FUNKY Librery TOP 第1日目 第2日目 第3日目 第4日目 第5日目 最終日 Home
■2006年9月19日(火) 第5日目

紅葉は例年より遅いようだ・


肩を寄せ合うバイク達。寒そう1


彩が薄い玄関の硝子。


お犬様は足を拭いて中に上がる。


台風は北海道直撃必至。


最近ここを出発する時、合羽を着ている事が多い気がする。


幌加温泉 硫黄泉透明な温泉なのだが湯気で濁っている様に見える。


毎年淵が高くなっている?


こちら打たせ湯の湯船。結構熱い。


趣の有る二階への階段。


朝食を頂く。
▼最終日は雨で開ける
昨日就寝する時、明日は雨という頭が私に有った為か、目覚めたのは五時半ではなく六時を大きく回っていた。早速私はいつもの様に温泉に行き、誰もいない浴場でゆっくりと湯船につかり至福の時間を過ごす。
 
温泉から上がって暖まった体で外に出てみると雨は止む事無く降っていて風も少し吹いている。しかし、台風の直接の影響はまだ無いように思える。山々の紅葉はまだ始まったばかりで例年より遅れている模様で、この辺の紅葉が見頃になるにはもう1週間から10日位先の様でようである。
 
親父さんがお犬様をトイレの為に連れ出して来て、少しお話する事が出来た。幌加温泉は昨日まで登山客で三日連続満室状態であったそうで、大変忙しかったらしい。昨晩の宿泊客は我々だけだったから親父さんもおばさんも少しゆっくりしたところだったようだ。
 
幌加温泉の奥にはニペソツ山(2,013m)という山が在って、その山が大変人気があるそうで本州からもツアー登山客等が押し寄せているらしいのだ。それで登山口に一番近い宿泊施設である幌加温泉を利用する人が以前に増して増えているそうで、おかげで季節になれと大変忙しいらしい。
 
親父さんも山菜を取ったりする時山に入っているそうでこの辺の山には詳しいらしかった。私もバイクではなく幌加温泉に泊まって山を登りに来たいとは思うが、山を登りに北海道に来るという選択肢は今のところ・・・無いな。

お犬様は用を済ました後、私にお愛想を使い親父さんに足を拭いてもらって帳場の定位置に戻って行った。相変わらずマイペースのお犬様である。
 
部屋に戻ると皆さん起きていて、今日の予定を相談する。天気情報では台風13号は現在秋田西方の日本海に有りまだ北海道への直接の影響はなさそうだが、台風を取り巻く雨雲が北海道に掛かり始めていて雨が降っているようなのである。

この時の私は台風情報だけに目がいってしまい北海道内の天気をよくチェックしなかった為知らなかったが、実は今日雨が降らない予報が出ている地域が有ったようだった。しかし、その時の私は、その情報を知らぬまま予定を考えていたのであった。
 
FUNKYでは幌加温泉に泊まった翌朝が雨だった場合、帯広の六花亭に行くのが半ばお約束になっているのだが、二年前に雨が降った時六花亭に立ち寄った後、豚丼で有名なぱんちょうで昼食を食べようと店に行った事があった。

ところがお店がお休みでその時悔しい思いをしていた私は、豚丼を食べに帯広に行く事を提案したのだが、定休日が火曜日だった事を思い出し今年もぱんちょうの豚丼を諦める事となった。
 
最初の予定ではここから糠平に行き幌加峠を越え然別湖出た後、狩勝峠を通って富良野に行く事になっていたのだが、雨では曲がりくねった幌加峠を走っても楽しくはないから然別湖はパス、まずは士幌から鹿追に出て狩勝峠まで行く事にして、その後は状況をみて決める事にした。
 
幌加温泉の正しい日本の朝食を食べ終えた我々は、出発の準備に取り掛かる。いつもの様にバイクのチェーンにオイルを吹いて荷物を積んだ後、見送りに出て来た親父さんと写真を撮った我々は、九時過ぎ親父さんに見送られ幌加温泉を出発し士幌に向かう。


▼雨の狩勝峠

士幌から鹿追付近まで来ると雨も小降りになって来て、雨が上がるのではないかと希望を持たせたが路面が完全に乾く事はなかった。狩勝峠まで来るとまた雨が落ちて来て我々はスロットルをゆっくり絞る様に開けながら峠を登って行く。

大きな左コーナーに差し掛かった時、路面が突如縦溝の荒れた路面に変わった。アスファルトを舗装し直す為路面を機械で削った後の様で、私は突然に路面変化に驚いてしまった。
今日は雨でゆっくりとしたペースで走っていたから驚くだけで何も起こらなかったが、もしこれがドライ路面でフルバンク状態で進入していたとしたら驚くだけでは済まなかったかもしれない。

今回は雨で本当にラッキーであったのだが、走っているとこんな事もある訳で、見えないコーナーには充分に注意を払って進入する事の大切さを痛感した次第です。

▼GSも禁煙!?
狩勝峠付近は風雨が強く台風の影響かと思ったのだが、国道38号幾寅付近まで来ると路面が大分乾いてくる。幌加温泉を出て約2時間我々は雨の中を走り通しで、幾寅のホクレンGSに入り給油と休憩を取る事にした。
 
給油を終え事務所に行って休憩しようとしたら、事務所内禁煙の張り紙が貼ってあった。どうもホクレン全体に禁煙のお達しが出ている様で、それがGSにも適用になっているようだった。

GSの事務所まで禁煙とは、禁煙もここまで来たかと半分呆れ顔で喫煙者二人は外に出てGS隣の空き地に行ってタバコを吸っている。雨は上がっていたからまだ良かったが、外で寒そうにタバコを吸っている二人の姿を事務所の中から見ていた私は、お客様は決して神様では無い時代が来た事を知る。
 
外でタバコを吸っている二人の姿を見たGSのスタッフが、奥から灰皿を出してきて二人を呼びに行って中でタバコを吸う様に言ってくれる。店内禁煙はホクレンからの通達ではあるのだが、現場では無理があり臨機応変に対応しているようだ。

旅人宿 ばっかす でも書いたが、何でもかんでも喫煙者を外に追い出す禁煙では無く喫煙者に良好な喫煙環境を整える事が必要で、雨や雪が降っている外で喫煙させる事は少なくても商売人がする事ではないと私は思う。ホクレンも分煙の体勢を整えてから通達を出すべきで、そうでなければ対応する現場の人間が苦悩するだけだろう。


▼今後の予定
この時点でも私はこれから先の予定で悩んでいた。狩勝峠を越えた時点で落合〜トマム〜占冠間のSSを走って日高に抜け、フェリー乗り場の在る苫小牧東港に向かう選択肢が有ったのだが、この状況だとSSの路面は濡れていると思われ私はまずはここ幾寅まで来る事を決めたのだった。

これから先の選択肢としては、このまま国道38号を走り下金山から金山、占冠と走るルートが有るのだが、このルートは走って楽しい所は少なく出来れば使いたくはなかった。しかし、富良野方面が雨だったら私はこのルートを使わざるを得ないとも考えていた。
 
皆さんと話をしていて私は今日旭川・富良野方面が晴れるとの情報を聞かされる。確かに富良野方面の空は明るいように見えるし、ここ幾寅も雨は上がってきているから富良野に行ってみる価値は充分有りそうな気になってきた。

富良野に着けばちょうど昼時だし、北時計にでも行って昼食を食べながらその先を考えても良いのではないかと考えた私は、富良野の北時計に向かう事にした。国道38号を山部まで走って国道38号と平行して走る道に入る為左折すると、そこでは道路工事が行なわれていて泥道になっていた。

前輪で跳ね上げた泥がラジエターのコアに詰まってラジエターは完全に泥パック状態になってしまい、これは掃除が大変そうだ。ラジエターの泥を落すのには洗車機を使うと簡単なのだが、ノズルを近づけ過ぎると水圧でアルミのコアがつぶれる事があり、注意が必要で結l構気を使う掃除なのだ。
 
山部から富良野方面の空を見ると青空が広がっていて晴れているのが分かった。

 「これは若しかしたら、若しかするかも?」 

我々は乾き始めた道を北時計に急いだ。すると次第に風が強くなってきて北時計の駐車場にバイクを止めた時、木々の枝は大きく風に揺れており上空に青空は見えているものの雲の流は早く明らかに台風の影響を受けた天候になっていた。


木々の枝は強風で揺れている。



視線の先には・・・。


半地下に有るカウンター。


左にいる人がオーナーさん。

北の国から」 の中で吉岡秀隆と宮沢リエが座った窓際の席。


タラコスパゲティー 700円


チーズケーキ 350円


メニュー  拡 大


「北の国から」で最初に住んだ廃屋のミニチェア
  拡 大

▼北時計でランチ
 合羽脱いだ我々は、北時計の中に入り大きな丸テーブルに席を取る。本当は 「北の国から」 の中で吉岡秀隆と宮沢リエが座った窓際の席が良かったのだが、男が四人座ってもむさ苦しいだけだから、後から来るであろうカップルの為に空けておいた。

私とU氏はタラコスパゲッティー、M・A氏はグリーンカレーをオーダーする。北時計のメニューはどれも美味しいのだが、グリーンカレーは少しく好き嫌いがあるかもしれない。私はデザートにチーズケーキをオーダーする。ここオリジナルのチーズケーキは私の大好物で、お勧めの逸品である。



▼決めた

これからの予定を考える事にする。ここ富良野からフェリーの出る苫小牧東港に行くルートとしては二つのルートが考えられる。一つは先ほど来た道を引き返し金山から日高に出るルート、もう一つは山を越えて国道452号に出て桂沢〜夕張間のSSを走って紅葉山に出るルートである。

路面がウエットであればどちらもただのリエゾン区間になってしまうから、距離が短い金山ルートの方が楽なのだが、もし路面がドライであった場合楽しむ所が少ないのが欠点だ。
 
携帯で雨雲の動きを見るとこれから向かう桂沢ダムから夕張方面は雨は降っていない模様だが、路面がドライかどうかまでは行って見なければ分からない。

私は今日一日移動だけで終ってしまうのが心残りで、桂沢ダムSSがドライ路面である事に賭ける事にして、桂沢・夕張経由でフェリー乗り場に向かう事を決断する。
 
食事を終え外に出てみると、到着した時よりも風が強くなっていて雲の流も早くなっているように感じる。雨は降っていなかったが、万が一の事を考え雨具を着て出発する事にする。

もし桂沢ダムがドライ路面だったらダム手前のパーキング(先日バイクがタムロしていた所)で雨具を脱ぎ、体勢を整え桂沢ダムSSに向かう事を打ち合わせた我々は、富良野北時計を後にする。国道38号からトンネルを抜け国道452号に出る。
 
富良野からここまで路面はドライ、トンネルのこちら側は風も無く日も差して台風の影響は無いようだ。国道452号を南下、桂沢ダム手前のパーキングにバイクを止め合羽を脱ぎ、今回の北海道最後のSSに備える。そして桂沢ダムSSの幕は切って落された。


▼北海道最後のSSを堪能

フォーメーションは A’ 赤レンジャーが先頭を走る。トンネルまでの前半部分の内、始めはスピードが乗る区間が続くとその後低中速のコーナーが連続する登りに変わる。そこで二番手は先頭に遅れないよう食らい着こうとしたのだが、次第に先頭との間が開いていった。
 
後続が中間地点のトンネルに入った時、後ろの確認の為スピードを落としていた先頭はトンネルを出る所だった。その後ろ姿を見た二番手は、間隔を詰めようとスロットルを開ける。一方、後続がトンネルに入った事を確認した先頭にスイッチが入る。

今まで後ろを気にしながら走っていた先頭は、この北海道最後のステージで全神経を前方に集中して走り始めた。レブインジケーターランプが点滅を繰り返すとR1は見違えるように軽い動きに変身、次々とコーナーをクリアーして行く。
 
その後を追った二番手であったが、先頭の後ろ姿を二度と捕らえる事は出来なかったと言う。この時の先頭は無心で走りに集中していた模様で、至福の時間を楽しんでいたようなのである。

道路工事が行なわれている手前でスピードを落とした先頭は、アドレナリンが出まくった体で後続が来るのを待つ。間も無く次々と後続が到着、一緒になった我々は夕張のいつものセイコーマートに向かった。




満足の一服!
▼セイコーマートでの悲喜交々

何かスッキリしない様子で元気が無い銀レンジャー。その姿は七年前の赤レンジャーを見ているようだった。
三日ぶりに我々は夕張のセイコーマートにバイクを停める。バイクを降りた赤レンジャーと銀レンジャーは対照的な表情を見せていた。赤レンジャーに取って桂沢ダムSSは特別な思い入れが有るSSで、このSSで快心の走りが出来た事で彼は満足しきった表情で美味しそうにタバコを吸っている。
 
一方、銀レンジャーは赤レンジャーに大きく遅れを取ってしまった事に落胆していた。彼はこの北海道で赤レンジャーに少しは追い着く事が出来たと考えていただけに、この最終SSで後ろ姿を見失った事にショックを受けたようだった。

しかし銀レンジャーよ、気を落す事はない。銀レンジャーの走りが確実にレベルアップしている事は私が一番良く知っている。赤レンジャーがトンネル前のワインディングロードで隼を引き離し、そのアドバンテージを利して後半の高速ステージで逃げ切ってしまったのは、銀レンジャーだけでなく赤レンジャーもまた北海道でレベルアップしていたからなのだ。

皆さんそれぞれが走りのレベルアップに努力している様に、目標となっている赤レンジャーもまた走りを進化させようと日々考えている訳で、同レベルに達するには時間(経験)が必要と言う事でしょう。

単に速く走るという事ではなく、安全を確認しながら速く走るという事がいかに難しいかを知って欲しいと思う。彼がFUNKYで走った時間は来年で20年になる。その時間に追い着くには一朝一夕にはいかず、それなりの時間が必要となるのである。







夕張紅葉山のお土産屋さんでお買い物。


タオルを持って温泉へ。













外はすでに暗くなっていた。
▼いつもお勤めご苦労様です
休憩を終えセイコーマートを出た我々は、国道274号の紅葉山交差点を左折し日高方面に向かう。この先ではいつもお役人がスピードを出すネズミを捕らえようと網を張って待っているのだが、今年も昨年同様待っていた。

私は法定速度付近のスピードでその前を通過したのだが、私以降の皆さんは法定速度の半分?と思えるスピードでお役人の前を通過する。そこまでしなくてもとも私は思うのだが、皆さんそれぞれ事情がお有りになるのでしょう。それにしてもここでお役人が張っている確立は、限りなく100%に近いのではないだろうか。少なくても最近私が通った三回共、いらっしゃいましたから。
 
夕張のお土産屋さんに入りお土産を物色、私は夕張メロンのゼリーや利尻昆布等を購入する。お土産を詰め込んで大きく膨れ上がったテールバックで、我々は夕張を離れ穂別を経由し鵡川の 四季の館に向かった。



湯上り熱った体せ休憩。ここの温泉は食塩泉で湯冷めしずらいのがとく特徴となっている。


これが2ヶ月待ったミートソース大盛り


食後のデザートはソフトクリーム!?
▼四季の館でリベンジ
鵡川に到着したのは四時少し前で、予定を短縮した為大分早かった。FUNKYはここで温泉に入り夕食を取ってからフェリー乗り場に向かうのがルーティーンとなっていて、まずは温泉に入り北海道の埃を落す。

温泉にゆっくり浸かっていると北海道での出来事が色々思い出されてくる。私はこの時間が何とも心地良いのだが、これで今年の北海道が終了となると寂しい気持ちにもなってしまうから、いつも何とも複雑な気持ちで温泉に入っているのである。

温泉を出た我々は、休憩所に行き夕食を注文する。今年の七月のプチ北海道でも我々はここで夕食を注文していた。しかし、その時は注文した物が無かったり注文を断られたりして不満の残る食事となっていた。
 
七月来た時オーダー締め切り時間を4分オーバーしたとして注文を断られたA氏は、今回は五時前にしっかりオーダーを終え、希望のメニューを食べる事が出来たし、前回鮭が無いと言って断られた鮭づけ丼は、秋になって鮭が捕れてたようで注文する事が出来て、私もU氏の食べる事が出来たのであった。
 
6時15分、時間になって我々はここから15分ほど先に在る苫小牧東港に向かう。七月と違って太陽は沈み辺りはすっかり暗くなっていた。苫小牧東港に近づくと我々が乗るフェリーの灯りが見えてくる。このフェリーに乗れるかどうかで数日前から気を揉んだ我々だったが、フェリーの姿を見つけホッとした瞬間だった。





フェリーも我々も無事に苫小牧東港に到着する。
▼「歳はいくつですか?」 事件
フェリー乗り場に到着した我々は、バイクの列の後ろにバイクを停める。私はターミナルビルの売店に行き北海道土産を買い足す。ここの売店には結構気の利いたお土産を売っていて、私はよく利用しているのだ。

バイクの所に戻って皆さんとお話していると、前に止まっていた長岡ナンバーのワルキューレに載せてあったヘルメットが強風で飛ばされ転げ落ちた。ワルキューレライダーの姿は見えず、私がヘルメットを拾おうとしたら皆さんに止められてしまった。ヘルメットを拾った事で変な誤解をされるのを恐れての事だったのだが、邪魔にもならなかったからそのままにしておいた。
 
暫らくしてワルキューレライダーが戻ってきたのだが、彼が戻ってきて最初に取った行動は・・・

「歳はいくつですか?」

それはいきなりの質問だった。彼は私に向かって突然歳を聞いてきたのだ。

「ハァ−ッ!?」  何の前振りもなく初対面の男性(私と同年代?)から突然歳を聞かれた私は戸惑ってしまった。
 
とっさに  「57歳ですけど・・・。」  と、答えてしまった私だったが、よく考えてみたらまだ56歳だった。
 
私の返答を聞いた彼は 「ふぅーん」 てな感じで何も言わずにワルキューレの所に戻り、落ちていたヘルメットを見つけ拾い上げていた。

「それだけかい!?」 とツッコミたいところだったが、怖いから止めた。
 
今のは何だったのだろうか。彼が何のために私の歳を聞いたのか謎で、私には狐に摘まれた感じと釈然としないものが残っていた。
 
想像するに私の年格好でGSX−R1000(それもに黄/黒カラー)に乗っているのを珍しく思い歳を聞いてみたくなったのではないかと想像するが、本当のところは判らない。それにしても人に歳を尋ねるならそれなりの手順を踏むのが普通だと思うが、いきなりと言うのはどうなんでしょう。
 
初対面で人に物を尋ねる時、普通は挨拶を交わし尋ねる理由を説明してから聞くのが礼儀だと私は思うが、いきなり人に歳を聞く行為は今の若いもんでもしないのではなかろうか。私が年取った男性だったから聞いてきたのかもしれないが、女性だったらいきなりビンタされても文句は言えないだろう。
 
突然歳を聞かれても「無視」するとか 「言いたくない。」 と答えればそれはそれで済む話なのだろうが、それでは大人げ無いし最近はそんなやり取りから何が起こっても不思議ではない世の中だから、私は正直?に答えてしまっていた。何とも現代らしい? 「歳はいくつですか?」 事件 だった。


無事乗船を祝って乾杯!


ホステスさんは・・・。


リラックスし過ぎ?

▼台風の影響が思わぬところに・・・

台風の影響なのだろうか、いつもより遅れて乗船となる。FUNKYでは、この埠頭でこれまで幾つかのドラマが生まれていたが、今回もまた一つのドラマが生まれる事になった。
 
私が最初に乗船タラップを登って行くと乗船した所で係員から停止を命ぜられる。その時私はいつもとは違う何かを感じていた。 「何かが違う?何だ?」 その何かが分からぬまま係員から左側の壁際に行くよう指示された私は、その指示に従いバイクを止めサイドスタンドを出した。
 
「アレッ!?」 バイクがいつもより大きく傾いて止まった。 「何故だ?」  バイクから降りた私はその理由を探す・・・。  「判ったッ。」  私は甲板に立ってみてその理由を知る。船が傾いていて甲板が入口側に坂になっていたのだ。

今日は台風の影響で風が強く(ヘルメットが飛ばされる程の風)、強風でフェリーが動揺しないよういつもよりフェリーを岸壁に強く引っ張ってい為、船が岸壁側に傾いているようだった。立っている所が傾いているのは結構違和感が有るもので、何が落着かない感じがする。そしてこの船の傾きが、ドラマを生む事になるのである。
 
私の次に乗船した赤レンジャーは、私同様係員から停止を命じられる。そして私の止めた位置より左側に止めるよう指示を受けたのだが、その指示が曖昧で分かり難く彼はその手前に止まり左脚を着いた・・・筈だった。

しかし、船が左側に傾いていた為甲板がいつもより数センチ遠くにあって、いつものより少しバイクが傾いた状態で脚が甲板に着いてしまった。この傾いた状態のR1を赤レンジャーの足は支える事が出来ずにR1は傾いていく。

横倒し寸前でその傾を止めた赤レンジャーだったが、その状態のR1を引き起こす力は彼には無く、その位置を維持するのが精一杯でそのままフリーズしてしまったのである。
 
その一部始終を見ていた私は、直ぐに駆け寄りR1を起こそうとしたのだが、私同様その状況を見て慌てて駆け寄ったフェリーの係員の方が私より早く駆けつけ、R1はその係員の手を借りて引き起こされたのであった。

幸いにもR1へのダメージは皆無で事無きを得たのだが、台風の影響が思わぬところに出てしまった事件であった。風が強くなければ船が傾くほど岸壁に縛り付ける事はなかった筈だから、台風が引き起こした事件と言っても過言ではあるまい。

もし赤レンジャーの脚がもう数センチ長ければ、台風も悪者にされる事は無かったのだが・・・。



▼船の揺れも楽しい思い出に
全員無事?乗船した我々は、客室に向かう。今日の秋田行き二等客室は、ロビーの奥右側だったのだが、我々が中年女性が一人しかいなかった客室に場所を確保すると、その女性は我々を見て荷物をまとめて出ていってしまった。

その時彼女が我々にどんな印象を持ったのかは分からないが、結果として我々が彼女を追い出した格好になった訳で彼女には悪い事をしてしまった。
我々はそんなに恐い?グループに見えるのだろうか。 もしそうだとしたらその事を自覚して行動しなければとも思うのだが、こればっかりは相手の有る事だから気を付けると言ってもね・・・。
 
着替えた我々は、売店に行って飲み物を仕入れロビーで乾杯する。ここまで来れば明日の朝、崎の港に着く事はよほどの事が無い限り保証された訳で、台風13号の進路に一喜一憂しながらも無事に北海道を走り切りった我々は、多くの思いでを携えて秋田に帰れる事になったのである。
 
話が弾んで盛り上がっていると、フェリーの優しい乗務員の方から上の階のカフェラウンジを開放しているという情報を得て場所を移動、そして話は続いた。
 
カフェラウンジはディナーショーを行なえる程の立派な所で、我々はソファーに座ってお酒を酌み交わしたのだが、「この雰囲気だと隣に女性が居ないと・・・」 等と言い出すメンバーも出る程の良い雰囲気の中、我々は今回の北海道を振り返って楽しい会話が弾む。
 
出港から数時間経つと船が陸から離れたのか揺れが大きくなってきた。フェリーは台風に近づく方向に進んでいる訳で、これから先揺れは更に大きくなると思われる。そんな中、A氏が何処かに行って戻って来た。彼は船の揺れに合せ右・左・右と通路をジグザグに歩いて来る。それが船の揺れに寄るものなのか、それとも酔いが回ったせいなのかは判断しかねたが、船のローリングが相当なものになってきた事だけは確かだ。
 
このカフェラウンジは11時までは使えると乗務員の方は言っていたのだが、11時を過ぎても電灯は消される事なく点いていた。11時を少し回ったところで我々の宴も御開きとし、電灯の消された客室に戻り寝る事にする。

揺れる船で寝るのは久しぶりの私だったが、ローリングとピッチングの合成されたベクトルを体で感じながら私は眠りに就く。船の揺れはロッキングチェアーに座ってリラックスする様に眠りに就くのを助け、私は知らぬ間に眠りに就いていた。
最終日
FUNKY Librery FUNKY Library Home