2011 FUNKY プチ北海道 初日 2日目 3日目 4日目 5日目 最終日

















雨の北海道



2日目コース 
 私が目覚めたのは函館到着の20分位前で、皆さん忙しそうに下船の支度で動き回っていた。急いで歯を磨いてトイレに行って下船の支度をした私だったが、K9は殆ど寝られなかったようで既に準備万端整っていた。

 天気が気になった私が窓の外を見ると、船は既に函館港内に入っていて空はどんよりとした雨雲が垂れ込め、雨粒は見えなかったが雨が降っているようだった。

 この様子では雨具を着て下船した方が良さそうで、今回の北海道は雨具を着てのスタートとなった。

 雨具をしっかり着込んだ我々は函館港の岸壁に降り立ったのだが、函館は結構な雨が降っていた。我々はそのまま港を出発、国道5号を北上して先ずは八雲を目指して走り出す。

 国道5号はフェリーから吐き出されたトラックや乗用車やバイクの列が出来ていて、皆さん北を目指して走っている。雨は強弱を繰り返しながら絶え間なく降っており、止む気配は無かった。

 時折対向車のスプラッシュを全身に浴びながら、我々は八雲まで走り国道277号に左折、いつものローソン前にバイクを止め、朝食を兼ねた休憩をとる事にする。

 我々がバイクを止めた後に熊石方面から1台セローが走って来て、我々のバイクの横に止まった。青森ナンバーのセローライダーは40歳代と思われる男性で、我々同様ここで朝食を取るようである。私は日本海側から来たと思われるセローライダーに、山の向こうの天気を聞く為声を掛ける。

 彼は今朝函館に上陸し日本海側を走って北上して来たらしいが、雨が激しく内浦湾側に逃げて来たのだと言う。しかしこちら側も雨が降っていてガッカリしていたのだが、私も日本海側が降っている事を知りガッカリでした。

 今までの私の経験から内浦湾側が雨でも日本海側に抜けると雨が上がるケースが多かった事から、私は日本海側の晴天に期待していたのだが、今日それは無さそうである。しかし、熊石から峠を越えて北檜山に抜けると晴れていた時も有ったので、私はまだ希望は捨ててはいなかったのだが・・・。



雨 雨 雨 又 雨



瀬棚海水浴場パーキング

 おにぎりで朝食を取った我々は八雲から道道42号を使って瀬棚に向かったのだが、峠を越えて北檜山に入っても雨は止まなかった。我々は国道229号を瀬棚まで走り、いつものパーキングにバイクを止める。

 雨が降っている状況でバッグからカメラを出すのは面倒で、函館からここまで1枚の写真も撮っていなかった私だが、ここでも2枚の写真を撮っただけでカメラはバッグの中へ・・・。

 この後も写真が少ないのはお容赦願うとして、我々は雨が降り頻る国道229号の岩壁とトンネルが連続する海岸線を走って行く。ワインディングが連続するこの道で、私が調子に乗って少しだけスロットルを大きく開けて走ろうとしたその瞬間、リヤタイヤが滑った!

 幸いにもスリップしたリヤタイヤは直ぐにグリップを取り戻し事無きを得たのだが、それ以降私は慎重なスロットルワークに徹するのでした。八幡平の山中で路面を滑走した時もそうでしたが、人間調子に乗るとろくな事にはなりませんよ。

 島牧を過ぎ弁慶岬の手前から道道523号に入った我々は、黒松内を目指す。この峠越えの道は変化に富んだワィンディングロードで私の大好きな道なのだが、当然今日の道路はフルウエットで峠付近では霧に包まれ、ただ通過するだけの走りになってしまった。

 しかし、雨の中でも楽しい道である事には変わらないわけで、私はドライ路面をイメージしながら走っておりました。次回はドライ路面で思う存分走りたいとの思いを胸に、私は道道523号を後にし黒松内から熱郛の道の駅 くろまつない に向かう。


雨の 道の駅 くろまつない



店内はお客さんでいっぱいでした。

 熱郛(ねっぷ)の 道の駅 に立ち寄るのは二年前の2009年以来だったが、その時も雨が降っていたからこの道の駅に雨は付き物なのかもしれません。

 我々は軒先で雨具を脱いで休憩したのだが、既にグローブはビジョビジョだしヘルメットの内装も濡れてきている状態でしたね。



美味しいパン屋さん トワ・ヴェール・ドゥー


 ここには前回食べた美味しいパン屋さんが有るのだが、今回は時間が中途半端で、コーヒーだけで休憩いたしました。

 問題はこれからの予定で、ここから蘭越に出てニセコの新見温泉経由でパノラマラインを走る事にしていた私だが、この雨では路面は濡れているだろうし、何より山の上はガスで何も見えない事が予想される。

 この際ニセコの山はパスして余市に直行、昼食を取った後積丹半島当丸峠経由で雨の上がった?ニセコパノラマラインを走る事を私は考えた。これは午後から雨が上がる事を期待してのコース設定なのだが、どうなるかはその時になるってみないと分かりません。

 我々は雨が降り続く熱郛を出発、国道5号線を蘭越、昆布、ニセコ、倶知安と走って余市を目指す。これまでの経験から国道5号の倶知安側で雨が降っている時でも稲穂トンネルを抜け仁木町に入ると雨が上がる事が多く、私は今年もそれを期待して稲穂トンネルに入って行く。

 そして稲穂トンネルを抜けると、空は明るく雨も小ぶりになっていた。仁木のサクランボを売る店が立ち並ぶ所まで来ると雨は殆ど上がり、望んでいた展開に気分を良くした私は昼食予定の余市柿崎商店海鮮工房を目指す。



余市に滞留


店の横に有る屋根付き駐車場。
車が止まっている後ろにバイクを停めるスペースが結構
有るので、バイクを停める場合は使えると思います。



行列は階段の下までで、これなら待ち時間は15分程。

 柿崎商店に到着すると店の前の道路は相変わらずの混雑ぶりだった。私はいつものように店の前にバイクを置こうとしたのだが、店の様子が変わっていて、今までバイクを置いていた場所が店のメインの入口になっていた。

 まさか入口の前にバイクは止められず困った私だったが、幸いにも屋根の掛かっている駐車場の奥が空いていて、我々はそこにバイクを停める。この屋根付駐車場の奥側のスペースは、空いている場合(車は入れないがバイクは置ける)が多いので確認して見て下さい。

 我々がバイクを停めて海鮮工房に向かうと、入店待ちの列は階段下までしかなかく、15分程の待ち時間で店内に入り食券を購入する事が出来た。

 今回私は、ここでウニ丼を食べる事を楽しみにしていた。私の中でウニ丼で一番のお店は、岩手県田野畑村の北川食堂で毎年六月に訪れていたのだが、今年は大震災の影響で三陸海岸でウニ漁がまだ行われておらず食べられなかった。

 そんな事も有って今年は余市の柿崎商店海鮮工房で食べる事を楽しみにしていたのだが、ここのウニ丼はその日入荷したウニが無くなった時点で販売終了となる為、いつ行っても食べられるとわけではなく、私は店内に入って直ぐにウニ丼の札が出ているかを確認する。

 幸いにもウニはまだ沢山残っていて、ウニ丼白、ウニ丼赤(カップ)、ウニ丼赤(箱)の札が出ていた。赤はエゾバフンウニの事で赤箱ウニが一番高く確か3,000円位だったと思うが、我々はウニ丼赤(カップ)2,350円を注文する。ウニの入っているパッケージの違いはウニのグレードの違いだと思うが、カップウニと箱ウニの味の違いがどれ程のものなのだろうか?


飲み物は気分だけでもビールにしてみました。

 以前私はウニ丼赤(箱)を食べた事が有ったが、今回食べたウニ丼赤(カップ)との違いはよく分からなかった。その場で両方食べ比べれば違いは分かるのだろうと思うが、数年前の記憶と比較する事は出来ませんでした。

 それと前回来た時と違い、今回からウニ丼のご飯を酢飯と白飯のどちらか選べるようになっていました。以前のご飯は白飯だったと思われ、今回は酢飯にしてみました。



鮭とイクラの イトコ丼 980円







 今回我々は、ウニ丼とイトコ丼を半分づつシアーして食べたのだが、イトコ丼の鮭の刺身が脂がのっていて美味かった。



 基本的にこのお店は料理の素材の良さを味わうお店であり、料理としてのグレードを求めるには価格からして多少無理がある。しかし、素材の良さと価格の安さは抜群で、観光地や地元のお店と比較してもそのコストパフォーマンスは高いと思います。

 我々が北海道の味を堪能している間に外で雨が強く降り出していて、余市以降をドライ路面で走りたいという私の希望は、無残に葬り去られていた。

 そこで今後の予定をどうするかで、私は悩んだ。こうなれば当丸峠は勿論ニセコパノラマラインも楽しめないわけで、行ってもガソリンの無駄になるだけだ。岩内のクレールチーズに立ち寄れないのは残念だが、私は余市から宿の在る当別に直行する事を考える。

 しかし、この時間から宿に直行すると早く着き過ぎてしまう為、途中で時間を調整する必要が出て来る。K9は小樽運河を見た事が無いと言うので小樽見物をして時間を潰す事を考えたり、ニッカウイスキー余市蒸留所見学等のオプションも私の頭に浮かんでいた。

 食事を終えた我々は、再び濡れた雨具を着込んで国道5号を先ずは小樽に向かって走り出す。しかし、我々は柿崎商店を出て直ぐの信号に止められてしまうのであった。信号の左手にニッカウヰスキー余市蒸留所が見えた時、私の頭の中にニッカウヰスキー余市蒸留所を見学する我々の姿が浮かんだ。私は咄嗟にウインカーを左に揚げ、信号が青に変わのを待ってバイクをニッカウヰスキー余市蒸留所に向かう。



ニッカウヰスキー余市蒸留所見学



ニッカウヰスキー余市蒸留所 正面入口


 ニッカウヰスキー余市蒸留所では無料見学コースが設定されていて、私は以前(20世紀)見学した事が有ったのだがK9は無く、私はこの際時間調整と向学のため余市蒸留所見学も有りかなと思ったのである。

 バイクを止めた私は早速玄関に在る受付に向かう。そこには綺麗なお嬢さんがいて優しく見学の方法を私に教えてくれたのだが、私の格好を見てか裏口の駐車場にバイクを止め自由に見学する事を勧めてくる。

 そうではなくて、私が案内付の工場見学をしたい事を告げると、私にステッカーを渡し次の出発時間のPM2:00まで奥の待合室で待つように教えてくれる。

 渡されたスッテカーはハンドルキーパー(運転手)向けのステッカーで、工場見学の終点に在るニッカ会館での無料試飲コーナーでアルコールを飲まないよう注意喚起するステッカーであった。当然我々ライダーもハンドルキーパーに含まれる訳で、その対象となったのである。

 待合室にはオリジナルチョレートの売店が有って、ウイスキー味やブランディー味のチョコレートを販売していた。試食品を食べてみたが、これがしっかりウイスキーやブランデーの味がして結構美味くお土産に買ってしまいました。


待合室にはニッカオリジナルチョレートショップが有って、
ウイスキーやブランディー味のチョレートを売っている。

このチョレートはお勧めです。



 このチョコレートは奥の大きな売店では売っておらず、このショップだけのオリジナル商品のようですので、食べてみたい方は正面入口を入って左に在る待合室を訪れてみて下さい。

 時間になって案内役のガイドさんが登場、ガイドさんはナンノ似の可愛いお嬢さんで、我々は大勢の見学者と共に借りた傘をさして彼女の後ろに着いて工場内を見学いたしました。




ご案内係のガイド付き蒸溜所見学

ご案内係がウイスキーの製造工程やニッカウヰスキーの歴史などを丁寧にご紹介します。

見学ご案内時間
9:00〜17:00
※午前9:00〜12:00、午後13:00〜16:00
30分毎に見学のご案内をしています。
※見学施設は17:00まで開放しております。ガイドご案内終了後も、見学施設をご自由にご見学できます。
見学所要時間
約60分(見学、酒類の試飲等




お嬢さんの後ろに着いて見学スタート

単式蒸溜器(ポットスチル)が並ぶ蒸溜棟
全てスコットランド製のようです。



創立時に建てられた第1号貯蔵庫
ここは見学用で実際の貯蔵はしていません。

ウイスキーの殿堂

竹鶴夫婦に挟まれて一生懸命
お仕事する南野陽子似のお嬢さん。

カウンターに用意されたウイスキーに群がる見学者達。




昭和15年10月に発売されたニッカ最初のウイスキー
71年の歳月で木製栓から中身抜け、これだけ減った。



  見学コースは以前私が見学した時と少し変わっていて、以前は無かった ウイスキー ミュージアム なる建物が加わっていた。それは結構広い建物で、ニッカウイスキーの 創始者 竹鶴政孝氏や夫人リタさんのブースも有って、余市蒸留所の歴史や日本のウイスキーの歴史を解説しておりました。

 また、ウイスキー博物館の向かいには、樽から出したままのモルトウイスキー(原酒)を販売する余市原酒販売所が出来ていて、「5年物」「10年物」「12年物」「15年物」「20年物」「25年物」の6種類の原酒を売っていた。

 見学コースの最後に案内されるのは、我々がいつも立ち寄るニッカ館二階の無料試飲会場で、他の見学者の皆さんは竹鶴ブランドの高級ウイスキー等を美味しそうに試飲しておりましたが、ハンドルキーパーのステッカーを頂戴していた我々は、アップルジュースや余市の美味しい水を飲んで喉を潤したのでした。

 しかし、折角ニッカ余市蒸留所に来てウヰスキーを飲まないのも勿体ないので、我々は下の売店に行き15年物シングルカスクウイスキー 180ml 3,500円 を買い込むのでした。

 このシングルカスクウイスキーには当たり外れ(樽毎に味が違う)が有りまして、以前買った物の中には外れも有ったのですが、買って帰った シングルカスク 15年物 は樽の匂いが香る美味しい当りのウイスキーでしたね。


傘を借りて出発の準備。


 見学を終えた我々は正面玄関に戻って出発の準備をしたのですが、雨は強弱を繰り返しながら絶え間なく降り続いておりました。

 今宵の宿は札幌の北に位置する当別に在って、余市からは90km程の距離があり私は二時間位で宿に着けると考えていた。しかし実際走ってみると、その考えが甘かった事を思い知らされる事になるのである。

 準備を整えた我々は余市を発って国道5号を小樽に向かう。私が余市〜小樽間を走るのは本当に久しぶり(20年以上ぶり?)で、昔の事を思い出しながら走っておりましたが、小樽の街に近づくと私が知らない新しい道になっていましたね。



雨雲と共に移動?



小樽で北海道初めての給油。
雨が止む気配は無い。


 小樽の街に入ると私がバイクで初めて北海道に渡った時(昭和44年夏)にオイル交換したバイク屋さん?(場所の記憶からそう思ったのだが?)が残っているのを見て何か嬉しかったりしたのだが、小樽の街は大都会で田舎者の私は車の多さに戸惑ってしまい、直進なのに右折車線に入ってしまったりしてましたね。

 小樽駅に向かう国道5号と別れた我々が小樽運河沿いを走る道に出ると、運河には沢山の人が出ていて何か(お祭り?)が行われているようでした。この人混みの中で運河見物は大変そうで、ニッカ見学をしたのは正解だったようだ。

 道路右側に以前よく立ち寄った北一硝子が見えていたが、以前と建物の感じが変わっているように見えた。観光地は日々変化しているんですね。

 小樽で今日初めての給油を行ったのだが、雨の中の走行でスロットルを大きく開ける機会が無かった事も有り、300km近く走っているのにガソリンは15リットルしか入らず、20km/Lの高燃費でした。

 燃費の良いのは助かるのだが、もっと燃費が悪い走りをしたいと切に思う私でした。
 給油を終えた我々は当別を目指して走り始めたのだが、これから当別までが長くて遠かった。雨は強くなる一方でペースを上がられず、我々がその強い雨を降らせる雨雲を連れて走っているかの様に、雨は弱まる事を知らず降り続けるのでした。

 国道5号を朝里、銭函と走って国道337に左折した我々は、周りに何も無い原野の中を走る広い道を雨に打たれ続けながら走る。しかし、走っても走っても景色が変わらないのには参りましたね。

 留萌方面に向かう国道231号を右に見ながら我々は国道337号と国道231号の供用区間を直進する。私の頭の中の地図では、このまま国道337号を道なりに走れば当別に出る事になっていたのだが、世の中そう簡単には行かなかった。

 供用区間が終ると国道337号は直進、国道231号は右に曲がって札幌方面に向かうのだが、その交差点が立体交差になっていた。地図で立体交差で有る事を読み取れなかった私は、直進が国道337号だと考えていたから立体交差を直進したのだが・・・?

 すると道は坂を登りながら右にターンしていくではないか。左下に見えた脇道に当別の表示が見えて道を間違えた事を悟った私だが、立体交差から下の道にワープする訳にもいかずそのまま立体交差を通過、しっかり国道231号に入り込んでしまったのである。

 国道231号は中央分離帯の有る立派な道でUターンもままならず、私は左方向に曲がって国道337号に出る道を模索したのだが、住宅地の狭い道に迷い込んでしまった。こうなったら素直に間違った地点まで戻るのが一番で、私は先ほどの立体交差点まで戻る事にいたしました。

 立体交差点に戻ると大きく当別の表示が出ていて我々は国道337号に無事戻る事が出来たのだが、何とも分かりずらい立体交差点であった。札幌方面から来ると当別の表示は分かり易いのだが、銭函方向から来た場合交差点の手前にハッキリとした当別の表示が無く(表示は有ったと思うが私は気が付かなかった?)この立体交差点は分かりづらいと思います。

 立体交差手前に<当別方面左に寄れ>みたいな表示が有れば良いと思うのだが、カーナビだったら音声でしっかり教えてくれるんでしょうけどね・・・? 



当別 あんぷらぐ


当別の麦畑の中に建つアンプラグ。

 国道337号を道なりに走って行くと右にロイズ(チョレートで有名)の大きな建物が見えて来て石狩川を渡った先の信号を左折、道道112号に入って我々は当別を目指す。

 JR学園都市線の石狩太美駅近くのセブンイレブンにバイクを止め、夜の飲料を調達しながら店員さんに 今宵の宿 あんぷらぐ の場所を聞いたのだが、若い店員さんとの会話は 「知らない。」 の一言で終了した。

 握ると水が滴り落ちる程に濡れたグローブを手に再び装着、我々はあんぷらぐに向かったのだが、踏切を渡った先の信号を左折し再び踏切を渡った先にあんぷらぐは建っていた。周りに建物は無く特徴的な外観なので間違う事は無いと思います。

 余市を出てから三時間、我々は雨の中を走り続け当別の宿 あんぷらぐ に無事に到着したのだが、雨の為考えていた時間より一時間程遅くなってしまいました。

 バイクを止め玄関に行くとオーナーさん(以後旦那さん)が出て来る。旦那さんにバイクを止める場所を聞くと、バイクを止める場所は特に決まっていないようで適当な場所に止めて良いと言う。我々は雨が比較的当たらない軒先にバイクを止めさせてもらったのだが、雨が降っている時は雨に濡れないで荷物の脱着で出来るのは大変助かります。

 玄関先で今日初めて雨具を全て脱いだ我々だったが、旦那さんや奥様が我々の脱いだ雨具をハンガーに掛け扇風機で風を当てて乾かしてくれるのでした。

 <何という心配りでしょう!> 私、これまで多くの宿に泊って参りましたが、扇風機で雨具を乾かしてくれた宿は初めてでした。今晩の泊り客が我々だけだった事も有るのでしょうが、ここまでしてくれる宿は初めてで、私恐縮してしまいました。

 二階の部屋に案内された後も、濡れたグローブやヘルメットの内装を乾かすスタンドを用意してくれて、それにも早く乾くようにと扇風機の風を当てて下さいました。至れり尽くせりのご配慮に私は本当に恐縮してしまったのですが、これこそが旦那さんが目指す宿のポリシーなのだと後に知る事になるのである。

 あんぷらぐにお風呂は有るのですが、温泉への送迎もしてくれると言うので、我々は勿論温泉へ行く事にいたしました。我々が温泉に行く支度をして下に行くと、旦那さんから宿帳の記入と宿代の精算をお願いされる。

 宿代の精算タイミングは宿によってまちまちだが、宿に着いて直ぐの支払いは珍しいかも・・・? 財布を部屋に置いて来ていた私は支払いを温泉から戻ってからにしてもらったが、宿のオーナーさん達はどのような考えで支払いのタイミングを決めているのか知りたいものである。



温泉でリプレッシュ



金沢天然温泉 開拓 ふくろふ乃湯


十勝川温泉に似た黒い温泉でした
露天風呂も有ります。
 旦那さんが運転する MAZDA SCRUM に乗って案内された温泉は、当別の街を抜け北海道医療大学の前を通り過ぎたJR学園都市線石狩金沢駅近くに在る <ふくろふ乃湯> という温泉で、森の中にひっそりと建っていた。

 旦那さんは温泉のお馴染さん(泊り客を案内しているのだから当然?)のようで、温泉の方と親しくお話しておりましたが、我々は入浴料600円を支払って早速温泉に向かう。

 ここの温泉は温度が低く沸かし湯のようなのだが、沸かし湯には珍しく循環式ではなく掛け流しになっておりました。循環式の温泉は温泉とは認めない(例外は有ります)私だが、沸かしでも掛け流しの温泉は問題無いのではないですか。

 温泉自体は十勝川温泉のような黒い塩泉系の温泉で、感じの良い内風呂と露天風呂が有ってよく温まる温泉でした。平成19年開業のまだ新しい温泉らしいのですが、口コミで人気が出て来ている温泉のようです。

 露天風呂の山側の岩から小さな滝が流れ落ちていて、沢が無いのに水が出ていて不思議に思っていたら人工的に造られた物でした。何でもこの温泉のオーナーさんは造園業を営んでいる方だそうで、滝を造るぐらい簡単な事のようでした。私の感想としては、周りに自然が沢山有るのに人工滝は少しやり過ぎのように感じてしまいました・・・?

 余計なお世話だが、露天風呂の前には綺麗な沼が在って、私だったそのロケーションを活かし沼を見渡せる少し高い位置に露天風呂を造るかな・・・?

 一日中雨の中を走った我々は温泉に入ってリフレッシュ、夕食を楽しみに宿に戻ったのでした。


設備は完璧 あんぷらぐ


アンプラグの夕食メニュー
奥の皿に盛られた刺身は?
※蛸の胴体?でした。

 宿の戻ると奥様が食事の支度を整えていて、直ぐに夕食となる。夕食は地元の食材を使った家庭料理?で、どれも美味しく頂きました。

 旦那さんが白身の刺身を指して何の刺身か分かるか質問してくるが、我々には分からなかった。答えは蛸の胴体?でしたが、私は蛸の胴体の刺身を食べた事が無く?(酢ダコで食べたような気もするが?)分からなかったのだが、北海道では普通にお店で売っている食材なのだろうか?

 蛸の胴体の刺身は足程の弾力は無く独自の食感で、それなりに美味しく頂きました。

 デザートに奥様手作りのシホンケーキが用意されていたのだが、旦那さんが私にケーキを食べるか聞いてくる。甘い物好きの私は勿論と手を揚げたのだが、K9は甘い物に興味は無く遠慮したのでした。

 今回の北海道に参加するもう一人のメンバーは、今日八戸港から苫小牧港行きのフェリーに乗る事になっていたのだが、無事八戸に到着したとの連絡が入り先ずは一安心であった。後は明日の朝どこで待ち合わせるかだが、それは翌朝苫小牧に上陸するまでに旦那さんと相談して決めリ事にいたしました。

 食事を終えた我々は旦那さんと色々お話しをしたのですが、そのお話の中で旦那さんのあんぷらぐに対する思いを感じる事が出来た。


アメリカ製の薪ストーブから伸びる煙突。
薪は森から切り出してから1年半乾燥させるらしい。




二人部屋×2 三人部屋×1 定員7名で全てベッド部屋

 あんぷらぐ とは [unplug] プラグを抜く 電気を使わない等の

意味らしく、私の勝手な想像では日常の生活から抜け出してこの宿でリラックスしてほしいとの、オーナーさんの思いが詰まったネーミングと思われます。

 旦那さんは脱サラして とほ宿 あんぷらぐ を始めたようなのですが、当初からとほ宿をやりたかったようです。あんぷらぐの定員は7名と少ないのですが、出来れば4〜5名程度のお客さんが理想だと言う満室を望まない珍しいオーナーさんでした。

 それはお客様全員に行き届いたサービスを提供したいというオーナーさんの思いからだと私は理解したのだが、そんな気持ちが先ほどの扇風機に表れているのだと思いました。

 この宿で特筆すべき事は、ご夫婦の気配りと各設備の素晴らしさだ。建物がフィンランド製パイン材を使った綺麗なログハウスだったり、寝具はベッドを含め新しく清潔で気持ち良い物っだたり、トイレは全自動のウォシュレット付だりするのだが、これはリゾートホテル並みのグレードでオーナーさんの拘りを感じる。

 これで 一泊二食付 5,500円 なのだから通常では考えられない料金設定で、普通どんなに安くても8,500円は取られるグレードだと思います。

 私は旦那さんと話し込んでいのだが、先ほどからK9の姿が見えなかった。これからがK9が楽しみにしていたドリンクタイムの筈なのだが、K9の姿が見えないのはどうした訳だ。

 私がコンビニで買ったドリンクを取りに二階に行くと、そこにはベッドに倒れ込んで寝ているK9の姿が有った。昨晩のフェリーでは殆ど寝る事が出来なかったK9は、1日中の雨中走行の疲れも有ったのでしょう、不覚にもベッドで意識を失ってしまったようです。

 私はK9をそのままにして下に戻りドリンクタイムに入ったのだが、暫くして(10時頃?)K9が下りて来た。物を取りに二階の部屋に戻った所でベッドに倒れ込んだK9は、そのまま意識を失い貴重なドリンクタイムをロスしてしまったようである。

 失った時間を取り戻そうとK9はピッチを上げて飲んでいたが、時間切れでK9はコンビニで買い込んだドリンクを飲み切らないまま部屋に戻る事になってしまうのであった。しかし、K9のバッグに余計な物を詰め込むスペースは無く、K9は残したドリンクを処理する必要に迫られるのだった。

 残したドリンクがどのように処理されたのか私は知らないが、翌朝見たK9のバッグはしっかりとパッキングされておりましたね。

 明日の朝メンバーが1名合流する事も有り私は明日の天気が気になったのだが、この宿の部屋にも食堂にもテレビが無く天気情報を知る手段が無く困ってしまった。テレビは あんぷらぐ するには邪魔な存在で有る事は理解できるから通常番組は見なくても良いのだが、天気情報だけは何とかなりませんかね?

 結局、私は翌朝の新聞で天気情報を入手したのだが、テレビを置かないのも宿の個性だしそれはそれで良いと私は思う。とほ宿のオーナーさんはポリシーを持って宿をやられている方が多く、そのポリシーに合う方も合わない方もいる訳で、お客が宿を選ぶように宿もお客を選ぶのがとほ宿なのだと、これまで数多くのとほ宿に泊まって来た私は思う訳です。


 私は明日の天気が気になりながらベッドに入り、疲れも有ったのでしょう早々に意識を失うのでした。

by Ryuta

3日目
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