神室山(1,365.2m)登山
2002年 6月16日(日) 

Report by Ryuta


キヌガサソウ
  



 (駐車場にあった案内板からの抜粋)

神室山/前神室山(神室連峰)


 
東北一のやせ尾根と言われる南北25キロメートルにおぴぶ神室連峰の主峰神室山は、修験者の霊場として開山されたと伝えられています。深く険しい渓谷や稜線を彩る高山植物も多く観られ「みちのくの小アルプス」とも称される神室山は日本200名山に名を連ねている。




    パノラマコース

 
前神室山北尾根に拓かれた展望の良いコースです。鳥海山や箱庭のような山麓の集落、横手盆地のパノラマを楽しんでください。
          4.5km 3時間







 案内板ではこのような説明になっていて、距離と時間からしてパノラマコースは前神室山までの事を言っているようである。しかし普通に案内板を見ると前神室山経由神室山までのコースと思ってしまう。実際、途中であった登山者は、神室山山頂からパノラマコースを通って3時間で下りれると思っていたし、実際私たちもそう考えていた。今回のレポートの中では神室山までをパノラマコースとさせていただきます。また、案内板の3時間という時間に登りか下りかの表示が無く不親切である。地図内の時間は、我々の足で実際に掛かった時間である。普通の人であれば充分な時間と思われる。

  西ノ又コース>

 古くから修験者の参道として使われてきた歴史ある登山コース。神室山の魅力をコンパクトに凝縮した変化に富んだ神室山屈指の登山コースです。                
 6.0km 4時間

 我々はこのコースを3時間25分で下ってきたが、案内板の4時間は4時間で山頂に立つ事が出来ると言う事? 人にもよると思うが私は4時間で登る自信は無いかも。

 沢沿いの道はハードで登山道としては良く整備されているとは言えない。初心者は結構怖い思いをすると思う。暗くなってからは危険なコースと思われるので、遅くなって山を下る時はパノラマコースを選択するべきである。


 今回登る神室山は山形県との県境の秋田市から100km程離れた所に在り、しかも林道部分(砂利道)が数キロ程しかない為いつもアプローチに使用しているのセロー(オフロードバイク)で行く意味が薄く、今回我々は私が日常の足に使用しているスーパーカー HONDA ACTY 4WD で行く事になった。

 今日の相棒M氏を家に迎いに行くと奥さんが出てきて「よろしくお願いします。」と言われてしまう。この言葉、昨年の事もあってか何か心に刺さり思わず苦笑い。荷物を積んでAM6:00秋田市を出発、空港道路から出羽グリーンロードを通って横堀の道の駅に向う。

 道の駅で休憩し体調を整え秋ノ宮に向う。国道108号から神室山登山口の案内板に従って右折しようとすると前を走っていたトヨタのPRAD0(多分?)も右折する。案内板に従って走り集落を過ぎると道はやがてオフロードになり、鳥居の所を右折すると道は杉の森に入って行く。我々の前には相変わらずPRADOが走っていてどうも彼らも我々と同類項であるようだ。ここでも日頃の癖が出しまい、PRADOに離されまいと後ろにピッタリとACTYを付けて走ってしまう自分が怖い。結局PRADOとACTYは登山口にあるパーキングに少し間をおいて停車する。

 PRADO中から出てきたのは、頭にバンダナを巻いた男女のカップル。私の信念と言うか信条の中に頭にバンダナを頭に巻いた人間にろくな奴はいない言うのがある。これはたまたま私の出合ったバンダナを巻いた人達が私と肌が合わなかったために出来たものであるが、だからと言ってバンダナを巻いた人を毛嫌いしているわけでは無い。しかし、今までそれは外れた事は無い。そんな事で彼らと会話する事も無く我々は身支度を整えて案内板の前に立つく。今日行くコースを確認するとパノラマコースで神室山まで3時間とある。予定していた時間よりかなり早く頂上に立てると思ったのだが、この3時間は前神室山までのものである事を秋田に帰って来てから気付く事になる。

 普段は登山道の無い山々を登っている我々も、秋田県人として秋田の山々の何たるかを知るために秋田のメジャーな山にも登ってきた。これまで太平山、鳥海山、八幡平縦走、森吉山、焼山などに登ってきたが、勿論登山道は人があまり登らないマイナーなコースを選んでいる。今回の神室山も一般的な西ノ又コースから登ってパノラマコースを下るのではなく、パノラマコースから登って西ノ又コースに下る予定である。




    案内板左の道が西ノ又コースへ続く林道

















                                                     案内板右がパノラマコース入口
   パノラマコース入り口に立つ標識
 AM8:20、案内板の右横からパノラマコースの登りが始る。歩き始めは緩かった傾斜も直ぐに急になり、前神室山から伸びる北尾根の稜線に向って一気に登る。急ではあるが、先月登った白子森の登り始めのよりは少し緩いようだ。

 しかし月一回ペースの山登りでは、前回付いた筋肉はトックに落ちており直ぐにペースダウンし足が上がらなくなる。ここで休んでは体が怠けてしまうと、体が登山モードになるまで我慢して足を出す。20分登って最初の休憩をとり、小休止と水分を補給しまた登り始める。



 道は相変わらず一本調子の急な登りが続くが下から40分でいっぷく平 700mと言う札の下がった所に出る。今回の登山はブッシュを漕ぐ事が無さそうなので、ここでいつも服装の下に着けているプロテクターを外し熱さ対策と軽量化を図る。ここまで来ると道も傾斜が緩やかな所も出てきて足も少し楽になり体も慣れてきたのかペースを守って歩けるようにもなる。










  歩き始めて1時間20分初めて展望が開け、下に道路や集落が見える。以後時々展望が効くようになって周りの位置関係が分かるようになると目標が出来て登る励みになった。

 第一ピーク下の少しキツイ道で十数人のグループとすれ違う。殆んどが女性で構成されるそのグループは、先導役の女性を先頭にして中年を中心とした女性陣が続いている。次々に挨拶を交しながら後ろの方にいた男性に話を聞くと、昨晩は神室山山頂直下にある避難小屋に泊まったという。何時に出発したか聞くとAM6:30頃に小屋を出たとの事で、ここまで3時間20分位時間が掛かっているようである。少なくとも山頂まではそれ位の時間が掛かる事を覚悟しなければいけないようだ。まだ先は長そうである。


 第一ピークを過ぎて少し平になった所で休憩しようと立ち止まると、前から女性が一人やって来て言葉を交わすと彼女もここで一緒に休憩する事になった。この女性も先ほどのグループと同じように避難小屋に泊まったそうで、昨晩の小屋は団体さんで混雑していた事や先ほどのグループは東京や仙台で募集したツーアーグループである事などを教えてくれる。都会では今秋田の山が人気があるという。理由は、登山者の数が少なく手付かずの自然が多く残っていて高山植物も多彩なところが人気であると言う。秋田の川や湖が都会人で溢れている現象が山でも起きているようだ。

 我々よりは少し年齢が上と思われる仙台から来たと言うこの女性は、聞いた話から想像すると昔は全国各地の高い山々に登った経験を持つ山の大ベテランである事が覗え、我々と話しながらお湯を沸かそうとガスコンロを組み立てるその仕草に無駄な動きはなく、最近急増の高齢登山者とは違ったベテランの貫禄さえ感じられる女性であった。



 最近は他人に気を使う事無く自分のペースでゆっくりと独りで山を登るのが気に入っているそうで、秋田の山は人が少なく自然も綺麗で大変気に入っていると話してくれた。今回の神室山は、昨日は天候に恵まれなかったが今回の登山の目的だった何とかと言う花を観ることが出来たし、今日は天候に恵まれて神室山の美しい稜線からの景色を楽しむことが出来て大変満足した登山であったと顔をほころばせていた。

 この女性は秋田の有名な山には殆んど登っているようで、聞いただけでも太平山、鳥海山、森吉山、白神山地等、我々より秋田の山に詳しそうであった。


 朝、小屋ではゆっくり朝食を取れなかったとのそうで、ここで軽い食事を取ると言う女性を残し、我々は先に出発して前神室山を目指す。


 1時間近く歩き第2ピーク近くで展望が開け、神室山と前神室山が視界に入る。前神室山までは後1時間程で着けそうだが、神室山までは想像もつかない程遠く感じる。しかし、目的地が見えると人参をぶら下げられた馬のように気力が増し、まずは前神室山を目標に歩き始める。

          後ろの山も結構高そうだが名は知らない。











 この頃になると体も慣れてきたのか、足元を見つめながらひたすら足を交互に出していると知らぬ間に時間が経って距離が進んでいる。



 AM11:15、第3ピークに到着する。目前に前神室山が見え、神室山もハッキリ見えて来た。

 この角度から見ると前神室山は穏やかな稜線を持った山だと思ったのだが、その考えが間違っていた事を後で知る事になる。
















 AM11:30、前神室山(標高1342.m)頂上に到着、パーキングから3時間10分であった。案内板にあった3時間という許容範囲内の時間で到着した事になる。

 我々が頂上に到着すると、そこには秋田市から来たと言う一人の男性(年齢は私よりは下と思われ40歳代後半の秋田顔をした男性)がいた。彼はAM7:00にパーキングを出て、西ノ又コースから登って山頂を経由してここに来たと言う。ここまで4時間半で到着するとはよほどの健脚とみた。彼は神室山には何回も登っているようで、西ノ又コースからパノラマコースに下るのが好きだと言っていた。理由はパノラマコースから登るのは変化が少なく一本調子で嫌いだと言う。






                                         標高 1342.2mの標石。航空写真用の目印が回りに設置されている。

 彼からこれから先のコースの話を聞くと、親切にいろいろ教えてくれた。山頂までは1時間位行く(彼の足で1時間という事は、我々は1時間半位か?)とか、他ではあまり観られない八手の葉の中から白い花が咲いているような何とかと言う花の事(私は花には興味はあるが、花の名前に興味は無いため直ぐに忘れてしまった。先ほどの女性が言っていた花の事であろうと思われる。)西ノ又コースには滝や吊り橋がある事など貴重な情報を教えてもらう。

       前神室山から神室山を望む。尾根づたいに神室山までの道が見渡せる。







               シラネアオイ





















              山形県側の山々を見わたせる。あの山々を結ぶ縦走路があると言う。


















 神室山に向って下って行くと間もなく水晶森への分岐が現われる。標示板もあるので間違う事は無いだろう。我々は真っ直ぐ神室山に向う。


                                            尾根道にある1,240mのピークから神室山を望む。

 前神室山から神室山までの尾根道は、秋田の山にしては珍しくやせていて遮るものが無く360度の展望を楽しめる。
 山形県金山方面への分岐地点(1.325m)から前神室山を振り返る。
 
左に伸びる尾根が水晶森方面に続く尾根である。




















    神室山が栗駒国定公園であることを示すプレート。        1、325mの分岐点から神室山を望む。 左のピークから左に伸びる尾根が西ノ又コースに続く。


















 岩に黄色い花が咲いていてその写真を撮ろうとしたらそこにバンダナ男。女性と2人連れのバンダナカップルはここで昼食を取ろうと準備をしているようであった。「邪魔でしょ。」とそのバンダナは行ったが、「ドケ」とも言えずバンダナをフレームから外して取ったのが右の写真である。チョット迫力に欠けるショットとなってしまった。実はこの二人はPRADOのの2人であったのだが、その時の私の精神状態では冷静な識別は出来ずにその事に気付いたのはこのHPを作っている今この時なのである。

 これでまた私のバンダナ神話は確固たるものになってしまったのである。


















         AM12:09西ノ又コースへの分岐に着く。


     西ノ又コース分岐から神室山山頂を望む。

















              山頂直下の谷は深く険しい。 



















    神室山 1365.mの標石                               山頂到着。後ろには歩いて来た尾根道と前神室山が見える。

























パーキングから4時間36分、前神室山から1時間26分の時間を費やしてAM12:56神室山頂上に立つ。

























 神室山山頂は大勢の人でごった返しており座る場所も無いほどであったが、出発する人がいて場所が開きそこで少し遅い昼食を取ることにする。

 食事をする我々の後ろで団体さんが騒がしい。どうやら足の太ももを痛めた男性がいるようでシートの上に横たわっている。摩ったり揉んだりいろいろやっているが状況は変わらないようだ。ここまで来て歩けないとなると、背負って降りる事も難しいと思われヘリでも呼ぶしかないか?

 私が心配しても仕方が無いことで、10人以上いる仲間がどうにかするだろう。






 大勢で登山する場合、足が具合が悪くなっても仲間に遠慮し我慢して歩いてしまう事が多く、結局取り返しのつかない事になってしまう場合がある。リーダーは各人の情報を常に集めて対処する事が必要であろう。

 私も今回前神室山から神室山に向う途中で太ももに違和感を覚えペースを落として足の様子を看たが、そのままのペースで歩き続けたらどうなっていたか分からない。にわかアルピニストは足の調子に敏感になるべきである。

 山形県側に続く尾根には縦走路が延びている。この長さを目の当りにすると、行って見たいような、行きたくないような複雑な気持ちである。

 昨年行った八幡平縦走よりは短そうではあるが。





















 PM1:25神室山山頂を発って下り始める。

 左の写真の右の尾根を下って西ノ又川に下って行く。

 左の写真にも写っているが分岐までの尾根道に岩が階段状になっている場所がある。高さは3m位で気を付けて通れば問題は無いと思うが、ガスが掛かった時などは要注意であろう。
















  分岐までの尾根道で見つけた紫色の花。                  分岐下の道から下を望む。道は中央左の雪渓の先から西ノ又川に急激に下って行く。






















 分岐下の尾根から見た前神室山。こちらから見る山はドッシリとして貫禄がある。              こちらは反対側に見える神室山。雪渓が目に眩しい。























 これからここに書く話は、西ノ又コースから神室山に登ろうと考えている人は読まないほうが良いかもしれない。何故ならそれは推理小説を終りから読むようなものだからである。 それを了解した人だけ、これから先をお読みいただきたい。

 写真が暗くて良く見えないが左の写真の木の枝に下がっている札には
 窓くぐり
 と書いてある。

 西ノ又コースから登って来た登山者は、狭い沢沿いの道を1時間半歩き、吊橋を渡り沢を渡って尾根に取りつき、急な登りを1時間以上アルバイトしてここの茂みに辿り着く。

 そして茂みの中を登っている道の先に空が見えて、あたかも暗い家の中から明るい外を眺める窓のように見えるのである。そして坂の途中でこの札を見つけることになる。

 窓くぐり?窓くぐりとは何の事か疑問を持ちながら登山者は更に登り茂みを抜け出すとそこには・・・・・。
 そこで登山者が目にするものは右の写真の神室山の姿なのである。ア
ーなるほどこれで窓くぐりか。西ノ又コースから神室山を目指す登山者は、この地点まで苦しい思いをしながらも神室山の姿を見る事はかなわず、ただひたすら汗をかくだけだっただけにこの瞬間は感動的なものになる筈なのである。

 まぁ 、推理小説を終りから読んでしまった我々としてはたいした感動も無くそこを通過したのだが、その直後我々に大きな感動が待ち受けていた。

















 窓くぐりの茂みを抜けた所で、淡い紫色の可憐な花を見つけ見入ってしまう。葉の中から飛び出したようなその花は、可愛いい顔をこちらに向けて微笑んでいるように見える。

 ふと、紫色の花から視線を横に移すとそこには何とも不思議な花が咲き乱れていた。

 これが・・・・・。 前神室山で会った男性から聞いたはずの名前が思い出せない。相棒のM氏も思い出せないらしい。
     M氏曰く 「プロ野球選手のような名前だったなー。」

 名前はともかく、この不思議な構造をした気品のある花は登山道の両側10数メートルの狭い範囲にしか咲いておらずここだけ別世界のようである。


 確かに八手のような直径20センチメートル位の8枚の葉の中心から白い花が飛び出して咲いている様は摩訶不思議な感じで、昔学校で習った花の構造の常識を覆す形に私は驚きを隠せなかった。

 構造はともかく、プロ野球選手のような名前であろうこの白い花は、勲章にでもなりそうな気品ある高貴な感じさえするデザインで、この花を見られただけでも今回神室山に来た甲斐があったと言うものである。

 帰ってからインターネットで白い花を調べた結果、名前がキヌガサソウである事が判明する。 これでM氏の「プロ野球選手のような名前」と言う記憶が正しかった事が証明されたわけだが、Mさん例えが少々古くないかい。

 キヌガサソウが咲いていた環境を考えてみると、咲いているの場所が登山道を挟んだ両側の狭い範囲で、笹ヤブが迫っていた。これからも咲き続けられるのかが心配ではある。




      窓くぐりを通りキヌガサソウの道を抜けると雪渓に出た。

























  雪渓から前神室山を望む。
  形からいくと神室山より前神室山の方が私は好きである。


 雪渓を抜けたところで年配の夫婦と思われる二人に出会う。この時間から頂上を目指すのであれば小屋泊まりですかと尋ねると日帰りであると言う。山頂まで30分位ですか?と尋ねられるが30分では着かないだろうと答える。

 現在の時間がPM2:00頃で、ここから山頂まで1時間としてPM3:00。直ぐに山頂を発ってパノラマコースで下ったとしても4時間以上は掛かるだろう。PM7:00頃までは明かるいとしても厳しい行程である。

 60歳はとうに超えているように見えるこのお二人、山には結構経験がお有りのようで暗くなったなライトを照らして歩くと言う。パノラマコースであればそんなに危険な個所は無いのでライトでも大丈夫であると私は答える。

 陽気な女性(お婆さん)に西ノ又コースの感想を聞くと、一言「怖かったー」。西ノ又川の沢沿いの道で怖い思いをした模様で、帰りのパノラマコースの状況が気になるようであった。

           雪渓の上は冷たい風が熱った体に心地良い










     雪渓を過ぎると道は急激に標高を下げる胸突八丁坂にさしかかる。






 胸突き八丁坂の途中で休憩した時、M氏が大変な事に気付く。ディバックの後ろに挟んでおいたプロテクターが無くなっているのを知ったのだ。滑る下り坂で尻餅を突いた時バンドが外れ落としたようなのだが、プロテクターを探しにこの急峻な道を登る元気は無く、M氏は泣く泣く長年愛用していたプロテクターを諦めたのであった。






 西ノ又コース最大の難所<胸突八丁坂>は急峻な下りが1時間以上続く。
 西ノ又川からの少し登った所にく不動明王の祠がある。


















                   不動明王の直ぐ上にある西の又コース最後の水場。










 山頂から1時間45分、AM3:10西ノ又川に出る。沢筋にまだ雪が残っている結構大きな沢で、少し下った所に滝があった。







          三十三尋の滝













 ここから対岸に徒渉するのだがここには橋の類はなく、流の狭い所を狙って靴を濡らしながら沢を渡る。対岸には登山道を示す赤いテープが付けられているのでテープを探しながら進めば迷う事は無いだろう。

              沢沿いの道は狭く、足場の悪い所が多く注意か必要である。
                この写真はまだ状態の良い方である。


























 沢沿いの道を歩き始めて1時間程で一つ目の吊橋にさしかかる。ここで高い所には目が無いM氏が前に出て最初に渡る。

 この吊橋の構造は、ワイヤーに鉄パイプを横に渡しその上に板を縦に2枚敷いたもので、滑り止めに横に木を打ち付けてあった。

 そこそこ安定感があり、両側のワイヤーを掴んで渡れば揺れも少なく歩ける。高さはそれほどでもないが、高所恐怖症の人はどうしても下の流が見えるため緊張するかもしれない。

  登山道は西の又川の際を斜面にヘバリ付くように造られている。












 一つ目の吊橋から20分程で、二つ目の吊橋に到着。前と殆んど同じ感じで今度は私が先に渡ることにする。




















     M氏は、余裕の表情で渡る。                        下の状況を示すショット。片手で撮ったこのショット結構勇気が要った。

















                                             案内板には大滝と言う表示があった、ただの砂防ダム。


























 西ノ又川に降りてから登山道入口の林道まで1時間25分で到着、これから先は杉林の中の林道をゆっくりと歩く。


 林道を歩くこと15分で、PM4:48パノラマコース入口にあるパーキングに到着する。山頂から約3時間20分であった。










 朝は多くの車が停まっていたパーキングも今は3台の車しか停まっていなかった。1台はスーパーカーACTY、1台は途中ですれ違った年配の夫婦の物と思われるハリヤー、そしてバンダナのPRADOである。

RADOの傍に立っていた男女は、我々より少し早く到着したようで頭にバンダナは無く目的を達成した満足感からか爽やかな顔をしている。


 頭にバンダナが無ければ普通の人。どちらかとも無く声をかけ、話は登山コースの話になる。

PRADO 「よくもあのコース(パノラマコースの最初の急な登りのこと)を登りましたねー。」
        彼らは最後の最後に急な道を下ったため、たいぶ足に来たようだ。
  私   「川からの登りの方がキツイでしょう。」
RADO 「あの登りは1時間頑張れば後は楽ですよ。」

 などと、お互いの健闘を讃える形で話は終わった。

 この時の私は山の上で会ったバンダナが彼らであった事に気付いておらず、どこですれ違ったか不思議に思っていたが、M氏は前神室山から神室山に行く途中で会ったと言っていたので彼は分かっていたのだろう。

 挨拶を交わして彼らはパーキングを出て行き、残された我々は登山靴を脱いで開放感を味わうが、汗みどろの体が気持悪い。


 一刻も早く温泉に入るため近くの秋ノ宮温泉郷に向う。国道108号に出て秋ノ宮に向うと稲住温泉の看板が出ていて入浴500円とある。500円なら行ってみる価値はあると早速稲住温泉に行くと、女将さんが出てきて入浴は5時までですと丁重に断られた。

 確かに時間は5時15分で5時は回ってはいたが、日曜日の晩の宿にお客が多いとは思われず2人ぐらい入れても罰は当たらないと思ったが駄目でした。看板に<5時まで>と書いておけと怒りつつ稲住温泉を後にする。

 そこで思い出した。ここ稲住温泉の敷地内に祖父の石碑が有ることを思い出し、ACTYを停めて石碑の写真を撮る。


  昭和15年頃に建てられた祖父の石碑。
  何かの歌が刻まれているのだが私にはまだ理解出来ていない。

















 次に行ったのがここなら絶対に断れることは無いと確信する秋ノ宮山荘。ホテルのような(ホテルでしょ)フロントで確認すると入浴OK!!  600円払って風呂に行き汗を流す。ゆっくりとお湯に浸かって体も気持もリフレシュするとお腹が空いて来た。蕎麦好きのM氏に合わせて西馬音内の弥助蕎麦を食べようとACTYを走らせる。

 弥助蕎麦の大駐車場にACTYを停めて店に行くと、扉の前に営業終了の札が。ここで今日2回目の門前払いをくう。まだ7時前だというのに、田舎のお店の閉店時間が早いことを思い知らされ我々は、近くで開いていた食堂で定食を食べて秋田に向ったのであった。



 今回の神室山登山は天候にも恵まれて心に残る登山となった。キヌガサソウの高貴な姿や、やせた尾根、深い谷など多くの秋田の山とは一味違った山並みが印象深く心に刻まれた。ヤブ山では会う事の無い登山者との触れ合いも思い出深いものがあった。

 神室山に登る場合のコースの取り方であるが、今回我々はパノラマコースから登って西ノ又コースを下るコースを取ったが、我々としてはこのコースで良かったと考えている。我々はいつも尾根道を歩く癖が付いているのと、尾根道の方が気を使う事が少なく安全に歩ける事も知っている。沢歩きはこれまで幾度となく経験しているが楽しかった思い出は少なく、危ない思い出だけが印象にある。

 また個人的に目標の山が見えていて歩く方が好きなのと、足がまだ元気な内に標高を稼ぐ方が、終盤になって急な坂を下るより足へのダメージが少ない事を知っているからである。


 初心者が登る場合は、やはり西ノ又から登ってパノラマコースに下った方が安全かもしれない。足が疲れた状態で西ノ又川の沢道を歩くのは危険度が増すのでお勧めできない。

 皆さんも神室山に登って自然の素晴らしい造形美を自分の目で確かめて見てください。


                                  
                                                           Report  by  Ryuta

※お知らせ  神室山の避難小屋は平成17年5月1日をもって閉鎖になる事が決定いたしました。
         避難小屋は平成17年5月1日以降利用できませんのでご注意ください。


秋田ヤブ山紀行
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