)と考えているのだが、どうでしょうか 皆さん・・・?

 仁賀保高原に上がった我々は、そのまま仁賀保方面に下って麓に在る見はらし台のパーキングにバイクを止め休憩とした。見はらし台に到着した時点で時間は午後3時半を回っており、陽は大きく傾いていた。

 この状況では、私が今シーズン最後のスペシャルステージとして楽しみにしていた出羽グリーンロード最終ステージを走る時、暗くなっている可能性が高かった。

 今日の日没は4時15分頃?で、陽が沈んでも暫くは普通に走れるものの4時半を過ぎるとそれは難しいと考えられた。ここからグリーンロード最終ステージまでの所要時間を考えると、4時半までに到着するのは難しい状況になっていたのである。

 見はらし台から直接仁賀保の沿岸道入口へ向かえば時間は節約出来るのだが、それでは仁賀保高原の上りや四角井戸溜池からコロニー入口間のスペシャルステージを走れず、それも勿体無い。結局予定通り四角井戸溜池経由で沿岸道に上がる事にしたのだが、こうなってくると先ほど遠回りしてロスした20分が勿体無かった。



忘れていた走り


今回のツーリングで使い切ったフロントタイヤ。

 休憩もそこそこに仁賀保高原を上り始めた私だったが、先ほどの下りもそうだったが最近に無くブレーキをハードに掛ける走りになっていた。

 今回のNSR8年ぶりの参加は、私の心の中に眠っていた何かに火を点けてしまったようで、フロントタイヤの溝が殆ど無い状態にも拘らず、私の走りはいつしかブレーキポイントを奥に求める走りに変わっていたのだった。

 リッターバイクが2サイクル250に勝っている所は加速で、反対に2サイクル250が優れているのは軽量な車体を活かしたブレーキングやコーナーリング性能だ。

 リッターバイクが加速で250に差を着けても、車体が重いリッターバイクはコーナーの入りでブレーキを早目に掛けなければならず、コーナーの入りで250に一気に差を詰めらる事になる。

 今回のツーリングでNSRの影を背中に感じていた私は、ツーリング終盤になってハードブレーキで制動距離の短縮を意識するようになっていたのだが、それは私が最近忘れていた?走りでもあった。

 数年前はフロントタイヤとリヤタイヤの交換時期が殆ど同じだったのだが、最近はフロントを2本交換する間にリヤを3本交換するペースになっていた。

 フロントタイヤが減らない走りは精神的にもお財布にも優しいのだが、緊張感を伴うフロントタイヤを減らす走りはライダーのモチベーションを上げる要因の一つで、私は今回のツーリングから何かを貰ったようである。

 仁賀保高原から四角井戸溜池、コロニー入口と走った我々は、仁賀保ICから沿岸道に入って岩城ICを目指す。本荘付近で太陽は沈んだが、バイクを走らせるにはまだ充分な明るさが残っていて私は先を急いだ。

雄和のGSで最後の給油。


 岩城ICを下りて44峠を越えた我々だったが、沿岸道を下りる前から私のGSX−Rの燃料警告灯は点灯していて、このままでは秋田市までとどかないバイクも出る状況にあった。

 この状況は折り込み済みで私は雄和に一ヶ所有るGSで給油を考えていたのだが、タンクの小さい250や400ccのバイクではGSに辿りつけるかどうかのギリギリの状態になっていたらしいです。

 何とか無事GSに到着した我々は、早速給油を行ってグリーンロード最終ステージへと向かったのだが、ここで10分程時間を使ってしまい、辺りは薄暗い状況になっていた。


2011シーズン終了



午後5時半前 太平 貝の沢温泉到着 温泉に向かう。


本日の走行距離 506km



午後7時過ぎ解散。



8年ぶりの参加お疲れさんでした





 秋田国際教養大学の前を通過して出羽グリーンロード最終ステージに到着した時、薄らライトの光が確認出来る位の暗さになっていて、光を感じるセンサーが弱っている年寄りの目では、状況の判断がしづらい状況になっていた。

 2012シーズン最後の走りを楽しむべく私はスロットルを開いたのだが、ヘルメットのシールドがソフトスモークだった事も有り、状況判断に不安が有りペースは上がらなかった。日没が早い晩秋は、クリアーシールドが必須ですね。

 我々がシーズン最後の走りを楽しんで国道13号に出ると、国道にはヘッドライトを明々と点灯した車が川のように流れていた。何とか流れに入り込んだ我々は、奥羽本線を越えた先で流れから抜け出し大張野へと向かう。

 いつもはこのまま店に戻るのだが、今日は太平貝の沢の貝の沢温泉に立ち寄る為岩見三内から太平野田に向かう。すっかり暗くなった午後5半前、我々は貝の沢温泉に到着する。

 貝の沢温泉に立ち寄るのは久しぶりだったが、我々は以前と変わらない420円の入湯料を支払った後温泉に向かい、レザースーツを脱いで早速温泉に入る。

 冷えた体に温泉が沁みわたり一瞬強ばった体が次第に解けて、私は 「極楽極楽!」 と思わず言ってしまいました。

 ツーリングの最後に温泉に入るパターンは、日没が早い最終ツーリングで走行時間を多く取る為の処置なのだが、シーズン最後のツーリングを温泉で温まって終わるツーリングも良いものです。

 午後六時半過ぎ、我々は温泉で温まった体が冷めない内に店に戻り、2011シーズン最後のFUNKYツーリングは無事に終了した。今日のツーリングは8年ぶりに参加したメンバーも有り、それが私の刺激にもなったりして楽しいツーリングとなった。

 これで東日本大震災という未曾有の大災害の影響を少なからず受けた 2012 FUNKYツーリング の全てが終了した。幸いな事に私は今シーズンも沢山の思い出を作る事が出来た。

 あのような大きな災害を経験すると、明日は約束されたものでは無い事を痛感する。今日の今を如何に楽しみ充実した時間を過ごすかが大切で、その積み重ねを明日にしていくべきだと私は思うのだが・・・。

 私がこの先何年FUNKYツーリングに参加出来るかは分からないが、出来るだけ長くバイクと共に過ごせたらと考えている。

 一応 FUNKY 2012シーズン の予定は立てたのだが、行きたい所、やりたい事が沢山有って実際にどうなるかは分からないが、北海道だけは何としても行きたいと思っている。

 それでは 2012シーズン FUNKYツーリングレポート でまたお会出来ればと思います。



                  おわり
by Ryuta





※FUNKYツーリングに興味をお持ちの方は、4月に行われる スプリングツーリング に是非ご参加下さい。

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