コース
秋田⇒秋田道⇒能代南IC⇒能代⇒八森⇒鯵ヶ沢⇒車力⇒小泊⇒竜泊ライン⇒竜飛崎

⇒三厩⇒今別⇒大平⇒やまなみライン⇒大平⇒蟹田 昼食 かにた川 ⇒奥内⇒

⇒青森⇒
酸ケ湯温泉 入浴⇒傘松峠⇒谷地温泉入口⇒焼山⇒奥入瀬バイパス(撮影会)

⇒子の口⇒宇樽部⇒十和田大湯・田代平⇒国道104号⇒発荷峠⇒十和田樹海ライン

⇒小坂⇒毛馬内⇒比内⇒米内沢⇒阿仁前田⇒上小阿仁⇒琴丘⇒秋田道⇒秋田中央IC

モト ワークス ヒラタ 走行距離 600km


北を目指して・・・


雨は上がったが路面はまだ湿っている。

 FUNKYの2nd.ツーリングは津軽半島の突端 竜飛埼 を目指すのがお約束なのだが、ツーリング3日前の天気情報では当日の降水確率が高い予報を出していた。

 この時期日本海側に雨が降る確率が高い事は今までの経験からよく理解している私は、奥羽山脈を越えた岩手県方面に行き先を変更する事も考えたのだった。

 そしてツーリング当日の朝を迎える。久しぶりに(昨年の6th.ツーリング以来)AM5:00に目覚めた私がカーテンを寄せ窓の外を見てみると、辺りはもう明るく昨晩寝る時に降っていた雨も上がって路面は少し濡れてはいるものの空は曇り空であった。

 雲は雨を降らせそうな黒く垂れ込めた雲ではなかったし、テレビの天気情報でも青森県の降水確率は昨晩より下がっていて、私は予定通り津軽半島に行く事を決め家を出る。

 FUNKYではツーリングに参加するメンバーはBBSに参加表明をする事になっているのだが、昨晩私が就寝するまで私以外の参加表明は書き込まれていなかった。メンバーの中に今回のツーリングに参加出来ない方々がいる事は分かっていたから、私は今回一人でツーリングに出掛けるつもりでゆっくりと軽トラを走らせ店に向かっていた。

 ローソンの角を右に曲がると道は緩い左カーブのブラインドになっていて、その先の店は見えない。私がゆっくりと左にハンドルを切りながら店の方向に視線を送ると、誰も居ないと思っていた店の前にバイクが1台停まっていてその横に人影も見えた。   誰・・・?

 近づいて見るとそれはR750だった。いつもは誰よりも先に参加表明するR750が、今回は前日まで参加表明が無かった(昨晩の時点)為、私はR750は今回不参加なのだろうと思っていた。そのR750が店の前に居るのを見て私は驚くと共に嬉しかった。

 それはそうでしょう。 一人でツーリングするのは気ままに走れるのでそれはそれで楽しいのだが、FUNKYのツーリングとしては複数台で走る方が正しいですから・・・。

 私は急いで軽トラから昨日買って来たガソリンの携行缶を降して工場のシャッターを開け、GSX−Rにガソリンを入れて外に出し、急いで着替えて出発の支度をしたのだが、店に来るまでゆっくりしていたのが祟って、出発時間が5分程遅れてしまいました。

 予定より少し遅れて店を出発した二台のGSX−Rは、先ずは秋田道の秋田中央ICに向かう。FUNKYが竜飛に向かう時は、この何十年八郎潟の外周道路を使うのが定番だったのだが、昨年から秋田道の秋田中央IC以北が無料になっていて今回我々は秋田道を使って能代南ICまで行く事に致しました。



バイクを走らせる目的

 高速道(制限速度は70km/h)を使うメリットは、信号や一時停止や脇道に気を使わずに走れる所だが、高速道は走っても楽しくは無いからFUNKYでは使用する機会は少ない。しかし、高速道は車に着いて走っていれさへすれば一定の時間で目的地まで連れて行ってくれるから、時間と体力・気力を節約したい時は使わせて頂いている。

 しかし、お金を払って高速道を使うかと言われると、返答に困るかも・・・? 有料で高速道を使う時は、時間を節約する為に対価を支払っても良いと判断した時かな・・・? 

 FUNKYでは楽しく走れる一般道が有れば高速を使わずに一般道を使うのが基本で、その良い例が秋田市から国道13号の横堀まで行く場合である。横堀までは秋田道と横手湯沢道路(高速道路)を使って行けるが、例え全線無料でもFUNKYでは基本出羽グリーンロードで行きます。

 夜間は別ですが、高速道で車のお尻を見て走るよりも時間が掛かっても楽しく走れる出羽グリーンロードを我々は選択しますね。FUNKYが走る目的は、距離を多く走る事では無く、ましてスピードを出す為でも無く、バイクを楽しく走らせる為なのです。

 バイクを楽しく走らせた積み重ねで結構な距離を走ってしまいますから、結果だけを見れば距離目的で走っていると見られがちですが、そうではないんですよ 本当に・・・。



天気は回復するも・・・

 秋田中央ICで通行券を取って北に向かって走り始めた我々だったが、スピードが上がると兎に角寒かった。早朝でまだ陽が昇って間もない事も有り、前線が通過して寒気が入って来た影響も有り、雨上がりで路面の水が蒸発し気化熱を奪っている影響も有ってか、それ相応の寒さ対策をしてきた私だったが指先の感覚が無くなる程の寒さでした。

 五城目付近を通過する頃、シールドにポツポツと水滴が着くようになり私は西に見える寒風山の方向を見たのだが、西の空に黒い雲は見えず琴丘の料金所を通過する頃には雨の心配は無くなっていた。能代南ICで高速をを下りた我々は、そのまま能代のバイパスに入る。

 ここまで来るのに昨年までは広域農道を走ったり八郎潟の外周道路を走ったりして、数多くのドラマを生んできたのだが、今回は何のドラマも生まれずだた寒いだけの高速道の走行だった。ここまでの所要時間は例年と大差なく高速道は時間短縮には大して貢献しなかったが、精神的なストレスは少なく時間が短く感じた私だった。

 能代の街中を抜け国道101号を北上した我々は、八森のいつものパーキングにバイクを止める。ここまで来ると空には青空も見え、雲の間からは少し陽も差して来た。これから向かう北の空は更に青空が多く見えていて、私のモチベーションは上がったのだが、兎に角寒くて私は缶コーヒーを買って来てまず手の指を温める。

 陽も出て来てこれからは暖かくなってきそうだったが、我々は寒さ対策で雨具の上着を着込んで鯵ヶ沢に向かう事にした。5月の2nd.ツーリングは雨具を着て秋田市を出発する事が多いのだが、寒さの為に雨具を着たのは今回が初めてで、ここまでの気温は10度以下(6〜8℃位?)であったと思わる。

 以前には霙のような雨が降っていた時も有りましたから、それと比較したら大した事では有りませんけど・・・。

北の空は青空が多く見える。 缶コーヒーで指先を温めます。指先が温まってから飲むコーヒーは、温くて美味しく無いですね?
雨具を着込んで出発します。


国道101号

 今日の国道101号から見える日本海は、波も穏やかで見慣れた景色が広がっていた。我々は路面温度が低い中慎重に走りを進めるが、今日の国道101号はいつになく車の数が少なく走り易かった。これに震災が影響しているのかな・・・?

 深浦の街の少し手前に差し掛かった時、左側に つるつるわかめ と書かれた看板を掲げた建物を見掛けたのだが、その時は気に留めた程度の事だった。しかし、その後で我々は つるつるわかめ の意味を知る事になるのである。

 8時半過ぎ 我々が鰺ヶ沢の由利商店前にバイクを止めると、店の中ではオネエサンがイカを焼く炭火を熾しているのが見えた。我々は早速店に向かいオネエサンと一年ぶりの挨拶を交わしてイカを一杯注文したのだが、炭に火を点けたばかりだそうで焼き上がるには少し時間が掛かると言う。

 我々は例年より少し早くここに到着していて、時間的には充分余裕が有りゆっくりイカが焼き上がるのを待つ。私の席からは、片手にドライヤーを持ちながら手慣れた手付きでイカを焼くオネエサンの後姿が見えている。私はその彼女の後姿を見ながら、この由利商店の30年にも及ぶ移り変わりと、ここでのFUNKYの出来事を思い出しておりました。

鰺ヶ沢のイカ屋さん通りの由利商店。ワサオが居るのは此処ではなく街の北側の場所です。 オネエサンは炭を起こしてイカを焼きます。 生干しイカ焼き 一杯 250円


つるつるわかめ

 私はいつも由利商店からお土産を買って帰るのだが、ショーケースの中を物色していると つるつるわかめ (1袋180円) と書かれた袋が並んでいた。 

 つるつるわかめ? 何処かで見たな・・・?

 そうでした。 先ほど深浦の街の手前で見た看板に書かれていたのが つるつるわかめ でした。

 オネエサンによると、つるつるわかめ は、深浦で作られているわかめの加工食品で、何でも役者の梅沢富美男さんがテレビで美味しいと紹介したのがきっかけで、全国的に有名になった食品であるらしい。


由利商店の裏にはカモメが沢山乱舞しておりました。

 その話を聞いたミ−ハーな私は 「これは買って帰らねば・・・」 とその内容も知らぬまま購入したのだが、家に帰って食べてみたら(調理方法に紹介されていたサラダに混ぜて食べた)それは わかめ を春雨のような細い糸状に加工したものでした。

 私の食べた感想は、わかめ をそのままサラダに混ぜた方が わかめ の味がしっかり味わえて良いように感じられたが、梅沢富美男さんがどのような食べ方で食したのか分からないし、他にも食べ方を紹介していたから、私の総合的な評価は控えさせて頂きます。

 私は つるつるわかめ の他にいつもの 由利商店製造の ホッケの一夜干し(半身が4つ入ったパック 700円) を買って帰ったのだが、こちらの方は油がのって大変美味しゅうございました。 ホッケの一夜干し はお勧め(特に今年のは美味しかった)です。


車力のGS

 買ったお土産は、お父さんが水が入ったペットボトルを凍らせた保冷剤と共に新聞(断熱材)で包んで渡してくれたのだが、それが結構嵩張って私のバッグにギリギリで収まる大きさだった。

 お土産をバッグにねじ込んだ私は、鯵ヶ沢を発っていつもガソリンを給油する車力のGSに向かって走り出す。我々は鯵ヶ沢から竜飛に向かう時、いつも県道12号ではなく海岸側を走る広域農道?を使うのだが、給油するGSが県道12号沿いに在る為広域農道から県道に出る事になる。


車力のGSはオレンジに華麗なる変身を遂げていた。

 以前は広域農道が十三湖まで通じていなかったので遠回りではなかったが、暫く前にその道が通じて今ではGSに立ち寄るのは距離的には遠くなってしまった。それでも私が車力のGSで給油するのは、GSのスタッフの皆さんの顔を年に一度見てみたいと思うからなのである。

 このGSは何十年も前から年に一度立ち寄っているGSなのだが、今回行って見ると建物の色がグリーンからオレンジに変わっていた。それはJOMOからENEOSへの衣替えによるものなのだが、考えてみるとFUNKYがいつも立ち寄っていたGSが結構グリーンからオレンジへと変わったような気がする。

 我々としては色は何色でも良いのだが、GS自体が無くなる事は避けてもらいたいと思います。

 車力のGSにバイクを止めるとオジサン(年齢70歳以上?)が出て来て給油をしてくれる。最初は我々の事を分からなかったようだが、途中から毎年一度プレデターのようにやって来る秋田ナンバーのバイクである事を理解したようで、対応する表情が変わりましたね。

 給油後、事務所で休んでいたら外に出ていたお兄さん(いつもマスクをしている彼)が戻って来て、我々の顔を見て会釈を交わす。今回はオバサンの顔は見れなかったが、皆さんお元気に働いておられました。

 今日一回目の給油を終えた我々は、車力を発って竜飛を目指す。



津軽半島突端へ

 車力から十三湖を経て国道339号に出た我々は、小泊から竜泊ラインに入る。すると我々の前に青森ナンバーのVTZ250と岩手ナンバーのホーネット250の二台の軽二輪バイクが現れた。小泊から 道の駅 こどまり に行く間には小さな峠が在って結構なワインディングになっており、私はここで前の二台を追い越すかどうかで悩んでしまった。

 二台の前に出る事は難しい事ではないが、直線部分が少ない狭く曲りくねった峠道の為、どうしても接近した追い越しにならざるをえず相手さんに嫌な思いをさせかねない状況であった。その為私は、道の駅の先の海岸線に出てから追い越す事を決め、彼らの後に着いて走りを進める。

 先頭を走るVTZ250は前後に大きなバンパーを取り付けていて自動車学校の教習車のようなバイクだったが、ライダーも学校の指導員のような走り慣れた感じでコーナーをクリアーしておりました。二番手ホーネットのライダーは、若者(20代前半?)のようで走りは少し硬かったが頑張ってVTZに着いて走っておりました。

 峠を越え道の駅まで来ると二台のバイクは道の駅に消えて行き、我々の前にバイクはいなくなった。走りに影響を与える物がいなくなった我々は、海岸沿いのワインディングロードを大いに楽んだのでした。考えてみると、私は 道の駅 こどまり に一度も立ち寄った事がなかった。レストランのメニューには生ウニ丼等も有るようだから、一度立ち寄ってみる価値はありそうなのだが、我々がここを通過する時間が昼食には早過ぎる10時半頃なのが難点だな・・・?

 海岸のゲートを通過した我々は、内陸部に入って急坂のヘアーピンカーブの連続をクリアーして眺瞰台へと向かう。今日の竜泊ラインには車が殆ど走っておらず思う存分走れる環境であったが、今日初めてのフリー走行?にペースが掴めず私はそれなりに走ってしまいました。

 眺瞰台にバイクを止め眼下に広がる津軽海峡を望むと、今日の眺瞰台からはいつになく北海道がクッキリと見えていて大沼公園の奥に在る北海道駒ケ岳も見えていた。私はこれまで幾度となくこの眺瞰台に立っているが、北海道駒ケ岳が見えたのは今回が初めてだったと思う。

 それ程に今日の空気は澄んでいたのだと思うが、気温が低かったのも幸いしたのかもしれない。昨年は新緑が見られた眺瞰台からの景色も、今年はまだ木々の枝に色彩は無く季節の進み方は昨年より少し遅れているようでした。


残念ながら肉眼では見えていた北海道駒ケ岳も写真には写りませんでした。

※手前の灯台が竜飛埼の灯台、奥の山が北海道の 岩部岳 標高794m、その間が津軽海峡。

眺瞰台から見下ろす竜泊ライン
ここから見える日本海に秋田から苫小牧東港に向かう新日本海フェリーが見える事があるのだが、今日は我々の到着が早かった為かその姿は見えなかった。


三厩〜やまなみライン

 休憩を終え竜飛に向かって下って行く我々の前を二台のバスが走っていた。一台のバスは我々に気付いてくれてウインカーを左に出して前に出してくれたが、その前のバスはそんな素振りも見せず走っている。それでも私はバスは竜飛に向かうと考えていたから、三厩に向かう裏道入口までの我慢だと考えていた。

 そして風力発電の鉄塔が見えて来て私はウインカーを右に揚げてその時を待ったのだが、何とバスのウインカーも右に上がったではないか?  ガックリ! でした。 この先の道は狭く追い越しが難しい事も有って私は大いに落胆したのであります。

 しかしこの状況に甘んじる訳にはいかず、私は気を取り直し見通しが利く所で対向車が来ない事を確認して前に出る。私は前に出たが、後ろのR750は追い越しに苦労していた。直線が殆ど無い状況で車の前に出る場合、直線でなくても対向車が来ない事を確認出来る場所で前に出る事も考えなければいけません。

 色々なケースが考えられるが、基本的にしっかりとしたブレーキングに自信が無い場合は、この様な場所での追い越しをするべきではない。そんな時は、バスの運転手さんに見えるよう自分の姿をアピールしたりして、時間を潰しましょう。

 三厩駅前を通過して国道280号に出た我々は、今別で県道14号に入り大平を目指す。この三厩から今別、大平の間では、白と黒のツートーンカラーの車をよくお見かけしますので、私は車の後ろに着いてまったりと走ってしまいました。

 県道12号に出た我々は、右折してやまなみラインに向かう。高速ステージの やまなみライン は、相変わらず路面がうねっていて、バンク中でもシートに座る事は許されずバイクを股の間で遊ばせながらしっかりとホールドする走りが要求される。

 我々は やまなみライン を一往復したのだが、今回のUターン場所は二つ目のトンネルを出た右側にあるパーキングと致しました。これはUターンを苦手とするR750の為に取った処置だったのだが、広いパーキングの中でも結局R750はバイクから下りて押していましたね。

 帰りの やまなみライン は、車が停まっている場所や人が居た場所(この時期山菜採りの人達が多い)をチェック済みなので、少しスロットルを開けて走ってみました。そこそこに やまなみライン を楽しんだ我々は、蟹田の かにた川 に向かう。


二年ぶりのかにた川

以前のように順番待ちの行列が出来る程混んではいませんでした。
(この写真は12時過ぎに撮影したもの)
この暖簾も変わらないな・・・。 蟹田川には しろうお を採る簗が設置されていた。
 11時半過ぎ、我々は かにた川 に到着しのだが、こんなに早い時間に かにた川 に到着したのは雨で竜飛をパスして直行した時以来かもしれない。時間が早い事もあってか店内は空いていて直ぐにテーブルに着く事が出来たのだが、以前は店の外まで行列が出来ているのが普通だった事を考えると、これも震災の影響・・・かな?

 私が かにた川 を訪れる理由は、この時期しか採れない しろうおの踊り を食する為なのだが、この しろうおの踊り は人によっては絶対に無理と云う方もいらっしゃる食べ物で、器の中でヌルヌルとうごめく しろうお を見るだけで蓋をしてしまう方もいて、しろうおの踊り は好みの分かれる食べ物ではある。

 しろうお 自体は食べて美味しい物でもなく(味は無い)何で食べたくなるのか私もよく分からないが、強いて云えば口の中で動き回る しろうお を歯で噛み殺した時の感触を楽しむ極めて残酷な食べ物とでも言っておきましょう。私は鰌の踊りも一度食した事があるが、鰌の場合は噛まずにそのまま飲み込んでしまったが、しろうお の場合は噛む感触を味わうえるところが違う所かな・・・。

 R750は一度 しろうおの踊り に挑戦した事が有ったが、今回は かに汁 に致しました。この かに汁 陸奥湾で取れる とげくり蟹 を半分使った味噌汁で、蟹の出汁が出ていて大変美味しいのですが、蟹は食べる程の身も無く味は出涸らし状態で美味しくありませんから蟹に期待はしないで下さい。 

しろうおの踊り 600円
※ しろうお 拡大 体長約50mm位

しろうおそば 500円 食べる時どうしても顔を見ちゃうだよな・・・。 かに汁 500円


八甲田 酸ヶ湯温泉

 食事を終えた我々が外に出ると、車が結構集まって来ていて駐車場がいっぱいになっていた。気温も上がり大分暖かくなってきたので、私は雨具の上着を着ないで出発しようとしたのだが、バッグはホッケで満杯で脱いだ雨具が入らず、申し訳なかったが今年もR750のバッグをお借りする事に致しました。

 毎年の事なんだから大きなバッグで来れば良いのだが、一年前の事はすっかり忘れているんですよ年寄りは・・・。  すみません!

 いつものように国道280号に出て青森を目指す我々は、蓬田で線路を渡ってバイパスに入る。するとどうでしょう。昨年は右(蟹田方面)方向は行き止まりだったのが、道が出来ていて車が往来しているではないか・・・? 道の先がどこまで行っているのかは分からなかったが、走って来た国道280号に出口?入口?みたいな所は無かったと思うのだが・・・?

 そこのところの探求は後に譲るとして、我々は左折して青森市を目指す。バイパスの両側には田植え作業中の田んぼが広がっており、正面には八甲田の山々が雪を頂いて白く輝いているのが見える。青森市街に近付いて行くと正面に昨年は無かった?東北新幹線の新青森駅が見えて来る。

 初めて見る新青森駅は長大な箸箱のような駅だったが、市の中心部から大分離れた周りに何も無い場所に造られたようである。私はあの新駅を利用する機会は一生無いと思われ興味は無かったが、新幹線が北海道まで繋がれば新青森駅は一つの通過駅になってしまうのだから、街外れでも問題は無いのかも・・・?

 我々はバイパスから国道7号に出て国道7号のバイパスに入り、酸ヶ湯温泉に向かう為県道13号に入る。八甲田に向かって上って行くと雲谷峠辺りから周りに残雪が見えて来て、次第に残雪の量は増えていく。暫く走ると雪中行軍遭難者銅像に向かう県道40号への入口が見えて来たが、我々は直進して酸ヶ湯温泉を目指す。

 私はここから酸ヶ湯温泉は直ぐだと思っていたら結構距離(10km位)が有って、温泉に入った後雪中行軍遭難者銅像に戻って田代平経由で谷地温泉入口へ行く予定を変更し、傘松峠経由で谷地温泉入口に向かう事を決める。

 酸ヶ湯温泉に到着してみると、真冬には4〜5mの雪が積もるという場所だけあって周りにはまだ沢山の雪が残っていて、駐車場には雪解け水が流れキラキラと陽の光を跳ね返していた。我々は早速温泉道具を持って温泉に向かうと、玄関には  新幹線青森開通 の看板が掲げられていて、青森での新幹線に対する期待の大きさを感じる。
 

八甲田 酸ケ湯温泉 開通したとたん大震災で不通になった新幹線
その影響はまだ残っているようです。
駐車場横にはまだ残雪が・・・。


ファスナートラブル

 酸ヶ湯温泉では、玄関で靴を抜ぎ靴をレジ袋に入れて持ち歩くシステムになっているのだが、ここでR750に問題が発生する。ブーツを脱く為ファスナーを降ろそうとしたのだが、左足のブーツのファスナーがビクともしなかったのである。履いているアルパインスターのブーツは、五年近く使っていて多少やつれてはきていたが、これまで問題なく使用して来ておりそれは突然の出来事だった。

 ブーツに使われているナイロンファスナーは古くなってくると結構トラブルを発生させるアイテムで、以前も私の皮パンでトラブルを起こしている問題児なのだが、トラブルの原因は長年使っているとスライダーとツメの外側が磨耗し、勘合が甘くなって左右のツメが外れてしまう事にある。

 今回も上がったスラーダーの下からツメが外れて、スライダーが下りない状況になっていた。このファスナーが下りない状態では、温泉に入れないばかりではなく一生ブーツを履いたままの生活?になってしまう為、R750は結構焦っていた。


このブーツは私の物だが、このファスナーが降りなくなった。

 この手のファスナートラブルを何度も体験している私は、どのような処置を施したらベストかを考える。ファスナーをカッターで切ってスライダーを降ろすのは簡単だが、そうなれば修理するのにファスナーの交換が必要になる。

 結局この手のトラブルの対処法としては、力ずくでスライダーをファスナーから外すのが良いのだが、力を入れ過ぎるとスライダーが壊れますからほどほどの力で行って下さい。下げる方向より上げる方向の方が外し易いかもしれません。

 R750の履くアルパインスターのブーツは、ファスナーの上をベルクロでカバーするタイプでしたので、ファスナーが閉まらなくてもブーツが脱げる事は無く? 今回はファスナーを閉めずに秋田に帰る事に致しました。

 力ずくでファスナーを降ろし、何とかブーツから足を抜く事に成功したR750は無事温泉に入る事が出来たのだが、ファスナートラブルは突然やって来る事が多く、また結構深刻な状態に陥る場合が有るので厄介である。トラブルの予兆としては、ファスナーが軽い力で動くようになったら要注意かな・・・。



ヒバ千人風呂

 私が酸ケ湯温泉を訪れるのは2007年8月のツーリング以来だから四年ぶりだったが、この四年間で酸ケ湯温泉 混浴ヒバ千人風呂 の様子が以前と少し変っておりました。前回来た時の ヒバ千人風呂 は、女湯が見通せる場所に位置取った男性がチラチラと女湯を見ながら座って居る状況で、ある種異様な雰囲気が有りました。

 今回 ヒバ千人風呂 に入って見ると、女湯の周りには簾の囲いが作られていて女湯が見えにくい状態になっていてそれらしき人物も居ないようでしたが、同じ位置に座っている男性は居ましたね。

 そんな ヒバ千人風呂 の温泉は、相変わらず良い温泉だった。白濁し肌に柔らかく良く温まる温泉は、入っていて本当に休まった。ここの温泉は白濁している割には硫黄臭が少ない(松川や藤七と比較しての話)お湯なのだが、侮っていけません。酸ケ湯と云う位ですから結構な酸性度(玉川温泉には負けますが)で、以前行った時は源泉をそのまま飲むと歯が溶けるからそのまま飲まないように書かれていたような気がする。


八甲田の道の中で一番標高の高い傘松峠1040m

 温泉に入って温まった体で我々は十和田湖に向かう。酸ケ湯温泉から傘松峠を越え奥入瀬の入口焼山に向かったのだが、道の両側にはまだ多くの雪が残っていて、陽が出ている割には気温が低く体の温もりは次第に奪われていきました。

 標高が1000m越える傘松峠まで来ると周りは残雪とアオモリトドマツの森が広がっていた。八甲田や八幡平の山では標高1000m近くになるとアオモリトドマツが広がり、それより低い所はブナの森が広がってる。傘松峠を越えると道は一気に標高を下げて谷地温泉入口付近まで来ると、我々は深いブナの森の中を走っていた。

 ここのブナの森はまだ残雪の白とブナの灰色で描かれていたが、蔦温泉付近まで下ると次第に黄緑が空に混じるようになり、焼山まで行くとブナの森は若葉色で彩られておりました。

 私は以前残雪のブナの森を歩くのが好きで、五月のゴールデンウイークに秋田の山々に登って残雪のブナの森を散策していた事が有ったのだが、その時の雰囲気をこの道ではバイクを走らせながら味わう事が出来る。

 雪原の中に立つブナの幹の回りだけ雪が融けぽっかりと穴が明いてる様や、葉が出る前のブナの枝が幾何学模様を描く青い空など、登山で見ていた景色をバイクの上から見られるのだから何とも不思議な感じである。

 季節を一気に駆け抜けた我々は、いつも立ち寄る焼山の SHELL GS にバイクを入れ今日二度目の給油を行う。応対に出て来たのはいつもの山菜オバサンで、一人で我々に給油をしてくれた。傍らの発泡スチロールの箱にはタケノコ(根曲がりだけ)が箱いっぱいに入っていて、タケノコの季節はもう少し先だと思っていた私はどこで採ったのかを聞いたのだが、このGSの近くで採ったと云ってました。

 このGSでは色々な山菜を売っている?・・・のかもしれません? もしかしたら格安で山菜が手に入るかも・・・?

 

奥入瀬バイパス

 給油を終えた我々は、これから向かう奥入瀬バイパスでの定番イベント撮影会を行う為、奥入瀬パイパスに向う。暫く奥入瀬川沿いの国道102号を走った後、我々は奥入瀬バイパスに右折して十和田湖の外輪山に向かって上って行く。奥入瀬バイパスは途中から登坂車線が有る三車線になるのだが、我々はそこで毎回写真撮影を行っている。

 奥入瀬バイパスは、奥入瀬川沿いの国道102号が通れなくなった時(実際崖崩れで時々通行止になる)の迂回路として造られた道で、通常殆どの車は奥入瀬沿いの道を走るので交通量は極端に少なく、周りにご迷惑を掛けずに撮影が出来る道なのである。

 私は上り二車線になった所にR750を残し、撮影地点までフルスロットルで上って行く。残されたR750は、エンジンを止めて私のGSX−Rの音を聞いていたらしいのだが、甲高いエキゾーストノートが山々にこだましていたようです。

 私はバイクをいつもの撮影地点に止めバッグからカメラを取り出して撮影の準備に入ったのだが、久しぶりの撮影会でカメラの連写モード設定の仕方を忘れていて焦ってしまった。R750には私が出た三分後にスタートするよう指示してあり、その時間が刻々と迫っていたのである。

 遠くからR750の音が聞こえ始めた時何とか連写モード設定に成功した私は、コーナーの出口にカメラを向けてエキゾーストノートに耳を傾ける。 そしてR750がコーナーから飛び出して来て撮影は一瞬で終了、私はカメラをバッグに納めてR750の後を追ったのでした。

 十和田湖の外輪山に出た我々は、今度は十和田湖に向かって狭い曲りくねった道を下って行く。今日の十和田湖は陽も差して湖面は青く輝いていたが、周りの景色はまだ白と黒のモノトーンでまだ冬の装いだった。それでも湖面には観光船の姿も見えていて観光シーズンは始まっているようある。十和田湖周辺が新緑に包まれるのはもう少し先になるようだが、十和田湖はこの新緑の季節が秋の紅葉に負けず劣らず美しいだよね・・・!

 湖畔まで降りて来た我々は、子の口、宇樽部と走り、国道454号に入って秋田県の田代平を目指す。FUNKYがこの道を走るのは久しぶりだったが、深いブナの森の中を走しる道は相変わらず静かで、我々は曲りくねった道を外輪山に向かって上って行く。

 青森県から県境を越え秋田県に入ると景色は一変、国道454号から県道128号に右折し風力発電の風車が立つ草原に出た我々は、青空の下快適な走りを楽しんだ後国道104号に出る。大湯方面に右折した我々は、国道103号に出て発荷峠方面に右折、十和田樹海ライン入口のパーキングにバイクを停める。

 FUNKYは昨年もこの時期(2nd.ツーリング)にこの場所にバイクを停めたのだが、パーキングに残る雪の高さは昨年に比べて大分高かった。それはこの冬の積雪が多くて今年の雪解けがいかに遅かったかの証なのだが、こんな事も影響して例年より遅れた田植えの為、今年も今日のツーリングに参加出来なかったメンバーもいたのでした。 

奥入瀬バイパス 後ろは八甲田の山々 定点撮影会 十和田樹海ライン入口のパーキング
※昨年の残雪との比較

今日最後の走りを楽しむ

 休憩して体調を整えた我々は、十和田樹海ラインへと走り出す。ここの下りを嫌いでは無い私は、スロットルを開けて楽しんだのだが、最初はブレーキングがシックリこなくて探り探りの走りになっていた。シェルターを過ぎアベレージスピードが上がようになると、タイヤも温まったのかフロントタイヤがブレーキ時グッグッと路面を掴むようになり、安心してブレーキを掛けられるようになってくる。

 今シーズン初めてのブレーキング感覚を味わいながら 「 さぁこれからだ・・・」 と私が思った時、GSX−Rは七滝の道の駅に到着していました。もう少し楽しみたいと思う気持ちを残し、私は十和田樹海ラインを後にしざるを得なかったのですが、七滝の道の駅は以前より沢山の車や人で混雑していて、道の駅になった事で観光客の数は確実に増えているようです。

 小坂、毛馬内、比内、米内沢と走って我々は、阿仁川を挟んで国道105号と平行して走る裏道(国道285号が阿仁川を渡る手前の信号を左折、道なりに走ってT字路を左折すると国道105号に合流する)で阿仁前田を目指す。

 クマゲラエコーラインの阿仁前田〜上小阿仁間は、中速コーナーを短い直線で結んだ結構アベレージが高い道で、私はここで樹海ラインに残してきたものを発散すべくスロットルをワイドオープンにする。それが出来たのは、先ほども述べたがブレーキが決まるようになったからのだが、前後タイヤのスリップサインが出そうな状況下では無理は出来ず、コーナーの手前ではブレーキを二度掛けして保険を掛けて走っておりました。


上小阿仁のローソンで休憩
※ タイヤは終了次回のツーリングは無理。

 上小阿仁のローソンにバイクを停めた私がGSX−Rのリヤタイヤを見てみると、樹海ライン入口で見た時はまだ出ていなかったスリップサインが完全に繋がっておりました。

 楽しみ度が増すとタイヤが減ってお金が掛かる関係は致し方無い事なのだが、タイヤを減らさない為にスロットルを開けない走りをしたのでは本末転倒だからその塩梅が難しい。

 それでも今回履いているいる ミシュラン POWER PURE 190/55ZR17 は 4,500km以上使用しているから、今まで履いてきたタイヤの中では驚異的な耐久性を誇っている。

 もっとも前回のPOWER PUER は3,900kmでしたから、今回のタイヤは時期的にフルスロットルを当てる時間が短かったり、走行環境が大人しかったりしたのが長寿命の一因だったのかもしれません。


無事帰還

 休憩を終えた我々は、上小阿仁から琴丘に抜ける県道37号を使って琴丘森岳ICを目指す。いつもならこれから国道285号で五城目まで行き広域農道で秋田市に帰るのだが、今回は信号や一時停止に神経を使わずに走れる秋田道を使って秋田市に帰る事にしました。

 この県道37号の上小阿仁側は、旧琴丘側と違って狭い急な坂が連続する道で走るのに結構気を使う。私はコーナーを読み違えて対向車線に入ったりする失態を演じながら、何とか峠を越えて琴丘森岳ICを目指したのだが、今日は彼方此方で田植えが行われていて田植え機が撒き散らした土が路上に散乱しており、ペースは上がらなかった。


久しぶりの600kmツーリングでした。
 それでもゆっくりとコーナーリングを楽しみながら琴丘森岳ICに出た我々は、秋田道に上がって秋田中央ICを目指す。琴丘森岳IC〜秋田中央IC間には追越が出来る区間が三箇所有って、我々はその三箇所でワープしながら秋田中央ICに到着、店には予定していた7時少し前に到着する事が出来た。

 今回の2nd.ツーリングは、この時期としては珍しく雨に降られずに済んだツーリングとなった。寒くて雨具を着る事にはなったが、好天の下予定通りのスケジュールで走る事が出来た。

 予定通りが良いと言う事ではないが、余計なアクシデントも無く帰還出来た事はそれはそれで素晴らしい事ではある。

 私の場合、今回のツーリングで大分走りの感覚が戻って来たように思う。シーズン当初はどうしても昨シーズンの感覚が戻らずマイナスレベルからのスタートとなるのだが、今回でようやくゼロベースの状態に戻ったように思う。問題はこれからで、このままゼロの状態を維持するのではなく、少しでもレベルをアップ出来るかが今ジーズンのこれからの課題である。

 ここで言うレベルとはバイクの速さのレベルでは無くバイクを走らせて楽しく感じるレベルの事で、これを上げていかなくてはバイクに対するモチベーションも上がらず、バイクに対する興味も無くなってしまうからこのレベルを上げる事が私の場合重要なのである。


 次回のツーリングは今回の大震災の被災地岩手県に行く予定ですが、いつも訪れている三陸海岸までは行かずにその手前までにしたいと考えています。

 
23 MAY 2011

by Ryuta

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