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 September 2014  Hokkaido Part 31 Touring
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 北海道2日目 最東端を目指して・・・


早朝の穂別はまだ雲が厚かった、路面は殆ど乾いていた。



ポレポーレの朝食

 北海道2日目の予定は、穂別から平取に出て内陸の道を浦河、広尾と走り、昨年新しく昆布刈石まで開通した国道336号を通って厚内へ、そこから釧路、昆布森、厚岸、霧多布、浜中、根室そして北海道最東端の納沙布岬を目指す。

 宿泊は久しぶりに根室花咲港の 民宿 一福 に泊り、花咲カニを食べる予定になっている。距離的には結構長い行程だが、厚内〜釧路間以外は殆ど田舎道で渋滞の心配は無いから、雨さえ降らなければ問題無く消化できる筈である。

 もし雨が降ったりして予定通りに行かない場合は、納沙布岬をパスして宿へ直行も出来るので、そのへんは臨機応変に考える事にする。

 いつものように六時前に目覚めた私が外に出てみると、昨晩までの雨は上がっていて、路面は殆ど乾いており出発する頃にはドライ路面で走り出せそうである。

 ポレポーレでは朝食は六時半には食べられるようなのだが、我々は七時から朝食、出発を八時に設定する。秋田での通常ツーリングでは、朝の六時に出発し夕方の六〜七時には帰還するので、所要時間12〜13時間で1日500〜600km走る。

 しかし、北海道では朝八時出発、夕方五時宿到着の所要時間9時間を基本とし、1日400〜500km程度走る。その為アベレージスピードは若干北海道の方が高くなるのだが、交通量が圧倒的に少なく道幅も広く安全性は北海道の方が高いと思いますね。

 しかし、北海道ならではのリスクも多々有って、それはエゾシカ等の飛び出しだったり、パンダカラー車両のトラップだったりするのだが、ライダーが北海道から無事に帰る秘訣は、基本的に車の後ろで走行する事だと私は思います。


出発する頃には青空も見え良い天気になって来た。

 FUNKY北海道での走行距離は、走るルート状況を考えて設定してあります。普通?のライダーが普通?に考えたコースであれば、一日(所要時間を10時間として)の走行距離は300〜400km程度が無難なところだと私は思いますね。

 七時から朝食を取り、出発の時間に合わせて出発準備した我々は、お母さんの見送りを受け予定通り八時に穂別を出発する。出発する頃には、青空が広がり陽射しも暖かく最高の天気となっていた。

 我々は平取まで戻って浦河への裏道へと向かったのだが、穂別の街から出た所でベンツ(Cクラスのワゴン?バッジを確認しなかったのでハッキリしないが、エンジンは大きそうだった)に追い着いた。

 ゆっくりと走っているベンツは我々に道を譲ってくれたのだが、そベンツが只者ではなかった。我々の後ろに着いたベンツは最後尾を走っていた白いバイクにプレッシャー掛け続けたらしく、その結果として白いバイクは先頭から離されずに走れたらしい。

 この道では以前軽自動車にプレッシャーを掛けられ難儀をした経験を持つ白いバイクだが、今回はプレッシャーを受けながらも余裕を持って対処出来たようである。それにしても、このルートに熱い気持ちを持ったドライバーが多いのは何故・・・?

 平取に出た我々は、日高方面に少し走って右折、道道80号に入る。T字路に出た我々は右折して道道351号に入り少し走って道道1026号に左折、新冠を目指す。昨晩まで降っていた雨の影響か道路には水か流れた跡が多く残されており、路上には小石や泥が結構落ちている。

 そんな道路状況の中、我々は慎重に走りを進めて馬(日高は牛ではなく馬)が放牧された牧場が点在する日高の山の中を走って行く。


 日高はサラブレッドの国

 そして我々は森を抜け坂を下って広大な牧場が広がる場所に出る。綺麗に刈り込まれた緑の大地の中サラブレッド達が戯れているその風景、それは北海道の中でも稀な風景で我々はその傍らにバイクを止める。

 時折雲間から差し込む陽射しが暖かく我々を包み込み、我々は此処でしか感じられない空気感を楽しみながら暫しの休憩を取る。休憩を終え再び走り始めた我々が新冠川を渡り対岸の山を上って行くと、眼下には新冠川沿いに見渡限りの牧場が広がっておりました。

 そして山を越えた我々は、今度は静内の牧場群に入って行く。この地域にサラブレッドを育てる牧場が集中している理由を私は知らないが、この貴重な風景が将来も残って行く事を願うものである。


爽やかな空気に包まれて休憩を取る。


お馬さんは朝食中・・・?

 雨雲に追い着いた・・・?


浦河のセイコーマート 雨が降るのは時間の問題・・・?

 静内を抜け我々は、広域農道を使って浦河の街を目指す。新冠辺りまでは青空が見えていた空も浦河が近くなると怪しくなってきた。

 雨は降っていなかったが路面が濡れている所が有り、空は一面厚い雲に覆われこの先雨を覚悟しなければならない状況になってきた。

 予定では浦河の街中を通らずに広尾に抜ける国道236号に出る事にしていたのだが、浦河で給油する必要が有ったのと雨の状況をスマートフォンで確認する為、コンビニで休憩する事にする。

 浦河の街の上空にはまだ明い所も有ったが山側の雲は黒く垂れ込め、スマートフォンで見るこれから向かう先の降雨レーダー画面には赤や黄色が踊っていた。

 休憩後、浦河のセルフスタンドで給油した我々は、日高山脈を越える為国道236号へ向かって走り出したのだが、1kmも行かない内に雨が落ちて来て次第に強くなってくる。

 こんな事ならガソリンを入れた時に雨具を着れば良かったと思ってしまった私だが、このままではずぶ濡れになるのは必須の状況に、先に見えたコンビニの軒先を借りて雨具を着る事にした。コンビニには雨具を着込む先客ライダーがいたのだが、彼らもまた我々と同じ状況だったのかもしれません。

 昨日に引き続き突然降り出した雨(今回も確信犯的な面が有った事は認める)に雨具を着る事になった我々だが、国道235号から国道236号に左折して少し走ると雨は小降りになり、次第に路面が乾いてきて雨はすっかり上がって空は明るくなってくる。

 雨が降っていた時間は実質10分も無かった感じで、こんな事なら雨具を着ないでも良かったかも・・と思ったりもしたが、あの雨の降り方で雨具を着ていなければ確実にパンツは濡れてましたね・・・。

 雨も上がり路面も乾いたしここで雨具を脱ぐ選択肢も有ったのだが、これから日高山脈を貫く標高が高い野塚トンネルを通らなければならず、そこでは雨が降っている可能性が高く私は雨具を脱ぐ決断が出来なかった。

 私がこの国道236号を走るのは今回が2回目(15年以上前)でその時は広尾から浦河方向に走ったのだが、その時の印象は交通量がそこそこ有って黄線区間が多くて楽しくない印象だった。しかし、今回走ってみると交通量も少なく黄線区間も少なくて結構楽しめる道になっていましたね。



広尾の街で雨具を脱ぎこれからの高速ステージに備える。

 こんな道を雨具を着て走ると雨具がパタパタしてストレスが溜まるのだが、雨具を脱いでまた着る事を考えると私には雨具を脱ぐ決断が出来なかった。

 国道236号の野塚トンネルが近づき標高が上がっても雨が落ちて来る気配は無かったが、トンネルを抜けた先の天候が分からず私は雨具を脱げなかった。

 しかし、トンネルを抜けた広尾側も雨は降っていおらず雨具を脱いでも良かったのだが、私はズルズルと広尾側の高速ステージもパタパタ走ってしまいました。

 結局、広尾の国道336号に出た所で雨具を脱ぐ事にしたのだが、広尾で雨具を脱がなければならない理由が私には有った。

 これから向かう国道336号は3年前に初めて通った道なのだが、それは北海道の中でもここでしか無いような素晴らしいスチエ―ションの高速ステージだった。

 しかしその時は途中から雨が降り出して雨具を着る事になり、高速ステージを楽しむ事は出来なかった。今回は是非雨具無しで高速ステージを楽しみたいと考えていた私は、広尾で絶対雨具を脱がなければならなかったのである。

 そして昨年国道336号の 十勝川河口〜浦幌町昆布刈石間 が開通、浦幌を迂回せずに最短で釧路に行く事が可能になり、今回私はその新しい道を走る事も楽しみにしていた。


 ウエットからドライへ

 雨具を脱いでパタパタしなくなった我々は、帯広に向かう国道236号と分かれ右折してナウマン国道(近くでナウマン象の化石が出土)と呼ばれる国道336号で昆布刈石を目指す。この道の両側に広がる景色は牧草地か原生林が殆どで、70km弱の間に信号が2カ所?大きな建物が見えるのは1地区ぐらい、景色の変化が少なく普通に走っていると退屈になってしまうかもしれない。

 しかし走りに集中していた我々は、アッと云う間に昆布刈石の海岸線に出てしまった。海岸線を走る道道1038号は、国道336号と比較すると道幅も狭く路面状況も凸凹で、我々は太平洋の荒波が打ち寄せる海岸線の景色を楽しみながらゆっくりと厚内に向かう。

 暫く走ると我々は大型トラックに追い着いたのだが、そのトラックの荷台の後ろにはホース2本が出ていて、そのホースの先からは、コーナーでトラックが傾く毎に水が大量に排出されていた。先ほどから道路のコーナー部分が濡れていたのは、このトラックが原因だった。

 この道路のコーナーが濡れている現象はこの時期道東地区でよく見られる事で、以前根北峠で濡れた路面に鮭が落ちていた経験からすると、トラックは秋鮭を入れた水槽を運んでいるものと思われます。

 知床峠では全てのコーナーが濡れていて楽しめなかった経験を持つ私だが、これもこの時期の風物詩と考えるようにしております。


広尾から一気に白糠まで走る。正午はとっくに過ぎていたが、今日昼食は厚岸の予定なので私は菓子パン、他のメンバーも固形物を取ってエネルギーの補給を行う。

 厚内を通過して音別町の国道38号の出た我々は、格段に多くなった車の流れに乗って走り、白糠のコンビニにバイクを止める。

 広尾からここまで120km近い一気走りだったが、国道38号の20km弱を除けばストレス無く走れたから、そんなに疲れは無かったですね。

 現在の時間は昼食の時間をとっくに過ぎていたのだが、今日の昼食は厚岸で牡蠣を食べると決めていたので、私は菓子パンを買ってそれまでの繋ぎとした。

 他のメンバーもエネルギーの補給を行っていたが、ここから厚岸迄はまだ距離が有り、この先は二桁幹線国道で交通量が多い事が予想され、結構時間が掛かりそうである。



 釧路事情

 休憩を終えた我々は国道38号を東進、釧路を目指す。白糠の街では青空も見えまだ暖かかったのだが、恋問まで来ると空は厚い雲に覆われ始め気温が一気に下がって寒くなってきた。路面も所々濡れた所が有ったりして、雨が上がって間も無いようである。

 この急激な気温の低下に戸惑ってしまった私だが、釧路で給油した時そこのスタッフに聞いたら朝からこんな感じで寒かったと言っていた。以前 道の駅 しらぬか恋問 では雨が降っていなかったのに釧路に入った途端に雨に降られた事が有ったから、白糠付近が道東と十勝の気象の境目なのかもしれませんね。

 我々は釧路の街を通り過ぎ、国道44号に入った所のセルフスタンド(コスモ石油)で今日2回目の給油を行う。レギュラーガソリン158円の表示が出ていて、北海道としては安い(今回の北海道で最高が浦河の168円、163円の所が多かったかな・・・)価格だったが、給油を終えて精算する時ディスプレイのスロットルが回って2円引きの当たりが出て最終的に156円になった。

 スロットルの2円引きに当たって喜んだ私だったが、他のメンバーも全員当たっていたようで単に今日は2円引きのセール中だったようです。今日は連休初日の土曜日、ファミリー客向けのセールが行われていても不思議ではないのだが156円は安過ぎ?でしたね・・・。

 安くガソリンを販売出来るのも釧路だったからかもしれません。釧路港には各石油会社の油槽所が有り、船から陸揚げされた石油がそこから道東各地に配送していると思われるのだが、今回給油したGSはその油槽所から10kmも離れていない場所に在って、タンクローリーの配送料が安い事が考えられます。

 因みに私の経験では道内でガソリンが一番高いのは知床のウトロで、安い所と比較して普通に10円位違う事が過去に有った。私はそれからウトロで給油しないようにしているので最近の価格事情には疎いのだが、何処から運ぶにしてもウトロは遠そうですから、今でもガソリン価格は高目なのではないでしょうか・・・!?

 給油を終え下がった気温に合わせシッカリ寒さ対策を施した私は、厚岸の牡蠣を目指して走り出す。当初の予定では釧路から昆布森経由で厚岸に向かう事にしていのだが、実際に走ってみると昆布森を回る時間的な余裕は無く、私は国道44号で厚岸に直行する事にした。


 鹿対策

 私がこの国道44号釧路尾幌間を走るのは4年ぶりだったが、道路の両側に以前は無かった?鹿の防護柵が設けられていた。北海道各地を周っている私だが、このような大規模な鹿避け防護柵を見たのは初めてで、この地域の鹿による交通障害の多さが想像される。

 以前、根室本線厚床初田牛間の道道1127号上で角の立派な雄鹿と暫し対峙したり、宗谷丘陵でバンビちゃんとランデブーした経験を持つ私ですから鹿の怖さは色々と身に沁みておりますが、このような鹿避け防護柵を設けても鹿は柵の無い道路を渡るのでしょうから、根本的な解決策にはならないと思うのですがどうなんでしょう。

 しかし、事故が頻繁に起きて何も対策しない訳にもいかないでしょうから、お役人は税金を使って取り合えず柵を作ったんでしょうけど、確かに鹿避け防護柵設置の看板を見た私は運転者として安心感は有りました。しかし、鹿が絶対出て来ない保証は無いですよねぇ・・・。


 遅い昼食


道の駅 厚岸グルメパーク到着 遅い昼食に向かう。

 
 そして我々が厚岸に到着したのは3時近くになっていた。厚岸も雨上がりのようで路面は乾いていたが、所々にまだ黒い所が残っている。

 国道44号から道道123号に入る信号に止まった時、対向車線の信号の先で車がパンダカーに止められているのが見えた。何で止められていたのかは分からなかったが、今回の北海道ではこれ以降も一回車がパンダカーに止められている状況を目にする。

 止められたドライバーさんには同情を禁じ得ないが、何れにしましてもそれなりの大きさの街(この判断基準が難しいが二桁国道の街は特に注意)の近くでは、ライダーの皆さんは車の後ろに着いて黄線からは絶対にはみ出ない事ですね。


 我々は 厚岸の道の駅に到着する。我々はこの道の駅二階のレストランに牡蠣を食べに来たのだが、1名牡蠣の顔を見るのも嫌というメンバーがいて、彼の建物に向かう足取りは重かった?

 レストランのテーブルに着いた我々は、1名を除いた3人で カキバライティセット 4,300円?(価格の記憶が正確ではないが、以前は4,000円しなかったように記憶するから、それなりに値上がりしていましたね。)を注文、1名は悩んだ結果王道のカレーを注文する。

 2007年にも食べた事の有るカキバライティセットは、生ガキ、牡蠣グラタン、牡蠣フライ、牡蠣スパゲティのセットで、牡蠣の全て?を味わえるセットなのである。

 厚岸の牡蠣は、けっして大きくは無いが味が濃厚で美味しいと私は思う。味わい方としては生で食べるのが一番だが、カキフライも結構美味しく、私は熱々グラタンで口の中を火傷(猫舌でして・・・)までしてしまいました。

 このカキバラエティセッはト2〜3人用となっているが、生ガキの数が3で割り切れないところに少々問題は有るが、三人で食べると丁度良い量だと思います。

 以前来た時は二人でこのセットを食べたのですが、その時私はまだ50歳代で太っていましたし、相方も20歳代で食欲旺盛でしたから問題無く完食出来ました。しかし、健康には腹八分目が良いと云いますし、生ガキ問題をうまく処理すれば三人でシェアーするのが良いように思います。

 一方、他の三人がカキバライティセットで盛り上がっている横で、無言でスマートフォンをイジッテいたメンバーの前にカツカレーが運ばれて来る。

 カレーと言えば丸か楕円の皿と相場が決まっていますが、ここのカレーは大きな角皿に盛られて運ばれて来た。だからどうしたと云う事も無いのだが、「角皿のカレーは珍しい!」 と私は思っただけです。

 因みに角皿に盛られたカツカレーのお味は・・・

 「大変美味しかった!」 

と食したメンバーは申しておりました。

 カキフライの衣もカリッと揚がっていましたから、カツも美味しく揚がっていたと思いますよ・・・。



生ガキの数は8個、二人なら問題無いが三人だと・・・。


パスタ、グラタン、フライは三人でシェアー


 霧多布岬訪問

 遅い昼食を終えた我々はこれから海岸線を通って根室を目指すのだが、予定では北海道最東端の納沙布岬を訪れる事にしていた。しかしここでこの時間では、納沙布岬まで行く時間は無く納沙布岬は諦める事にした。その代わりと言ったら何だが、久しぶり(これも2007年以来)霧多布岬に立ち寄ってみる事にした。

 厚岸の道の駅を出発した我々は、厚岸大橋を渡り道道123号で霧多布を目指す。雨は降っていなかったが、路面は乾き始めたばかりのハーフウエット状態でペースは上がらず、我々は原生林の中のワインディングロードを淡々と走る。琵琶瀬展望台まで来ると展望が開け、眼下に広大な琵琶瀬・霧多布湿原が広がっていた。




寒くてネックウォーマーで防寒対策


 しかし、我々にその景色をゆっくり楽しむ時間は無く、坂を下って琵琶瀬の街を通過、大きな橋を渡って霧多布の街を抜けて坂を上り、霧多布展望台を目指す。

 霧多布展望台は、霧多布岬を望む場所に設けられているのだが、そのパーキングにちょうど観光バスが1台停まったところで、バスから続々と観光客が吐き出され展望台に向かっていた。

 我々もまたその後を追ったのだが、きりたっぷ岬の看板の前は順番待ちの状態で、我々は観光客の皆さんが一通り記念写真を取り終えるまで暫く待つ事になった。

 ようやく看板前が空き我々が看板の横に並んだ時

     「 お撮りしましょうか? 」

と観光ツアーのガイドさんらしきおねえさんが声を掛けてくれる。

 4人全員が写った写真はなかなか無いので、これ幸いとご厚意にあまえる事にしたのだが、ガイドさんは大勢の観光客が写真を撮り終えるまで待っていた我々を見ていて、気を使ってくれたようです。

 気使いの出来る優しいおねえさんでした。
 


展望台から見る霧多布岬を望む。 観光客の中にはダウンジャケットを着た人もいるくらい寒かった。


 至福の時間・・・



霧多布  夜の飲物を仕入れ後は宿まで一気

 我々は霧多布岬に写真を撮りに来ただけのようなものなので直ぐに岬を後にしたのだが、7年前に比べるときりたっぷ看板が新しくなっていましたし展望台も新しく作られていましたから、霧多布岬展望台は以前より大分観光地らしくなっていました。

 地元の方々も色々と努力されているようですね・・・。

 霧多布岬の観光を終えた我々は、霧多布の街のセイコーマートで飲物を仕入れる。これから先根室の花咲港に在る宿に行くまでコンビニは無く(花咲港にもセイコーマートは有るらしいがその前は通らない)ここで買う事にしたのだが、私宿近くの酒屋さんには大分詳しいなりました。

 これから私の大好きな浜中から初田牛までの道を走るのだが、天気は所々で霧雨が降っている状況で、路面も乾いたり湿ったりでどうもハッキリしない。

 しかし道東のこの地域は青空で走れる事が本当に珍しく、私の記憶の中で綺麗に晴れたのは1回だけ(10回以上は走っていると思うが・・・)だったと思います。

 その殆どが霧だったり小雨だったりですから、今回視界が良いだけでも良しとしなければなりませんね。

 浜中の信号を過ぎ道道142号に入った私は、その景色の中でまったりとした走りを楽しむ。ここの景色は北海道の中でも北に来た事を強く感じさせる独自の雰囲気で、それは自然環境の厳しい北の大地をならではのものなのだが、そんな中を上下左右に振れながら走るワインディングロードは、私に至福の時間を提供してくれるのである。

 晴れている時、曇っている時、そして霧で先が見えない時、それぞれに道は表情を持っていて、日頃の生活を忘れさせてくれると云うか癒されると云うか、私はいつも何も考えずその景色に浸りながらバイクを走らせるのだが、それが何とも気持ち良いのである。

 そんな走りを味わった私は、初田牛に出て通常モードに切り替え根室に急ぐ。この頃になると小雨が降り出し私は雨具を着る事も考えたのだが、根室花咲港の宿はもう目と鼻の先で雨具を着ている間に着いてしまいそうで、私はそのまま宿に急ぐ事にした。


 久しぶりの 一福

 六時前、我々は四年ぶりの花咲港 民宿 一福 に到着する。我々が荷物を降ろして中に入って行くと1匹のお犬様が我々を人懐っこく歓迎してくれた。

 最初に手伝いのオジサンが出て来て応対してくれたが、その後お母さんが出て来て、

 「良く来た。 良く来た。」 と言って歓迎してくれる。

 この二年ほど電話が繋がらず、お母さんの具合が悪いのではないかと心配していた私だったが、そんなご心配は御無用だったようで、お母さんは以前と同じく元気いっぱいでした。

 私が昨年も一昨年も電話を掛けたが繋がらなかった事を話すと、

 「お母さんは元気だから電話なんか繋がらなくても来ればいいんだぁ・・・。」

 と叱られてしまいました。

 久しぶりにお母さんの元気な声を聞けて本当に安心しました。



花咲の港の直ぐ近くに在る 一福 さん

何とか暗くなる前に到着出来ました。


 大失態

 我々は部屋に案内され夕食にするかお風呂にするか聞かれたのだが、夕食時間には煩いお母さんに遠慮して夕食にしますかと云うと、夕食の支度は出来ているが寒かったでしょうからお風呂が沸いているので入ってから夕食にしなさいと言われてしまう。

 それではと我々はお風呂を先に頂く事にしたのだが、そのお風呂で大事件が起きてしまうのである。

 その大事件とは・・・?

 今日の我々の走行距離は550kmと結構な距離を走っておりまして、部屋に落ち着いたところで私は少しゆっくりしたかった。バッグから昨日の飲み残しの焼酎を取り出しチビッと引っ掛けてからお風呂に向かった私だが、酔っ払うほど飲んではいなかった。

 私がこの宿のお風呂に入るのは4年ぶりだったが、お風呂の場所は分かっていたつもりだったのだが・・・!?

 浴室のと書かれた扉を見付け私は何の躊躇いも無くその扉を開けると・・・そこに人が立っていた。

 目と目が合って私が扉を閉めるまで 1秒 否 1.5秒 は絶対無かったと思う。

 「アァ・・・・・・ッ! 失礼!!

 開けた扉をよく見てみますと、女の文字が小さく書かれておりました。

  怒られた。 怒られた。 その様子を見ていたお母さんから 

 「よく見てから入りなさい。」 と こっ酷く叱られてしまいました。

 幸か不幸か? 中にいた人はお風呂から上がって服を着終わったところで実害?は無かったのですが、意図しなかったとは言え大失態でした。本当に申し訳御座いませんでした。

 私は改めて奥の男性用浴室の扉を開けたのだが、確かにその脱衣室には見覚えが有りましたね。

 歳を取ると思い込みが激しくなりまして、その時の私は浴室の事しか頭に無く女湯の事は全く頭に有りませんでした。この思い込みが色々と思わぬ事態を引き起こすのですが、後日私はまた今回と同じように女湯絡みの事件を引き起こす事になるのである。

 そのお話は北海道4日目のレポートになりますので暫くお待ち下さい。


 カニ カニ カニ 花咲ガニ


花咲ガニを食べるのは良いのだが、殻から身を取り出すのが大変で、慣れていないと棘が刺さって血だらけに・・・。
大きなホッケが見えているが、その皮を大好物にしているのが・・・・

 お風呂に入って温まりすっきりしたところで食堂へ行くと、いつものようにテーブルの真ん中で花咲ガニが我々を待っていた。花咲ガニに付いてはこれまで何回もレポートしておりますので詳細は省かせて頂きますが、タラバと同じくヤドカリ系の花咲ガニはイガイガが体全体を覆っており、気を付けないと殻から身を取り出す時指に刺さり血を見る事になりますので、捌く時には充分ご注意下さい。

 因みに今回の花咲ガニは冷凍では無かったように思います。9月に入ると漁期が終りだそうで、なかなか新鮮なカニが入らないとお母さんは云っていましたね。

 また根室のこの時期は秋刀魚の季節で、以前は秋刀魚の刺身や焼き物が出ていたのだが、今年は秋刀魚の値段が高くて買えないとお母さんは嘆いておりました。


 よその犬? コロ

 我々は食事から宴にシームレスに移行して行ったのだが、そこにはお母さんと一匹のお犬様が同席していて、そのお犬様はお母さんの傍から決して離れようとはしなかった。

 それは我々が宿に到着した時玄関で出迎えてくれたお犬様で、どこかで見たような気がするのだが・・・・?

 一福には以前お母さんの愛犬 さぶちゃん がいたのだが、我々が前回(2010年9月)訪れた年の2月に亡くなりお母さんは寂しいそうにしていた。しかし、その年の宴の時にガラス戸越しに中を覗き込むお犬様がいて、お母さんはよその犬がよく遊びに来るが中には入れないと言っていた。

 今お母さんの横に座りチョコレートを貰おうとしているそのお犬様(名前は コロ )は、お母さんの話からその時外にいたよその犬に間違いなかった。そのよその犬がどのようにして家の中に入り玄関でお客さんを出迎えるようになったのか、そのへんの経緯は不明だが コロ にも色々と歴史が有りそうである。

 お母さんによるとコロは以前と変わらずよその犬で飼い主の家は他に有ると言うのだが、寝るのは玄関奥のタオルが敷かれた指定席で、我々が寝る時にはその指定席で熟睡中であった。

 しかし、コロは朝になると食べ物を貰いに飼い主の家を含む近所の家々を回りに行くらしく、これをお母さんはコロの檀家回りと言っていた。

 こんな状況でもコロよその犬と云い張るお母さんの主張が正しいかどうかは置いとくとして、コロの胴回りはパンパンで食料事情が良好で有る事は推察出来た。コロ コロ 太っているからコロと云う名前なのかは聞かなかったが、とにかくチョコレートは勿論、我々が食べたホッケの皮が大好物で、テーブルの上を覗きながらホッケの皮が無くなるまでメンバーの横から離れようとしませんでしたね。

 コロは誰かが飼っている犬と云う事ではなく、その地域全体で飼われている犬と云うべきかもしれませんが、そんな犬の飼い方が出来るのも花咲港だからこそで、現代の都会では絶対に有りえないですね。

 因みに誰にでも優しいコロですが、何故かロシア人カラスの姿を見ると吠えるらしいです。きっと昔にロシア人との間に何か有った(ロシア人と日本人を見分けるところが凄い!)んでしょうね・・・?



お母さんはよその犬だと主張する 犬 コロ
今、まさにお母さんからチョコレートを頂こうとしている。

テーブルの4.5Lボトルは焼酎ではなく、中身はただの
一福で水はペットボトルで提供される。

 ロシア人と言えば、以前に書いたレポートの訂正をしなければなりません。以前に書いた一福のレポートの中で、若いロシア人の男性が登場しロシアの役人と紹介しているのですが、実際は役人でも何でもなくてただの下宿人であった事が判明しました。

 何故彼がロシアの役人となってしまったのか今となってはハッキリしないが、一福には以前ロシアの役人(カニの輸入業務等?)が泊った事が有るような話をお母さんから聞いた所に彼が現れ、話が混同してしまったのかもしれません。

 彼は下宿人にも関わらず洗い物を手伝うしっかり者(写真は2009年メンバーと共に洗い物をする彼)で、今でも地元根室で勤めているそうです。

 良く考えたらロシアの役人が宿の洗い物はしないでしょうね。

 夜も更け明日に備えて寝る事にしたのだが、天気情報では明日我々が向かう知床や摩周湖方面の降水確率はそんなに高くは無く雨具を着なくて済みそうなのだが、まだ寒気が抜け切っておらずハッキリしない天候になりそうではある。


           

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by Ryuta
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