第4日目  9月23日(日)    網走→北見→留辺蘂→置戸

 北海道4日目の朝も年寄りは一番早く起きてしまう。今日の空は青空。雨は降りそうも無い。放射冷却のせいか外の空気はヒンヤリとして冷たいが爽やかな朝である。今日は馬に乗るお客さんはいないようで馬は出ていないようだ。













 今日の我々は、午前中バイクの修理を行う予定のため時間的にはいつもより余裕がある。旦那から網走にもホーマックがあることを聞いてホーマックで修理道具と材料をを購入する事にする。ホーマックであれば売っている品物もだいたい想像出来るので予定が立てやすいのだ。ホーマックは開店時間AM9:30と思われるので(秋田のホーマックと同じ?)それまではあまりする事が無いのだ。

 外では犬たちの朝食が始まっており、手伝いのアンチャンが躾をしながら食事を与えている。
 我々もK氏を起こして食堂に行く。食堂のテーブルの上に並べられている朝食を見て私とM氏はビックリ!!













 テーブルに並べられた朝食はいつも食べていた洋食ではなく和食なのである。アニマの里の朝食はパン・ハムエッグ・ヨーグルト・コーヒー等の洋食と思っていた我々はテーブルの上に並べられた和食に戸惑ってしまう。旦那に聞くと朝食は基本的には和食と洋食が日替わりで出されると言う。FUNKYは昨年まで4回アニマの里に泊まっているが、その全ての朝食が洋食であったため朝食は洋食であると思い込んでいたがたまたま4回とも洋食に当たっていたと言う事であった。昨日のホッケの開きといい、まだFUNKYが知らないアニマの里が存在する事を知る。

 しかし、私としてはアニマの里の夕食では必ず油のったホッケの開きを食べたいし、朝食は洋食で自家製ヨーグルトを食べ食後のコーヒーを楽しみたいものだと考えている。

 食事を終え修理場所の相談をしようと旦那の居場所を奥さんに聞くと、裏側の小屋で我々のために準備をしていると言う。早速小屋の方に行ってみると、旦那は電動ドリルやサンダーを準備してくれていた。チェンジペタルの修理のためにはタッピングスクリュウと電動ドリル&キリと万力等が必要である。小屋の中には旦那が農機具を修理したりする道具や木工工具等が所狭しと置かれている。

 この中から使えそうな物を物色する。工具箱のなかに5mmのステンレス製タッピングスクリュを発見、これを使わせてもらうことにする。電動ドリルは有るが鉄用のキリは6mmしかないため4mmのキリを買うことにする。また穴を開ける時チェンジペタルを固定する道具は、薪を切るのに使っている丸鋸に付いている固定具が万力代わりに使えそうである。

 ホーマックで購入する物は、4mmのキリ、白色のガムテープ、エンジンオイル(オートバイ用)等である。あつかましいと思ったが旦那にホーマックに行く足として車を貸してもらえないかとお願いしてみると、軽トラなら貸しても良いと言ってくれた。この軽トラックは、明日新しい車と入れ替えるのでガソリンもあまり入っていないがそれで良ければ使って良いとの事。

 しかしこの軽トラには一つ問題があった。現在この軽トラの荷台はカボチャを乾燥するための乾燥台として使用されており、このカボチャを満載した状態でホーマックに行くのは如何なものかと旦那は言う。私は積んだままでも構わないと思ったが、停めている間に盗まれても困るのでカボチャを降ろすことになった。ビニールハウスの中に入っていたトラックを外の出してM氏とK氏が一個づつカボチャを荷台から降ろすが、これが結構な数で落として傷でも付けたら大変と大事に扱ったため時間が掛かってしまった。

 このカボチャはジャガイモや玉ネギ等と一緒に箱に詰められ契約しているお客様に送られる大切な商品で、このカボチャはアニマの里の大切な現金収入の一つなのである。

 旦那からホーマックまでの道を聞いて、M氏と共に廃車寸前の三菱自動車製3速オートマティック4WDの軽トラックに乗ってホーマックに向かう。この軽トラックさすがに廃車寸前と言う事でガタガタでエンジンは唸るが前に進まない。軽トラのオートマティックに乗るのも初めてで毎日軽トラに乗っている軽トラ・フリークとしては興味があるところであったが、この3速オートマティックはアクセルを床まで踏んでも加速が悪く車の流れに乗るのも一苦労である。明日引き取られていく身としては致し方ない事なのかもしれないが、しかし軽トラのオートマティックだけは絶対に買わないと私は心に誓う。

 ホーマックは海岸線の道から坂を登った高台にあった。そこは秋田の横山・金足線の様に4車線道路の両側に大型店が建ち並ぶ今時どこの地方都市にでもあるロケーションであった。ホーマックの店内もレイアウトから並んでいる商品も秋田と殆ど同じで店内の臭いまでも同じであった。早速勝手知ったる店内の工具売り場に行きドリルのキリを買い、次に白色の布ガムテープを買に行く。

 白いテープを見つけ昨日買ったガムテープより大分安すく、さすがにホーマックと思っていたらM氏にそれは紙のクラフトテープですよ注意される。いくらホーマックでも500円位のテープが200円台では安すぎるか。秋田のホーマックにヤマハの4サイクルオイルがあったのを思い出しここにも有るはずと自動車用品売り場に行くと、やはりヤマハのSFオイル(10w30SF級)の1L缶が棚に並んでいた。

 これを2本カゴに入れてレジに行こうとすると、M氏がK氏のクランクケースの割れを修理する物を買わなくても良いのかと言う。確かにオイル漏れを止める道具としてはガムテープしかなく不安ではある。そこでK氏に携帯電話で連絡を取ってみる。携帯を近くに置いているか不安であったがK氏は電話に出て、昨日の修理箇所からはオイルは漏れていないので必要ないのではないか言う。

 こんな時にも直接連絡が取れてしまう携帯電話の便利さに感心してしまう、いまだ携帯を持とうとしない私であった。自動車用品売場に適当な漏れ止めが無かったのもあって何も買わないで店を出る。しかし後でシリコンの充填材を買っておけば良かったと後悔する事になろうとはその時は考えていなかった。

 買う物を買って、アニマの里に戻る軽トラの車内で珍しい物を発見する。それは郵便屋さんの緑色の帽子。普通は手に入らないと思われる帽子がどうしてここに有るのか。旦那が郵便屋さんのコスプレマニアとも思われず謎は深まる。そこでその昔、郵便局の臨時職員の経験を持つM氏が一つの仮説を打ち立てる。

 M氏は軽トラが入っていたビニールハウスに、郵政の払い下げと思われる赤いバイクが1台置いてあるのを見逃さなかった。緑の帽子と払い下げのバイク、そして網走という土地柄。そこから導き出された仮説は、冬季間の郵便物配達の請負である。雪の降る地方では冬季間自然条件の厳しい配達区域を局員以外の人に一定の金額で配達を請け負わせる事を行っている。

 旦那は冬季間のアルバイトとして郵便局の請負を行っていると言うのがM氏が導き出した仮説である。M氏がその昔冬季間の請負配達をしていた経験からの仮説であったが、この仮説が正しいかどうかの判定は次にアニマの里に泊まる時までお預けとなっている。

 今日の網走の町はNHK杯網走・北見間の駅伝競走が行われるということで選手や自衛隊、警察官等がウロウロしている。

 アニマの里に帰るとK氏と旦那の息子が楽しそうにサッカーをして遊んでいた。どのようないきさつでサッカーを始めたのかは聞かなかったが何か温かい雰囲気の情景がそこにあった。またK氏が幼い子供とサッカーをする姿は彼の優しい人柄を感じる情景でもあった。あの息子を最初に見たのは歩き始めの頃でオムツをしてヨタヨタと歩き回っていたのだから、こうしてK氏とサッカーをしている姿を見ると時の流れを感じると共に、こういう雰囲気を心地良く感じてしまう自分はやはり年を取った証拠なのかと思ってしまう。

 走りっぱなしのいつもの FUNKY IN Hokkaidoh とは一味違った、このようなオフタイムを持てたのもアクシデントのおかげ?と不謹慎な事を思ってしまう。予定通り行かないのが旅の常。ただ予定通りに旅行ツーアーの様な旅をこなすなど楽しいはずが無い。予定外のところから思ってもみない展開が始まったりするのが楽しいのだが、予定外のアクシデントだけは絶対に避けたいものだ。




 アニマの里に戻って早速バイクの修理に取り掛かる。K氏にR6のアンダーカウルを外してもらっている間に、私のバイクの右フートレスト(ステップバー)の修理を始める。ステップバーの取り付けはピンをカシメて留めてあるため、ピンのカシメ部分をサンダーで削り取りって折れたステップバーを取り外し、変わりにK氏からリヤのタンデムステップを借りて取り付ける。

 何故R6のタンデムステップかというと、YZF750SPは1人乗りのためダンデムステップが付いていないのである。割れたサイレンサーはステンレスワイヤーで留めてあったが高速走行には不安があるため、もっと太い針金はないかと小屋の中を物色してみる。小屋の片隅に洗濯物に付いてくる針金のハンガーを発見する。3本のハンガーを使ってサイレンサーを強固に固定する事に成功し、これでサイレンサーが走行中に落ちる事はないと思われる。





 次にK氏のR6だが、昨日割れたクランクケースカバーに張ったガムテープを剥がして見ると、オイルはあまり漏っていなかったのでこの方法が有効と判断し、また石鹸を擦り込んでその上からガムテープを貼る。しかしこの判断は、ある原因により間違っていた事が数時間後に判明する。ホーマックから買ってきたオイルをエンジンに入れて見るとR6のクランクケースは1リットル缶のオイルを丸々呑み込んでしまう。1リットルのオイルが不足していたのではオイルランプが時々点くもの不思議ではない。これでエンジンを高回転で回して問題はないだろう。









 一番ダメージが大きかったM氏のバイクの修理に取り掛かる。M氏のカウル左側は何とか繋がっててはいるがクラックだらけで崩壊寸前である。先ずこれを高速走行可能な状態にするため割れ目という割れ目に買ってきた白いガムテープを貼りまくる。何故白いテープかというと美的感覚の問題なのである。左側のヘッドライトは点灯させないため、カウル補強と耐久仕様を目指して片目仕様にする。これで遠目にはYZF750SPの8耐仕様に見えるはずである?






 フロントフェンダーは先端の左側が掛けたため、反対側もサンダーでカットしてシンメトリにしたらBEETのシャークフェンダーの様になってカッコイイ?


 問題のチェンジペタルは、折れたゴムパッドのロッド部分が曲がっていた為5mm位サンダーで削って端面を直角にしてから、ハンドドリルで中心に4mmのキリで穴を貫通させる。ペタル側も折れた所を平面に仕上げて中心に6mmの穴を開ける。これを5mmのステンレス製タッピングスクリュウで組み上げ少し短目のチェンジペタルが出来上がった。このペダルは通常使用にも充分耐えられる性能を持つ物と自負している?

 アニマの里ファクトリーで修理を終えた3台のバイクは、各車250キロ以上の走行を保証されたはずであったが・・・・・・・

 昼前に修理を終え出発の準備に取り掛かる。そこに今日行われる駅伝に旦那の息子が出場すると言うので家族全員で応援に行っていた旦那が帰って来た。旦那は息子が一区を高校の部で1位で走って来たと上機嫌で帰って来た。息子の走りをビデオカメラを持って家族全員で応援に行く家族。家族というもの是非はこう有りたいものだ思った。


       我々の横では犬たちがお昼寝タイム。











  旦那にお世話になったお礼を言って、正午にアニマの里ファクトリーを出発する。根北峠・開陽台・裏摩周等を回るを予定をキャンセルして直接今日の宿幌加温泉に向かう事にする。国道は駅伝で混雑が予想されので昨年使った裏道で北見に向かう。裏道から国道に出ると駅伝はまだ通過しておらず我々の方が先行した様だ。

 選手が中継点近くでアップをしているのが見える。沿道には応援の人も出ていてこの駅伝はこの地方のビックイベントのようである。国道39号で真っ直ぐ留辺蘂に出れば近いのだが、交通量が多く走ってもつまらないので北見から端野峠を通って国道333号ルシク峠を通って若佐に出てから留辺蘂に出る事にする。栄から留辺蘂までの道道は、交通量も少なく結構楽しいく走れ、R6もオイル漏れを気にせずハイスピードを楽しんだ様であった。留辺蘂に出てガソリンを給油し、各車の修理箇所を点検するが特に問題は無い様だ。

 留辺蘂から置戸までの国道242号は、草原の中を走る緩やかなワインディングロードが続きアットいう間に置戸のいつものコンビに到着し休憩となる。


                                                                       NEXT