![]() ![]() 2002.11. 3 2002 FUNKY 7th.Touring Report by Ryuta |
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![]() 秋田⇒出羽グリーンロード⇒国道105号⇒南外⇒大森町⇒国道107号⇒東由利町道の駅⇒国道107号⇒ 浅舞⇒横手⇒国道107号山内⇒湯田⇒錦秋湖⇒横川目(昼食)⇒花巻温泉峡⇒大沢温泉⇒花巻温泉峡⇒ 矢巾⇒雫石⇒国道46号⇒仙岩峠⇒角館⇒国道46号⇒協和⇒国道13号⇒岩見三内⇒宝川⇒ moto works HIRATA 総走行距離 348km |
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AM9:00 、今回もそれは電話のコールで始まった。 しかし電話の相手は私では無い。彼もまた夢を見ていたに違いない。どんな夢だっだかは聞かないことにしよう。携帯の着メロが鳴って彼は目覚め、そして携帯を手に取る。電話から聞えてくるP氏の声。 P氏 「寝てた?」 彼 「・・・うん。」 P氏 「これから来る?。来るなら待ってるけど・・・」 彼 「・・・・・・・・・」 彼は寝ぼけ眼(マナコ)を擦りながら頭を整理し結論を出す。 彼 「行く・・・。待っててください。」 昨日は霙と言うよりは、雪が降ってもう冬?って感じの天候に今日のツーリングをどうするか悩んだが、1日伸ばしても良くなる予報は出ていなかったため、集合時間を1時間半遅らせて今日決行することにしたのだが。 いつもはAM6::00に集合しているのに今日の集合時間は9:00。ゆっくり寝たつもりであったがAM7:00には目が覚めてしまい朝風呂に入ったりして時間を潰したが8時半にはもう店にいた。路面は所々濡れてはいるが雨は落ちていない。 店の近くに住むP氏がまずやって来て、9時少し前にM氏が到着する。9時を回ったがK氏が来ない。以前は寝坊の常連であったK氏も最近は送れる事は無かったのだが。P氏「電話してみますか。」と言って携帯を取り出しK氏に電話を掛ける。これで出なければ向かっているってことかな?しばらく呼んで電話を切ろうとした時、・・・出た。 P氏 「寝てた?」 K氏 「・・・うん」 ・・・・・・・・・・・・・・ K氏は速攻で支度をして秋田市の北の外れから飛ばして来たのであろう、我々が予想した通り約30分後の9時半過ぎアクラボビッチの音を奏でながらやって来た。早速我々も支度をして出発する。今回はR6のK氏を二番手に据え、ウェット路面にタイヤが不安なR1のP氏を最後尾、三番手750SPのM氏で秋田を発つ。 私の服装は皮パンに皮のジャケットそれに下は雨具のズボンを穿き、上には防水のアルミライナー入りMOTOMOD防寒ジャケットを着た完全装備である。 グローブはオールウエザーグローブ@、革のグローブ@、革のウインターグローブ@、革グローブ+ゴム手袋@、薄手のインナーグローブ@を準備し万全を期す。この時期濡れたグローブは、直ぐに指先から感覚を奪っていくので替えのグローブは必須であろう。 他のメンバーは革つなぎの下に厚着し、その上に雨具を着ただけで寒そうではあるが若い衆は寒くはないのだろう。 高速の秋田中央インターに向かって行くと、南の空が怪しく暗くなっているのが見える。北の空は明るいが南の空は黒い雲が掛かっているようだ。今日の予定は南外から大森・大内・東由利・羽後町・雄勝・鳥海町を走って最後は由利原高原で今年の走り納めのつもりだが、南に黒い雲とは悪い予感がする。 いつものコ−スでR13号から出羽グリーンロードに入りK氏を先頭にペースアップするが、K氏はFUNKYで初めて走る先頭のポジションに慎重な走りになっているようだ。小種から大沢郷を通過し小さな山を登り下りになった時、私が先頭で二番手はK氏であった。路面はウェット、私はそれなりのスピードで緩い下りの右コーナーに入って行くとコーナー出口にある横道からワンBOXカーが出て来るのが見えた。 車はこっちを見て止まったためそのまま走行する。ふとミラーを覗くと直ぐ後ろにいたはずのK氏がミラーに小さく写っている。どうして離れたのかその時は分らなかったがペースを落として後ろを待つ。国道105号の出る手前でK氏をまた前に出すが、直ぐにM氏がK氏の前の出てペースを作って行く。何故だ? ![]() 国道105号に出て右折して大内町方向へ向かう予定であったが、路面は濡れているし雨もポツポツ落ちているので予定を変更、南外からグリーンロードを行くことにしていつもの佐藤商店で休憩にする。そこでK氏が私と離れた原因が明らかになった。私の後ろでは一つのドラマが展開されていたようである。 緩い下りの深い中速右コーナー路面はウエット、私の後ろに付いて走っていたK氏はブレーキを掛けるタイミングが少し遅れてしまった。進入スピードが早過ぎると思ったのであろう、K氏思わず強くブレーキを掛けてしまった。ロックしたリヤタイヤを左右に振りながらR6は左側のガードレールにグングン吸い寄せられ路肩まで行ってしまった。 ![]() 後ろを走っていたM氏が「逝った・・・。」と思った時、R6はあの世に逝くことなく何とか現世に戻って来ることが出来たようだ。その時ガードレールとR6との間隔は50cmも無かったと後ろの2人は証言している。接触しなければ50cmも1mmも同じことだが、K氏よくぞご無事でこの世に戻ってきてくれた。最後の最後まで諦めずその状態から抜け出そうと努力した結果であったのであろう。しかしあのガードレールに吸い寄せられていく時の感覚は、俗に言う心臓が喉から飛び出る感じと言いますかあまり味わいたくない感覚ではある。 直後を走っていたM氏は、ガードレールに近づいて行くK氏に一瞥をくれながらも、視線をしっかりコーナー出口に移してコーナーをクリヤーしM氏が戻って来るのを待ったのである。 ![]() M氏はその昔、下りの左コーナーで前を走るバイクが減速し切れず右車線にはみ出したのに視線を取られ自分も右にはみ出してしまい、何とかコースアウトを免れて戻って来た前のバイクをパトリオットようにピンポイントで撃墜するという貴重な経験を持つライダーで、今回のような場合でもしっかり前のバイクを見捨てて自分だけは助かるテクニックを身を以て会得した男なのである。 ウェット路面でブレーキングする時は、ドライ路面よりも早めにブレーキを開始しなけばいけない。まずジワッとブレーキレバーを握ってディスク表面の水の膜を飛ばし、フォークを沈めタイヤを路面に密着させてから本格的にレバーを握り減速する。そのためドライの時より多めに距離が必要なのである。当然グリップが落ちるので制動力が落ちる分制動距離も長くなる。 また雨の時のリヤブレーキはタイヤがロックしやすいため、ブレーキを強く掛けないように注意が必要である。ウエット路面でもバイクがバンクしていなければ前に書いた手順でフロントブレーキを掛ければ充分に制動力は得られる。いずれにしても雨の日のコーナーリングは、直立状態で減速を完全に終えアクセルを当ててコーナーに進入すれば大したドラマは起こらないものだ。 ここで寒さで指先の感覚が無くなったと言うP氏に持って来たインナーグローブを貸す。これから先、雨が強くなると予想され若い衆も雨具上下を着て出発、保呂羽山に向かう。この時期、雨が降ってから雨具を着るのではなく降りそうならば着て走り出すのが鉄則である。濡れて上に雨具を着ても意味が無い。 ![]() ![]() AM11:20、道の駅東由利に到着する。雨は本格的な降りになってきた。ここでこれから先の予定をどうするかを含めて休憩を取ることにする。当初の予定であった羽後町で昼食を取り雄勝から由利原に向かう予定を諦め、鳥海町に直行し百八で蕎麦を食べる予定を立てたのだが・・・・。 ![]() ここの休憩所は入口を入ると右と左に部屋が有って片方には灰皿が置いてあり反対には無かった。私はどちらでも良いのだが、誰も居なかった方に席を取ったら灰皿の無い方だった。 他の3人が居なくなってどこに行ったのかと思っていたら、灰皿を求めて反対側に居た。こちら側に一杯80円でコーヒーやココアを紙コップで売る自販機が有ったので、ココアを飲もうと100円を入れてコーヒーのボタンを押してしまった。ココアがコーヒーになってしまったがそれは私のミスだから諦めも付くが、何故かお釣の20円が出てこない。20円でガタガタ言うなとお思いでしょうが、たかが20円、されど20円、20円返せ・・・・・・。100円だったのかな? こちらが喫煙者用ルーム? ![]() 走るなら乾いている所を走りたいと思うのがライダー。降水が観測されていない所を探すと、秋田県の中央・北部と岩手県方面には降水マークが無い。冬型の気圧配置だとすれば奥羽山脈の向こうは晴れているはずと読んで、急遽前にも行ったことがある岩手県の鉛温泉に行くことを唐突に決定する。 しかし、この決定が後の我々に過酷な走行を強いることになろうとは、その時我々は知る由も無かった。 そうと決まったら、早速今来た道を引き返し国道107号を横手に向かう。横手市に入ると雨も上がり路面も乾いてきたが、道路脇の温度標示は7℃を標示している。国道13号を横切って国道107号を進むと我々の目の前に驚愕の電光掲示が・・・・・。 そこには、< 県境付近凍結注意 >と書かれてあった。だからと言って県境を越えなければ鉛温泉には行けないわけでここで引き返すわけにもいがずそのまま進む。道の駅山内を過ぎた辺りから雨が落ちてきて路面も濡れてくる。県境を越えた所にある長い直線の両側は白銀の世界で、温度標示も4℃を示している。しかし道路は凍結していないようで少し安心する。湯田を過ぎ錦秋湖に沿って走るようになると温度は3℃となり寒さが増してくるが、私自身は完全装備のおかげでヌクヌクと走っていた。さすがに走っているバイクは我々だけで、こんな状況の中をバイクで走る奴の気が知れないと自分自身で思ってしまうが、私はヌクヌクである。こんな状況のなかでは追い越しも掛けられず我慢の走行が横川目まで続いた。 ![]() PM1:20、横川目の街手前にあるドライブインに到着し遅い昼食にする。道の駅東由利を出てからここまで1時間40分休まずに厳寒の中を走ってしまった。 バイクから降りて、P氏曰く 「俺達って絶対マゾッ気あるよね。でなきゃこんな中走れないもん。」 確かにそういう部分もあるかと思います。 雨はポツポツと落ちてはいるが、空を見上げると雲と青空の境目が丁度頭の上に有りもう少し走れば青空ゾーンに入って行けそうである。私の予想ではここはもう青空ゾーンのはずであったのだが。 P氏は濡れたグローブを乾かすためカウルの隙間からエンジンの上にグローブを突っ込んでいる。寒い時期、グローブを温めたい時に使うテクニックである。 ![]() ![]() 外で雨具を脱いで看板に掛けさせてもらって店内に入ると、中ではストーブが焚かれてい暖ったかーい。順番にトイレに行き座敷に上がる。 各自のオーダ-メニューは K氏−のり玉定食 パックのりと生玉子の定食でコストパフォーマンスに優れる。FUNKYきっての大食漢として今まで幾つものお櫃をお代わりしてきたK氏としては、のり玉定食だけで満足するはずも無くホルモンとご飯を追加オーダーする。 ![]() P氏−豚ロース定食・豚汁付き(高コスト定食+α) 私− カツ丼 (迷った時はカツ丼) ![]() M氏−味噌ラーメン大盛り これまで幾つもの不味い物に出合そして食してきたM氏であったが、今回また彼の不味い物フォルダに新しく書き込まれることになったのはドライブインはしやの味噌ラーメンであった。 M氏によると味噌ラーメンなのに味噌の味が無く、大蒜と酢の味が突出したス−プがこのラーメンの悪印象を決定づけてしまったようだ。 これまでM氏の不味いラーメンランキングトップは、新日本海フェリーの中で食べた醤油ラーメンであったと思ったが、今回のラーメンとどっちが上位にいくかM氏に聞くのを忘れた。 味を顔で語る男M氏の左の写真で味をご想像ください。 この不味いラーメンを大盛りで頼んでしまったM氏、北海道から続いている完食伝説が途切れるかと思われた。M氏何とか麺は完食したが、さすがにスープはギブアップとなってK氏にスープをパス。K氏はホルモン&ご飯の味噌汁としてスープを飲み干し(K氏もM氏と同じく不味いと評価)ラーメンの丼は空になった。よってFUNKY完食認定委員会は、M氏の味噌ラーメンを合わせ技で完食と認定することになった。しかしM氏ほどメニューの中から不味い物を引き当てる名人を私は他に知らない。 ![]() 予定では前に行ったことのある花巻温泉峡の奧にある鉛温泉に行くつもりだったが、前から気になっていた温泉が有ることを思い出した。それは花巻温泉峡の中ほどに在る大沢温泉である。川岸に大きな露天風呂が造られていて景色が良いという話を聞いたことがあった。今回は新しい所にチャレンジすることで相談がまとまり、大沢温泉に向かう。 ![]() 横川目のいつものGSの信号を左折して花巻方面に向かうと、だんだん上空が青くなってきて高村光太郎の山荘に行く入口付近まで来ると路面も乾いてきた。 花巻温泉峡(花巻温泉郷と間違わないように)の中ほどにある大沢温泉は、豊沢川に沿って建っていて道路から下がった所に在った。道路脇に駐車場が有ったので一旦そこにバイクを停めたが、下にも駐車スペースが在って上から見ると空きが有ったので下に降りてみる。 ![]() しかしその駐車場は山水閣と言う立派なホテルの泊まり客用のもので、そこにいた係員に追い払われてしまった。外来入浴はその下の自炊部に受付が有るとのことで急な坂を下って大沢温泉山水閣自炊部にPM2:30到着する。バイク4台を駐車するスペースが有ったのでそこにバイクを止め雨具を脱いで中に入る。 ![]() 大沢温泉には沢山のお風呂が有って我々はここで一番有名な大沢の湯(混浴露天風呂)に入る事にする。自炊部玄関で入浴料400円(大人)を払って左手に進むと建物一番奧に大沢の湯は有った。そこまで続く木造の長い廊下は、この温泉の歴史が感じられる趣のあるもので途中に売店や食堂、お風呂や対岸にある菊水館へ行く入口等が有った。 大沢の湯には脱衣所は無く壁に脱いだ服を入れる棚が設けられているだけであった。しかし湯船と壁の間には一応すだれは有る。 FUNKY NO,1温泉モデルP氏の後ろ姿。 割れていない肩甲骨が美しい。私の右肩甲骨は2ピースになっている。 ![]() ![]() 温泉に入ってみると、厳寒の走行で冷え切った体には最初痛い程熱く感じられた温泉であったが、しばらくすると熱くも温くも無くちょうど良い湯加減であることが分ってくる。 硫化水素泉(弱アルカリ性単純泉)のお湯は少し白っぽい透明なお湯で、お風呂中央の岩の下から温泉が出ていた。温泉の出ている付近に近づいてみると結構熱くチョッとビツクリしてしまったが、温泉全体の温度は41℃前後と思われる。 お風呂を形作っている岩の表面はツルツルしていて肌触りが良く、入り心地も良いお風呂であった。基本的に木のお風呂は好きな私だが、こんなお風呂も有りかなと思ってしまった。 湯船からは、豊沢川を挟んで向かい岸に建つ茅葺屋根の建物(菊水館・宿泊施設)が観え、背景の山の木々は思い思いの色を発して山を彩っている。こうして温泉にゆっくり浸かって景色を見ていると、ほんの数時間前まで雪の中を走っていたことなど遠い昔のことのように思えてきてしまう。ここに来るまでの苦労など忘れてしまうから不思議である。 私の横には本を手に持ちながら温泉に浸かっている若い男性がいる。私は温泉で尺八を吹いている人は見たことがあったが、本を読んでいる人は初めて見た。よほどの読書好きと見たが何を読んでいたかは確認できなかった。 菊水館には橋を渡って行く。 ![]() ![]() ![]() 温泉から上がって着替えていると20歳前後の男2人女2人グループがやってきて、アーでもコーでもないと風呂の周りをウロウロしながら話している。どうも女性が服を脱ぐ場所を探しているようで入口近くに有る電話BOXを開けたりして悩んでいる。どうせ裸になるんだからどこで脱ごうと関係ないと思うが、もしかしたらこの連中水着やバスタオルを巻いて温泉に入る気なのかと疑ってしまった。 そんなに見られたくないなら混浴風呂に来るじゃねェー。第一、温泉場に来て温泉にも入らず服を着たままウロチョロするとは温泉に入っている人に失礼だろう。ここは観光スポットでも見学コースでもは無く、皆裸で温泉を楽しむ場所なのだ。・・・と、M氏が大変怒っておりました。私も同感でございます。 まァー、あのオネェーちゃん達が仮に裸になって温泉に入ったとしても、多分私は視線を送ることは無かったであろうと思う。そういう彼女達ではあった。 以前、夏油温泉で混浴風呂に入っていた時、20代後半と思われる色白の女性がタオル(バスでは無い)1枚で入って来たことがあった。恥ずかしがるでもなく堂々とした態度のその女性はゆっくりと温泉に入っていたが、周りの男性陣が反対に視線のやり場に困っていたのを思い出した。堂々と入れば男も女も無く温泉を楽しめるのである。 また北海道の十勝岳温泉に行った時、10代後半と思われる男性1人女性2人のグループが露天風呂にきて最初は男性1人で普通に裸で温泉に入っていたのだが、遅れて女性2人が水着で入ってくると男性が温泉から出て行って海パンを履いて戻ってきた。これはどういうことなのか私には良く分らないが、女性達に何を見られたくなかったということなのであろうか。若い人の考えることは理解しがたいが、水着を着た連中の中で裸でいる我々は何とも違和感があるもので直ぐに温泉から出てしまった。温泉の水着着用は禁止にしてもらいたいものである。 ![]() ここには自炊部だけに売店が有って、コンビニの様な品揃えで色々な物を買うことができる。 玄関左の座敷が無料休憩所になっていたので休憩することにした。ちょうど部屋の準備が整うまで待つ宿泊客と一緒になって部屋は込み合っていたが、何とかスペースを作り出し潜り込んだ。我々の隣に陣取っていた若いカップルの女性がアイスクリームとコーヒー牛乳を買って戻って来たのを見てしまった私は、風呂上りの定番メニューを買いに売店に行く。 ![]() 私は財布から百円玉3個をもって売店に来ていたので、百円玉2個をカウンターの上に置く。だがしかしオバサンはジィーとカウンタ−の上の百円玉を見ているだけで動こうとしない。お釣をくれよ!と思ってオバサン顔を見ると、顔には五円玉持って来いと書いてあった。しょうがないのでそばにいたK氏から五円玉を借りることにする。しかし待てよ、缶飲料をこ買う時また20円いるな。結局K氏から25円借りてカウンターに行き百円玉と五円玉を出すとオバサンはニコッと笑って「有難うございました。」と、のたまった。 ![]() 休憩室に戻って皆と話しながらアイスを食べ、牛乳を飲んでいると隣いたカップルが話し掛けてくる。我々の話が耳に入って、この皮つなぎを持った連中が秋田から来たのが分ったようだ。 「秋田から来たんですか。」 秋田市から来たことを話すと 「私たちは湯沢から来たんです。」 「僕もバイクに乗っているんです。今日は車ですけど・・・。」 そりゃそうだ。今日、秋田からバイクでやって来るのは我々ぐらいのものだわさ。 ![]() 温泉から上がってもうちょっとゆっくりしたいところだが、もう3時20分も回ってそろそろ出発しないと仙岩峠が心配になる。遅くなると路面凍結の恐れがあり、できれば明るい内に通過したいのだ。外に出てまた雨具を着て出発の支度をしていると、自炊の宿泊客と思われる人達が玄関先に車を止めて食料や飲み物をを下ろし始める。早目に支度を終えたP氏が出ようとすると車が邪魔になって何回かの切り返しを余儀なくされた。そのことがP氏のお気に召さなかったようで、P氏から平常心を奪っていった。 ![]() 車の間を抜けP氏が出て行ったのを見送って新しいグローブをはめようとしていた時、後ろの方で大きな音がした。 「グァシャ−ッ」 何だーッ。 振り向くと、坂の途中に右側を下にして横たわるR1とその脇に立ち尽くすP氏の姿が見える。一瞬何が起こったのか分らず、ジーットとその状況を見ている自分がそこにいた。R1を起そうとして手が痛いのか起すのを諦めるP氏の姿を見てはじめて私は走り出した。 今のリッターバイクが幾ら軽くなったとは言え、タンクを坂の下に向けて横になっているR1は私一人の力では起せなかった。直ぐにM氏とK氏も駆けつけR1は引き起こされ坂の下まで運ばれるが、P氏は左腕をハンドルに強打したようでひじょうに痛がっている。 何があったのか問いただすと、P氏が言うには坂の途中まで来て急にリヤタイヤがスリップして転倒したと言う。P氏も何故スリップダウンしたか分らないようである。腕が痛そうなので救急バックから痛み止めのスプレーを取り出しP氏に持って行くと、大丈夫だからと言って使わずじまいであった。怪我は最初の処置で以後の経過が違って来るので我慢せずに処置を受けた方が良いのだが、気が付くと我々は大勢の温泉客の注目の的で、P氏もこんな坂で転倒してしまった自分が恥ずかしく一刻も早くこの場を立ち去りたかったのであろう。そして我々は、R1のダメージが走行に何ら問題が無いことを確認して、そそくさと現場を離れたのであった。 ここでP氏のスリップダウン事件を検証してみることにする。以下の条件下でスリップダウンは起きた。 1、転倒場所は急な上り坂。 2、走り始めて直ぐのスリップダウン。 3、気温が多分10℃前後。 4、リヤタイヤがミシュラン パイロットレース H2。 5、アクセルがアントライオンのハイスロ。 6、R1+アクラボビッチレーシングラインの組み合わせは、低回転から太いエンジントルクを発生する。 7、P氏は平常心を失っていた。 ここからコンピューターが導き出した結論は、 ミシュラン パイロットレース H2は、走り始めたはかりでタイヤの温度は外気温度に近くH2仕様とはいえ温度依存性の高いレーシングタイヤのμは低く、普通のロードタイヤよりグリップ力は低かった。 そんなタイヤの状況下で、P氏とR1は急坂を登るためタイヤにより大きな駆動力を掛ける必要にせまられた。そこで平常心を失っていたP氏は、通常よりほんの少しだけ荒いスロットル操作を行ってしまったのであろう。その手首の動きがアントライオンのハイスロで増幅され、良く調教されたミクニ製BSキャブレターのバタフライバルブを素早く開かせてしまったのである。 急激に混合気を送り込まれたR1のエンジンは敏感に反応し、爆発力の急激な上昇を引き起こした。その爆発力をピストンが受け止めクランクシャフトのトルクが急激に上昇しそれがリヤタイヤに伝えられてしまった。急上昇した駆動力が冷たいパイロットレースのグリップ力を上回ってしまいタイヤは空転を始めそしてP氏がコントロールする間も無くタイヤが横に振り出されスリップダウンしたと考えられる。 よってコンピューターが導き出した結論は、アクシデントの最大の原因はP氏が平常心を失ってしまったことにあるとしたのである? コンピューターはそう結論付けたが、P氏ともあろう人があんな坂で転倒するとは私には考えられずあのアクシデントが何故起きたかは今以て分らない。 ![]() 大沢温泉を出て北上花巻温泉郷の前を通過、柴波町から矢巾町に入り流通センター近くから今年の7月のツーリングで初めて走った雫石に抜ける峠道に左折する。 この道の入口には秋田と道路標示が出ていたので間違うことは無いだろう。 この峠道は、中速の深いコーナーが続きどんどん標高を上げていく結構楽しい道で今年最後になるかもしれないワインディングを先頭で楽しんでしまった。後はどうだったかと聞かれても申し訳ないが走りに夢中になっていて後ろのことは良く分らない。 峠のトンネルを抜け道が下り始めると空気がいっそう冷たく感じられ、気温が一段と下がってきたようである。雫石町に入り正面に岩手山が見えて来る。岩手山はすっかり冬の装いで網張スキー場や左手に見える雫石スキー場のスキーコースが白くはっきりと見えている。 ![]() PM4:45、GSに到着する頃には辺りはすっかり暗くなっていた。今日初めての給油を行うが、この時間まで一回も給油しなかったのはFUNKY史上初めてのことかもしれない。午後5時近くになってまだ260km位しか走っていないことにも驚いたが。P氏が秋田県方向から来た車から仙岩峠の状況を聞いている。P氏が集めた情報を総合すると、仙岩峠は路面が乾いているが下ると濡れているようだ。峠は問題なく通れそうで安心する。 ![]() このGSの店内にも昔の物がぶら下がっていて、岩手県の人は昔の物を大事にとっておくようである。秋田県ではあまり見られない光景で県民性の違いによるものだろうか。秋田県人は新しい物好きで、古い物は直ぐに捨ててしまう傾向が強いのかもしれない。 店内にはストーブが炊かれていて暖まりながら最後の休憩をとり、後は一気に秋田を目指す。PM16:55出発、途中何も無ければ午後7時前には秋田に着けるだろう。 仙岩峠に向かって走り出すと情報通り最初はドライ路面であったが国見温泉入口を過ぎた辺りから路面が濡れてきて、登坂車線がある辺りに来るとチラチラと白いものがヘッドライトに映し出される。仙岩トンネル入口にある温度表示はついに本日の最低気温0℃を表示していた。 長い仙岩トンネルの中は天国のように暖かく路面も乾いていて走りやすい。このまま秋田までトンネルだったら良いのにと思ったが、数分で地獄に戻ってしまった。秋田県側は路面もドライで車もスムーズに流れている。峠の茶屋を過ぎ登坂車線のある所を下って追い越し禁止の緩い右コーナーに入ると前のステーションワゴン車が突然左に寄って前を走る車に左から追い越しを掛ける。 そこには左に駐車場があり駐車場の入口部分に白の破線が引かれていた。前の車はその破線を左に車線が増えたと勘違いして左から追い越しを掛けたようだ。当然その先には駐車スペースと道路を分ける分離帯があるわけで突然目の前に現れた分離帯にドライバーはパニックブレーキを踏んで何とは道路に戻って来た。前の車と並んだ状態で分離帯が現れたらステーションワゴンは分離帯に激突していただろう。 我々はそれなりの車間を取ってそれを見ていたが、思わぬ展開も考えらたわけで迷惑なことである。最近は以前と違って黄線がズッート続くことは少なくなったので、追い越しが解除されるまで待っても時間は大して違わないだろう。実際混雑した道路で1〜2台前に出ても信号に捕まれば時間は変わらないし、まして警察のお世話になったら金は取られるはゴールド免許は遠のくはで、ろくなことにはならない。因みに私も含めてFUNKYメンバーのほとんどがゴールド免許保持者である。 田沢湖町を過ぎると雨が降り出し、角館に来ると雨は本降りになってきた。ここから秋田中央インター付近まで雨は止むことは無かった。 夜間の雨中走行は視界が悪く車に付いて走るしかないが、対向車のヘッドライトや前を走る車のブレーキランプがシールドの水滴に反射しハレーションを起こし前が見えなくなることがある。私も後ろに迷惑を掛けないよう極力ブレーキランプを点灯させないように走る。 秋田市内に戻って来たら雨は降っていなかった。秋田到着PM6:35、仙岩のGSから1時間40分の雨中走行であった。皆さん神経を擦り減らす雨中走行から開放され顔に笑顔が戻る。 ![]() P氏は早速今回のスリップダウンで壊れたカウルを探してインターネットのオークションサイトにアクセスするが、適当な出物は無かった模様である。 ![]() 休憩後、家路に着こうと外を見るとまた雨が降り出していた。今日はどこまでも雨に祟られた全走行距離348kmのツーリングとなってしまったが、今年最後のツーリングを無事に終えたことに満足して各自また雨具を着て家路に着く。 来年の4月まで約半年のOFFシーズンに突入するが、来年また走れるのだろうか。 来年のことは分らない。 パチンコ店のイルミネーションがリニューアルしたのがおわかりだろうか。 ![]() 終 Report by Ryuta |
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