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 June 2015  3rd.Touring
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岩手県 田野畑 北川食堂 ミニ生うに丼 1,650円
 予定を変更して北川食堂に直行

 GSを出た我々は、次の目的地北山崎を目指して国道455号を岩泉へ向けて走り出す。昨年は走り出して直ぐに雨が降り出し岩泉の街外れで雨具を着る事になったのだが、岩手県の沿岸地域は天候が独自(親潮の影響?)で内陸部と天候が違う事が多々有る。その境目が岩泉だったり平庭高原だったりすのだが、今日はそんな心配は全く無く、我々は岩泉の街中を抜けて龍泉洞が在る県道7号に左折する。

 我々は龍泉洞前を通過しその少し先からしもへいグリーンロードに入って田野畑に向かったのだが、今日の龍泉洞は人も車も疎らで以前の賑わいを感じられませんでしたね・・・。東日本大震災後、東北地区の観光客が激減し観光産業は大打撃を受けたと聞いたが、5年が経った今でもその影響は残っている感じでした。以前の賑わいが戻る事はもう無いのでしょうかねぇ・・・。

 しもへいグリーンロードに右折した私は少しペースを上げたのだが、トンネルを抜けると道路工事が行われていて道は砕石が敷かれた路面になっていた。この区間はしもへいグリーンロードが全通した後も以前の狭い道(センターラインの無い1.5車線路)が残っていた場所なのだが、改良工事が始まったようである。

 当初の予定では、そのまましもへいグりーんロードを終点の普代まで走り、北山崎に立ち寄った後に田野畑北川食堂で昼食の予定だった。それは北川食堂開店時間AM11:00となっていて、岩泉から直接北川食堂に向かうと開店時間の前に到着してしまう為だったのだが、今日は秋田市をいつもより1時間遅くスタートしたので北川食堂に直行しても問題は無さそうである。

 北川食堂の昼時は混み合う事が多く、私は11時半前には到着するように心掛けていますね。

 しもへいグりーんロードから田野畑に出るには二つのルートが有って、一つは田野畑の少し先の国道45号に出るルート、一つは田野畑の街の手前に在る 道の駅 たのはた の裏に出るルートで、田野畑の先に出るルートは走って楽しいワインディングロード(少し狭いが)なのだが、今回は時間を少しでも取り戻す為に距離が短い道の駅裏に出るルートを選択する事にしました。

 実はこの決断を道の駅裏への分岐点(工事中で砂利道だった)の中で行ったのだが、後ろの皆さんは砂利道で急に方向を変えた私にさぞかし驚かれた事でしょう。どちらの道でも大して時間は変わりませんのでどちらのルートでも良かったのですが、砂利道で急に方向転換したのは良くなかったですね・・・。

 決断をもっと早くしないとね・・・反省しています。

 私は道の駅の裏口から道の駅の中を通って国道45号に出るつもりでいたのだが、気が付いた時には道の駅の裏口を通り過ぎていた。最近の判断力の遅さには自分でもっ本当に呆れてしまうのだが、これも加齢が影響かぁ・・・?


 学習能力の無さ

 AM11:20 我々は田野畑の北川食堂前のパーキングにバイクを止める。店内に入ると結構テーブルは埋まっていて、お客さんが料理が運ばれて来るのを待っている状態だった。我々も小上がりのテーブルに席を取って注文しようとしたのだが、店員さんの姿が見えなかった。

 そうこうしている内に店内にヤングな男性客三人が入って来てテーブルに座る。そのタイミングで奥の厨房からオバチャンが出て来て、彼等のテーブルに行って注文を取っているではないか・・・プンプン!!

 我々より先に席に着いていたご夫婦もいらっしゃって、我々と共に慌ててオバチャンを呼び止めたのだが、オーダー順はヤングな男性客⇒我々⇒ご夫婦の順番になってしまった。我々がご夫婦より前の順番になったのを棚に揚げ、私は彼等が我々より先の順番になった事に腹を立てていた・・・。

 その怒りが収まりかけた頃、私はテーブルの上にファミレスのテーブルに置いて有るような呼び出しボタンを発見する。以前に来た時も今回と同じような事が有りまして、その時に呼び出しボタンの存在を知っていた筈なのですが、私すっかり忘れておりました。

 ヤングな男性客は呼び出しボタンを押してオパチャンを呼んだものと思われ、私が彼らに腹を立てたのは全くのお門違いでありました。

 もし皆さんが北川食堂を訪れる機会が御座いましたら、テーブルに着いたら先ず呼び出しボタンを押すようにして下さいね・・・。

 北川食堂さんにも私のように物忘れが激しい人向けに、注文する時はテーブルのボタンを押すように大きく書き出して(多分どこかに書いて有るとは思いますが・・・)くれればと思います・・・。


田野畑 北川食堂 国道45号線沿いに在ります。


生ウニもたっぷりの磯辺丼 1950円位?


 今回私はミニ生ウニ丼 1,650円をいただいたのだが、生ウニ丼(時価)は3,000円以上していた。以前は2,500〜2,600円位で食べられたような気がするが、3,000円以上(消費税のアップ分も有ると思うが)となると私はチョッと考えてしまいますね。

 それでも此処の生ウニ丼は、観光地の食堂と違って生ウニの量が多いですし、料理としてしっかり調理されておりますのでお勧めです。私のような年寄りはミニ生ウニ丼で充分満足出来るのですが、お若い方は生ウニ丼でお腹いっぱい三陸産生ムラサキウニを味わってみてはいかがでしょうか。

 他の3人は、五地層丼、磯辺丼、海鮮丼をいただいたのですが、コストパフォーマンス的には海鮮丼1,000円位、豪華に三陸の海の幸を味わうには磯辺丼2,000円位がお勧めですかね・・・。

 美味しい海の幸で満腹になった我々は、田野畑を発っていよいよ三陸海岸の景勝地北山崎へ向かって走り出す。


 今年の三陸海岸は視界良好

 田野畑の街から海沿いに在る北リアス線の田野畑駅に行くには、結構な崖をヘアーピンカーブの連続で一気に下るのだが、今回通ったらヘアーピンカーブのRが大きく改修されていた。以前から工事は行われいたのだが、それが完成したようである。

 この手の工事は復興予算を使って行われているものと思われるが、海岸線で行われていた堤防工事も完成している所が結構見られたから、大震災から丸四年が経ち復興工事等のハード面での復興は形になって見えて来たよう思う。

 しかし、龍泉洞やこれから行く北山崎等の観光地は以前の賑わいには程遠い現状にあるのも確かで、ハード面の復興に合わせてこれからはソフト面での復興に力を入れて行かなければならないように思いますね。

 設備が元に戻ってもそこに人がいないのでは復興の意味を成しませんから、これからが本当の正念場なのかもしれません。私のような通りすがりの部外者が云うのも何ですが、政府にはお金を出してハード面を作ったからそれでお終いと云う事ではなくで、被災者の為に親身になってソフト面での支援をお願したいと思います。

 昨年は路面が濡れていて通過するだけの北山崎への道だったが、今年は深いバンキングを楽しみながら楽しく走ってしまいました。昔は有料道路でお金を払ったこの道が無料になって久しいが、当時はお金を払って(500円?)も走る価値が有ると考えていたのでしょうけど、

 今500円払えと言われたらどうするかなぁ・・・?   微妙です・・・。

 北山崎のパーキングに到着すると7〜8台のバイクが止まっていて、ライダーが一斉に我々に視線を送って来る。駐車場に車は少なく、我々の後から5〜6台のモンキー軍団(岩泉で給油していたとこを追い越したモンキー軍団)も入って来て、パーキング内はバイクの台数の方が車より多い位でした。

 北山崎周辺には走って気持ちの良い道が多いですから、北山崎はライダーに人気のスポットなのかもしれません・・・。

 いつものように松乃家食堂で今日の1ソフト目をゲットした私だが、ソフトを作るオバチャンがいつもと違う人で形と量が微妙に違って少し残念でした。

 松乃家食堂のソフトはいつものオバチャンが イイナァー ・・・    美人だし・・・!?

 全員 シフトをナメナメしながら展望台に向かうと、目の前には太平洋の真っ青な海原と三陸海岸の荒々しい断崖絶壁の景色が広がっておりました。

 昨年は白い霧をバックした写真しか撮れずに帰った我々ですが、今年は背景にしっかり景色を入れた写真を撮る事が出来ました。昨年ZZR250は初めてこの地を訪れていたのですが、北山崎の景観は展望台に置かれた案内看板でしか観る事が出来ませんでした。

 今年は快晴の青空の下、実物の北山崎の景観にじっくりと見入っておりました・・・。


我々はいつもの場所にバイクを停めたのだが、北山崎の見学を終えたライダー達に眼を飛ばされてしまいました。


田野畑ソフト 280円
作ってくれたオバチャンがいつもの人と
違って形状が微妙に違っています。

※矢印を画像に当てると違いが分かります。

青い海原に見入る皆さん。
一番右の人を除いてこの景色を見るのは初めての人ばかり・・・?



これだけ綺麗に見えたのも久しぶり・・・。



矢印を画像に当てると昨年の様子が見られます。


 復興は進んでいますが・・・

 北山崎の景観を堪能した我々はこれから平庭高原を目指すのだが、昨年は国道45号を北上して野田から久慈を経由して国道281号の平庭高原に出ていた。その時は久慈琥珀博物館に隣接するレストラン ビストロくんのこ で昼食を取る為にそのルートにしたのだが、今年は走って楽しい違うルートで平庭高原に向かう事にする。

 北山崎のパーキングを出た我々は、黒崎前を通過して普代に向かう。黒崎を過ぎると道は一気に海岸線まで下るのだが、大震災以降続いていた法面工事(昨年は行われていた)がやっと完了したようで、片側相互通行が解除されていました。

 トンネルを抜け海岸線に出て二つ目のトンネルを抜けると小さな漁港が在るのだが、人影は見られなかった。以前(20年以上前?)ここには小さな食堂が有って私は昼食を食べた記憶が有るのだが、津波で殆どの建物が流され今は昔の面影は全く無い。

 大震災後新しい建物が再建されたが、食堂的なものはなく人影も見る事が少なくなった。港の後ろには高い堤防が設置されていているのだが、その堤防は今回の大津波に耐え後ろの集落を守った数少ない堤防の一つなのである。大震災以前、私はこの堤防の前を通る度にその高さに驚いていた(他で見る堤防の倍は有る感じの大きさ)のだが、その大きな堤防を作った首長さんは本当に偉い方だったんですね・・・。

 私は大震災の翌年この海岸線を走っているのだが、その時はまだ木々に津波が到達した地点の痕跡が残っていた。それは遠くから見るとハッキリとした線となって見えていたのだが、今は痕かたも無く何も無かったように元の自然な景色になっている。

 自然界と違い人間界はまだ元の姿に戻れるかどうかも分からない段階だが、自然界のように何事も受け止められるような懐の深い社会であって欲しいと思いますね・・・。


 ズボンの鳴き別れ・・・

 我々は普代の街を津波から守った大きな堤防を潜り、国道45号三陸北道路(自動車専用道で山の高い所を通っている)の普代ICから三陸北道路に入ったのだが、そこで私は最後尾を走っていたTZRがいない事に気が付いた。この手の道は駐停車禁止?と思われたが、私は下の道路が見渡せるアプローチ道路(結構高い位置)にバイクを止めて待つ事にした。

 黒崎からここまで普通に走って来ただけなので、私は後ろに全員揃っているものと思い三陸北道路に入ってしまったのだが、TZRにはある事情が有って我々から大きく遅れていたのである。そのへんの事情は後に説明いたします。

 私はTZRが昨年も同じルートを走っていた事を知っていたので、三陸北道路に上がって来ると思っていたのだが、暫くして現れたTZRは入口前の信号を直進、三陸北道路に入らずに走って行くではないか・・・!? 我々はその様子を上から見ていたのだが、叫んで聞こえる距離でも無くただ見ているだけしか出来なかった。

 TZRがそのまま走り去って行ってしまった場合、私は追い掛けて止めなければならないのだが、我々がいる場所は高速道路で云ったら本線に合流する前のアプローチ道路(一方通行)で逆走は出来ず、本線に上がっても逆走禁止だから自動車専用道路の終点まで行って戻って来るしか追い掛ける方法は無かった・・・。

 幸いにも信号から150m位走った所でTZRは何かに気付いたのだろうUターンして戻って来た。私は大きく手を振ってTZRにアピールしたのだが、我々の事を認識したかどうかは確認出来なかった。

 信号まで戻ったTZRはIC入口から三陸北道路に入ったのだが、その先には関門が待ち受けていた。我々がいるのは久慈方面に向かうアプローチ道路なのだが、IC入口を入ると道は右手に久慈方面、左手に宮古方面の二手に分かれる。

 TZRがどちらに行くか迷っている事は、遠くからでもその動きから見て取れた・・・・。ここでTZRが宮古方面への道を選択した場合、TZRは三陸北道路の終点(我々の反対側の終点)まで行くしかなく、我々とTZRはズボンの何かのように鳴き別れ状態になってしまうのだが・・・!

 ・・・とその時、TZRが視線を上げ斜面の上にいる我々の方に顔を向けたのが見えた。私は必死に手で向こう側(TZRの進行方向右手)に行くよう指示を送る・・・・。すると私の支持を理解したのかどうかは定かでないが、TZRは久慈方面へのアプローチ道路に入って行き我々は無事合流出来たのであります。

 TZRはこれまで単独で迷った事は殆ど無く、昨年の事を覚えていて三陸北道路に入って来ると私は読んでいたのだが甘かった。分岐点では基本通り後続が来るのを待って出発しなければならない事を改めて知る機会となりました。


 心のダメージ

 ここでTZRが大きく遅れた理由を説明しておこう。黒崎から海岸線に出る前に橋を渡って突入する緩い下りのトンネルが有る。トンネル抜けると右手に太平洋の海原が広がる景色の良いチョッとした直線に出るのだが、ここは津波の時に流された場所で今でも路面状態が悪く小さな段差が沢山有る道となっている。

 これからのお話はTZRから聞いた

 「ハンドルが大きく振れて転倒するのではないかと怖かった。」 と云う話から、私が推察したものである。

 この推察が当たっているかどうかの確認は本人にいたしておりませんので悪しからず。

 SS系のバイク(フロントフォークのキャスター角が立ってトレールが少ないバイク)は、旋回性を重視するセッティング特性の為に直進安定性を犠牲にしている面が有って、加速中(フロントフォークが伸びている状態)にフロントタイヤが段差に当たったりして地面と離れ再び着地した時、ハンドルが大きく振られる事が時々起る。

 普通はハンドルの振れは自然に収束するのだが、時には振れが増幅し転倒してしまう場合も有る。私もそんな転倒を何度か見ているが、最近の大型SS系では転倒を防ぐ為振れの増幅を抑えるステアリングダンパーを標準装着しているバイクが殆どだ。

 しかし、レーサーレプリカ時代に標準でステアリングダンバーを装着するバイクは無かった?と私は記憶するから、昔はハンドルが振れるのは普通?の事だったのかもしれません。

 私の想像ではあるが、緩い下りのトンネルを出て直線に向かったTZR250はスロットルを開けて加速、リヤサスを沈めてフロントフォークが伸びたその時、路面の段差(アスファルト路面に50cm角位の四角いコンクリート路面が並んでいたような気がする・・・?)に伸びたFフォークが当たりタイヤが弾かれ、着地と同時にハンドルが大きく振れ出した。

 TZRはいつもはステアリングダンパーの装着されたGSX−R750に乗っておりますので、ハンドルが大きく振れる体験は初めてだったに違いなく、大変驚いたと思いますよ・・・。私も何度か経験していますけど(転倒した事は無い)、本当に生きた心地がしないとはあの事だと思います・・・。

 TZRは何とか転倒を免れたものの心に受けたダメージは大きく、心が収まるまで暫しの時間が必要で我々から大きく遅れてしまったのだと思います。

 あのTZR250にステアリングダンパーを装着していた時期も有ったのですが、ハンドリング重視で取り外して売っちゃてましたね。

 私のこれまでの経験では、このハンドルが大きく振れる現象はスロットルを戻して段差を通過すれば起きません(多分)ので、加速中に段差を発見しても即座にスロットルを戻せば何事も無く通過出来ると思います。

 この段差でハンドルが振れる現象は、ステアリングダンパーが装着されていても起きますので(増幅して転倒する事は少ないが)加速中に段差(大小に関わらず)を発見したらスロットルを戻す事をお勧めします。

 GSX−R1000でも経験が有りますが、その時の一瞬の速さより命が大事ですから、私は段差を発見したら必ずスロットルを戻すようにしています。あの大きくハンドルが振れる恐怖を二度と経験したくないですからね・・・。

 我々は国道45号を久慈方向に少し走りしもへいグル―ンロードに左折して岩泉へ向かう。


 ツーリングの便利屋さん

 しもへいグリーンロード出羽グリーンロードと同じく広域農道として整備された道路で、道路の造り方や趣が出羽グリーンロードに似ている所が有る。しもへいグリーンロードは交通量も少なく(出羽グリーンロードより少ない)楽しく走れる環境に有るのだが、二番手を走るZZR1100のペースが上がらなかった。

 彼はこの道を走るのが初めてで放置プレイをする訳にもいかず私はミラーを見ながら走りを進めたのだが、実はこの時、ZZR1100はある問題を抱えていてペースが上がらなかったようなのだ。

 しもへいグリーンロードで改修工事が行われていた事は午前のレポートに書いたが、その時は工事区間が始まって直ぐしもへいグリーンロードから離れ田野畑に向かった為、どこまで工事が行われいるのか私は知らなかった。

 我々は北山崎からの帰り道、再びしもへいグリーンロードを走る事になったのだが、その改修工事が2kmを越える長い区間である事を知る事になる。改修工事は新しい道を開削した後、砕石を敷いて車を走らせ路盤が落ち着くのを待っている段階で、一面に砕石が敷かれた道が延々と続く状態は、我々にとって最悪(普通の林道の方がまだ良い)でしたね。

 SS系バイクに取って深い砕石が敷かれた道は天敵で、砕石にハンドルが取られバイクの進む方向が定まらず大変でした。しかし、SS系バイクでもシートから腰を浮かしたりしてバランスを取りながら走れば、走れない事は無いですから(低いスピードで一定速度で走るのがコツ)恐れる事はないです。

 来年またここを訪れる頃には改修工事も終わっていると思われ、最初から最後まで綺麗な舗装路面のしもへいグリーンロードを楽しめるでしょうから今から愉しみではあります。

 県道7号に戻った我々は右折して北上、安家に向かう。安家との間には一つ峠が在ってそこそこ楽しめるのだが、ここでもZZR1100のペースは上がらなかった。私は安家洞に左折する少し手前にバイクを止め後続を待ったのだが、少し遅れて来たZZ1100はギヤダウンがスムーズに出来ないと訴えて来る。

 チェンジのリンクがサイドスタンドのリターンスプリングに当たって動きが制限されているのが原因らしいのだが、私は何で今更当たっているのか不思議だった。

 彼のZZR1100にはバック(ハイ)ステップが装着されているのだが、それはノーマルステップではステップが地面に当たって削れてしまう為の対応だった。ハイステップに交換してもバンク時のシフトアップではブーツが路面に擦れてしまう(足も大きい)為、彼はシフトパターンを逆(俗に云うレーサーパターン)にして乗っていた。

 しかし、FUNKYで走るようになった彼はライディングフォームが変わり、ステップと地面との間に余裕が出来るようになっていた。そこで彼は、今朝店に早く到着した時にレーサーパターンを普通パターンに変える事を思い立つ。

 リンクレバーを逆さま入れ換え(チェンジシャフトから上向きに出ていたレバーを下向き変更)てシフトパターンを変えたのだが、下向きにしたリンクレバーがシフトダウン時にサイドスタンドのリターンスプリングに干渉するようになり、シフトダウンがスムーズに行えないらしい。

 リンクレバーとスプリングの干渉は、スプリングの取付を180°回転させてフックの方向を逆にすれば避けられそうなのだが、彼はスプリング脱着する方法が分からず困っていた。ZZR1100 C2 のサイドスタンドのスプリングは、二つのスプリングを重ねて取り付けるタイプで、結構張力が強く道具無しでは脱着は難しい。

 そこで登場するのがバイク屋さん。バイク屋さんと一緒にツーリングしていると本当に便利ですよぉ・・・。そのへんの引出しをバイク屋さんは沢山持っておりますので、バイク屋さんは早速スプリングの取り外しに取り掛かる。

 スプリングの脱着を行うT字型のスプリングフックなる専用工具も有るのですが、さすがに今回それは持参しておりませんで、先ずスプリングの取り外す為サイドスタンドを車体から取り外します。取付ボルト裏側のロックナットを外してから取付ボルト左に回し、ボルトを抜くとスタンドは車体から外れてスプリングも外れます。

 今度はスプリングを180°捻ってサイドスタンドに取り付けるのだが、専用工具無しでスプリング取り付けるにはチョッとしたテクニックを使います。サイドスタンドを車体に取り付けた後スプリングを取り付けるのですが、手の力だけでは無理ですから、+プラスドライバーとテコの力を利用してスプリングを取り付けます。

 +ドライバーの軸にスプリングの端を通し、ドライバー先端の+部分の溝をサイドスタンドのフックに引掛け、テコの原理を利用してスプリングを伸ばしながら一気にスプリングをフックに滑り込ませます。写真が有れば分かり易いと思ますが、文章だけでも分かると思いますので今回は省略させていただきます。

 火花と共に180°捻ったスプリングはサイドスタンドに取り付き修理は完了したのですが、今回スプリングがサイドスタンド外側への取り付っただので作業はやり易くかった。最近のバイクはサイドスタンドの裏側にスプリングが取り付いているものが多く、その場合は裏側のスペースが無くて取り付けに苦労する。

 今回はスプリングが外側で助かりました。もっもスプリングが裏側だったらリンクがスプリングに当たる事も無くて、スプリングを入れ換える必要も無かったのですげどねぇ・・・。

 シフトダウンがスムーズに行えるようになったZZR1100は、ペースが見違えるように上がったのだが、そのペースアップがその後ZZR1100が見舞われるトラブルの布石となってしまったのかも・・・・!?

 修理を終えた私は作業で汚れた手を洗う為辺りに水の流を探す。少し先に行けは安家川が流れている事は分かっていたがそこまで行くのが面倒で近くで探したが無かった。近くに水が無い場合、私は持ち歩いている飲料用のお茶(500mlのペットボトル)を使って手を洗うのだが、私の前にはミネラルウオーターのペットボトルを持ったTZRが立っていた。

 TZRと一緒に走るようになって今年で7年目になる。これまで色々な場面を共に経験して来た我々だが、TZRは私の考えをお見通しでこの場面でペットボトルの水が必要な事を分かっていて、私がお茶を取り出す前にミネラルウォーターのペットボトルを差し出したのである。恐れ入ってしまった私は、丁重にミネラルウォーターで手を洗わせていただきました。

 修理を終えた我々は再び県道7号を北上、山根町で県道29号に左折し快適なワィンディングロードを楽しみながら山形町霜畑を経由して国道281号に出る。そして我々は 道の駅 白樺の村やまがた にバイクを停めたのでした。


 


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by Ryuta
 June 2015
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