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 May 2013  2nd.Touring
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 遅い桜祭り

 十三湖から金木に向かうには普通国道339号で向かうと思うが、田んぼの中を真っ直ぐに伸びる農道?が存在する。人家も無く信号も殆ど無いから時間を節約するには農道がお勧めなのだが、今回我々は芦野公園に立ち寄る為国道で南下する事にした。

 最近は農道を使う事が多く、久しぶりに走る国道399号の景色は見覚えの有るものばかりで、私は懐かしく走ってしまった。この田舎道の国道399号は津軽鉄道線と時々交差しながら並行して五所川原まで続いているのだが、芦野公園で津軽鉄道を跨ぐ踏切が有って、我々が踏切に近づくと信号が鳴りだし遮断機が降りてしまった。

 今日の芦野公園には多くの人が出ていて何事かと思ったら、桜祭りが行われているようだった。芦野公園は日本さくら会が認定したさくら名所100選にも選ばれている桜の名所だそうで、例年はゴールデンウィークが桜祭りの時期らしいいのだが、今年は桜の開花が遅く5月10日も過ぎた今桜祭りが行われていたようだ。

 桜と津軽鉄道との組み合わせも人気のようで、踏切の100m程左に在る芦野公園駅を発車しようとしている列車を写真に収めようと多くのカメラマンが列車にカメラを向けていました。踏切の前にもカメラマンが大勢いて、高そうな一眼レフカメラを駅方向に向けて列車が来るのを待ち構えておりましたね。

 私もお仲間に入れて頂こうかと考えたのですが、列車が来てからカメラを仕舞っていては後ろに並んでいる車の皆さんにご迷惑をお掛けする事になる為諦めたのだが、警報機は鳴って暫く経ってもホームに止まっている列車はなかなか発車しようとしなかった。

 それはカメラマンに多くのシャッターチャンスを与えようとする津軽鉄道のサービスだったように考えられるのですが、それを知っていたら私もバッグからカメラを取り出し桜と津軽鉄道の写真撮影は可能でしたね・・・。

 そんな事で、残念ながら今回桜の中を走る津軽鉄道の写真はお見せ出来ませんのでご了承下さい。

 そして旧津軽鉄道芦野公園駅でコーヒーを飲む話だが、とにかく公園内は人で溢れゆっくりコーヒーを味わえる環境にはなく、列車が通り過ぎて遮断機が上がると私はそのまま公園を通り過ぎ金木の街へ向かったのでした。

 休憩する気が薄れた私は一気に青森市まで走る事を決め、金木から県道2号に入って峠のワインディングロードを楽しんで奥内の国道280号に出る。今日の峠は車も少なく、結構楽しむ事が出来ましたね。奥内に出る少し手前で工事が行われていて何の工事かと思ったら北海道新幹線の工事で、前回(3年前)通った時には無かった立派な高架が出来ていて工事は結構進んでいる様子でした。

 国道280号に出るともう直ぐ青森市街に入るのだが、私は街中を嫌って一旦国道7号に出て7号線バイパスに入る。私はこのバイパスが苦手(同じような交差点が多くよく間違える)で、バイパスより一本山側の道で田代平に向う。



国道7号バイパスから一本山側の道に在った
ローソンで休憩。

ろに見えるのはこれから向かう八甲田の山々。


 途中に在ったローソンで休憩を取った我々は、県道40号に入って田代平を目指す。今日の県道40号は車が少なく大変走り易かったのだが、5分も走ると道路の両脇には雪が現れ雪原の中を走るようになる。この冬はニュースでも取り上げられていたように積雪が多かった(酸ケ湯で5m超)八甲田、今年は残雪が多く標高が上がるに連れ雪の壁が高くなってくる。

 雪中行軍遭難者銅像の在るパーキングを過ぎ、我々はブナの森の中を雪解け水に気を使いながら走って行く。八甲田温泉入口を過ぎブナの森から抜け出すと、我々の目に八甲田の山々が飛び込んで来た。青い空と白い雲をバックに残雪がキラキラと輝く雛岳・高田大岳。新緑前のモノトーンカラーの森の上に浮かぶその姿に、私は思わずバイクを止めバッグからカメラを取り出してしまいました。


残雪がキラキラと美しい左が雛岳、右が高田大岳
残雪と青空と白い雲、モノトーンの森のコントラストが美しい。


 田代平から国道394号に左折した我々は、再び新緑前のブナの森を駆け抜け谷地温泉入口に出て左折、蔦温泉に向かって国道103号を下って行く。例年であればこの時期のブナの森はもう新緑に覆われている筈なのだが、蔦温泉近くまで下らないと緑は現れませんでしたね。

 我々はいつもより停まっている車が少ない、蔦温泉の駐車場にバイクを停める。


 三年ぶりの蔦温泉

 FUNKYでは定番になっている蔦温泉だが、私がここを訪れるのは2010年以来だから三年ぶりとなる。暫く御無沙汰していると何故かまた入りたくなる蔦温泉、ここでは時間が静かに流れていて湯船の底板の間からプクプクと湧き出る温泉(久安の湯)に入っていると本当に癒されるんです。

 私は歴史を感じる玄関にブーツを脱ぎ、帳場で入浴料500円を支払って久安の湯に向かいます。今日の久安の湯には誰もおらず、私は足の裏にプクプクを感じながら静かに温泉を楽しんだのでした。


蔦温泉到着 歴史を感じる蔦温泉の玄関先
  ZOOM+ 3年前は花が咲いていましたね・・・。
  ZOOM+

レトロの雰囲気が良い感じなのですが・・・。 ZOOM+ 花の季節はもう直ぐです。   ZOOM+
電気代には目を瞑って白熱球(40W)にして欲しかった。

 温泉で癒された我々は、蔦温泉を出て再び狭い曲がりくねって道を下り焼山のGSへ向かう。


 長年の疑問

 焼山の Shell GS に入ると、いつものおばさんとおじさんが出て来て給油をしてくれる。おじさんにこれから向かう奥入瀬バイパスから子ノ口下る道(昨年は通行止めになっていて引き返した)の事を聞いたら、現在も通行止めになっているとの事だった。

 我々は奥入瀬バイパスで撮影会を予定していて、撮影会は上りで撮影しそのまま子ノ口へ下るのがFUNKYの定番なのだが、通り抜けが出来ない(滝ノ沢方面へは行ける)のであれば、今回は上りと下りの往復で撮影を行う事にしました。一年経っても通行止めが解除にならない奥入瀬バイパス〜子ノ口間は、このまま不通区間になってしまうのかもしれませんね?

 GSの事務所内には例年通り山菜(根まがりダケ等)が置かれていて、ここでの山菜採りは既に佳境(5月10日過ぎ)に入っているようです。

 何故この地域の山菜は時期が早いのか?  それは私の以前からの大いなる疑問であったのだが、後日その事を話したあるメンバーのご意見には説得力が有った。

 そのご意見とは 「地名と関係あるのでは・・・?」 と言うものであった。

 ここの地名は 「 焼山 」  山が焼けている位だから山の温度は高い(地熱で高い)筈で、その為雪解けが早く植物の成長も早いのではないかと言うのである。そのご意見には説得力が有り、私納得してしまいました。

 ご意見の真偽の程は定かではないが、私としては長年の疑問が解けた気分でしたね。

 給油を終えた我々は撮影会の打ち合わせをした後、奥入瀬沿いを十和田湖方面に向かって走り出し奥入瀬バイパスへと向かう。


 
 「キューン」

 奥入瀬に掛かる橋を渡って奥入瀬バイパスに右折した私は、打ち合わせ通りに追い越し車線の始まる場所に向かってスロットルを開ける。途中、スピードの乗る上り坂の先に短いトンネルが有って、出口の先に直線路が見えている所がある。私はスピードに乗ったままトンネルに進入、出口の直線に向かって加速する。

 「キューン」 といったかどうかは定かでは無いが、私のイメージ的には 「キューン」 でした。

 一瞬GSX−Rの後輪が空転、タコメーターの針が跳ね上がった・・・。

 その瞬間私は以前に体験した後輪スネークダンスを思い出し心臓が止まる思いでしたが、今回は直線での加速であり何事も起こらず、GSX−Rはそのままトンネルを抜けて加速して行くのでした。

 トンネルではこれまで何度となく怖い思いをしてきた私なのですが、バカと云うか愚かと云うか走りに夢中になりトンネル内でスロットルを戻す事をすっかり忘れておりました。

 トンネル内は外との気温差から路面が濡れている事が多く(場所によっては湿気で路面に苔が生えている事も有ってこれが物凄く滑る)滑り易く、またトンネルの路面はコンクリート舗装である事が多くこれがまたよく滑る。

 私は動悸が納まらないまま追い越し車線の始まる場所にバイクを一旦止め、GSX−R750と撮影会の再確認をした後再び撮影場所まで走りを楽しんだのだが、今日の奥入瀬バイパスに車は殆ど走っておらず貸し切り状態の走りは本当に楽めました。


 撮影会

  私はいつもの撮影場所にバイクを止め、急いで撮影準備をしてGSX−Rが来るのを待つ。。そして下方から微かにGSX−R750のエキゾーストノートが聞こえてきて、それが木霊のように次第に大きくなって来る。私はコーナーに向けてカメラを構え、そしてGSX−Rがコーナーから飛び出して来た。

 撮影は30枚の連写で行うのだが、どこからシャッターボタンを押し始めるかが大変難しい。私の使用するカメラ(オリンパスのデジカメ)では、シャッターボタンを押してから撮影が始まるまで若干のタイムラグが有って、速いライダーだと撮影が始まった時には近づき過ぎていたり、遅いライダーだと近くに来る前に30枚を撮り切ってしまったりする。

 その為、ライダーに合わせてシャッターボタンを押すタイミングを変える必要が有るのだが、毎回イメージ通りに撮影された事は無いですね。

 今回も出来るだけシャッターボタンを押すのを我慢したのだが、撮影は私の目の前を過ぎた所で30枚を撮り切ってしまいました。私は下りの撮影に万全を期したのだが、やはり後姿の撮影は叶いませんでした。

 撮影を終えた私は急いでバッグに中にカメラを納め、GSX−R750の後を追いながら下りの走りを楽しむのでした。


走りは進化している・・・。 下りの方が・・・。


 奥入瀬渓流に戻った我々は十和田湖を目指す。今日の奥入瀬道路に車は少なく、それはコーナーの切り返しが楽しくなる程の少なさでした。これまで何十回となくこの道を走った私だがこんな事は初めてで、奥入瀬道路が楽しめる道路だった事を今回初めて知りました。

 我々は子ノ口で十和田湖畔に出て左折、発荷峠へ向かう。湖面を取り囲む山々はまだ白黒の世界で、十和田湖の春はもう少し先のように見えたが、湖面にキラキラと輝く陽の光は春の日差しでしたね。我々は湖畔の快適な道を走り抜け休屋、和井内と走って信号を左折、発荷峠に向かって外輪山を上って行く。

 今日は発荷峠には止まらず、我々はそのまま十和田樹海ラインを下って 道の駅 こさか七滝 を目指したのだが、この頃になるGSX−R1000の新しいフロントブレーキディスクに当りが着いてきていて、下りが楽しくなってきていた。十和田樹海ラインの下りはブレーキさえ効けば大変楽しい道で、私は今回樹海ラインを充分に楽しむ事が出来たのでした。

 ミシュラン Pilot POWER3 のハンドリングですが、ライダーがタイヤの特性に慣れてきた事や真中の尖った部分が多少減って丸くなった為かハンドリングが少し軽くなっていました。POWER PURE と比べるとまだまだ重いですが、今朝の状態と比較すると大分走り易くなってましてね。

 我々は、道の駅のパーキングにバイクを止め、やまぶどうソフトクリーム(¥250−)等を食べ休憩を取った後、上小阿仁を目指して再び走り始める。小坂、毛馬内、比内、米内沢と走り国道105号の阿仁前田に出た我々は、上小阿仁に抜ける峠で本日最後の走りを楽しんだ後、上小阿仁のローソンにバイクを止める。



上小阿仁のローソンで最後の休憩




十和田樹海ラインを走り切って 道の駅 こさか七滝
  でソフトタイム
  やまぶどうソフトクリーム ¥250− (レベル普通)
 


 ここまで来ると今回のツーリングも終わったも同然で、この後はスペシャルステージも無く秋田まで移動するだけなのだが、この移動するだけの区間というのも結構楽しい時間だったりする。火照った体をクールダウンするではないが、今日一日の出来事を思い出したりしながらアドレナリン出まくりだった体を平常に戻す作業もまたツーリングの一部で、それを含めてツーリングの楽しさなのである。


 進化の予感

 上小阿仁から国道285号で 道の駅 五城目 まで走り、その先の信号を左折し広域農道で秋田市を目指す。この広域農道、見通しが良い直線が所々に有って追い越しが可能なのだが、私はそこで遅い車に追い着き追い越しを掛ける。

 こんな時、今までのGSX−R750でしたら追い越しがワンテンポ遅れ私との間隔が開いていたのだが、今回は間髪を容れずに追い越しを行っていた。本人によるとそれはブレーキングに自信が持てるようになり、間隔を詰めても状況に対応出来る自信が持てるようになったからだと言う。

 「止まれる自信が持てるようになったから間合いを詰める。」

 それはライダーの進化の方向性として正しく、ブレーキングテクニックがライディングの基本である事にGSX−R750も気付いたようである。

 自分で気付くと言う事が重要で、他人からのアドバイスをそのまま実行出来るのは天才だけで、凡人は自分で試行錯誤を繰り返す中で何かを掴み取るしかないのである。GSX−R750の場合この段階に至るまでFUNKYでの丸4年の歳月が必要であったのだが、その先にはまた次の階段が待ち受けている。

 しかし、ブレーキングの重要性を認識したGSX−R750、今後の成長(牛歩の・・・?)に期待しても良いのかもしれません。

 PM7:00過ぎ、我々は無事秋田市に帰還する。朝は霧に悩まされたが、天候にも恵まれ走っている車も異常?に少なくて走りを大いに楽しめたツーリングとなった。FUNKYのツーリングは基本的に毎年同じ時期に同じ地域を訪れる(厳密には同じではないのだが、レポートも毎年同じような事を書いている・・・?)のだが、それでも新たな発見や経験をする。

 同じ道を走っても前と違った印象を持ったり、新たな発見をしたり、自身の進化具合を感じられたりする。それがFUNKYツーリングの 楽しさ 面白さ だと私は思うのだが、ライダーは同じ事を繰り返していても

 「飽きるという事は無い」   のだと思います!?
 



本日の走行距離 594km

Pilot POWER3 の外径はPOWER PUREより
大きいようで、足つき性は悪くなり距離も渋く表示され
ている模様。実質的な距離は600km超えのようです。



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by Ryuta
17 JUNE 2013
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