
南に下るに連れ雲が多くなって来ました。

大きな蛾が壁や地面に沢山落ちていた。彼らが天寿を全うした姿を見て、私は夏の終わりを感じてしまいました。 |
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下川の街を抜け道道101号を南下した我々は、岩尾内ダムに出て更に南下、愛別ダムに到着する。
●AM09:26 愛別ダム
中川を出て2時間10分、結構いいペースでここまで来る事が出来た。知床峠まではまだまだ遠いが、昨日までのウエット路面と違い余計な緊張感が無くリラックスして走れる為か時間を短く感じる。
幸先の良いスタートを切った我々は愛別ICから自動車専用道に上がり東に向かうのだが、10Rとは上川層雲峡ICでお別れする事になっていた。
10Rは層雲峡、大雪ダム、三国峠と走って夕方フェリーに乗る予定で、時間的には余裕が有り寄り道する時間も有りそうである。
上川層雲峡ICでの分かれ方を確認した我々は、愛別ダムを発って愛別に出て国道39号を横断、愛別ICから自動車専用道に上がる。
そして10Rとの別れの時がやって来る。10Rはウインカーを左に出し我々に片手を上げて左に進路を変えて行く。
我々もそれに手を上げて応え、そして10Rは上川層雲峡ICへ下りて行ったのだが、大きく回り込むコーナーを一定のバンキングで走り抜けて行く10Rの姿は、綺麗で格好良くてそして美しかった。
FUNKYメンバーの走る姿を離れた所から見る機会は滅多に無く、私は10Rの姿が見えなくなるまで目で追ってしまいました。
今回10Rと共に走ったのは3日間(実質2日間)だけだったが、その半分がウエット路面だったのは本当に残念で、10Rも不完全燃焼のまま北海道を後にしたのではなかろうか・・・?
初めて10Rと共に北海道を走ったのは2004年だったから、もう10年も前の事になる。その時の私のバイクはTZR250R(3XV)、10RがZRX1200Rだった。10RはまだFUNKYで走り始めて間もない時期(北海道が2回目の参加)だったが、それまでのバイク歴は長く以前にもバイクで何回も北海道を訪れているベテランライダーだった。
私の5倍近い排気量のバイクに乗っていた10Rだったが、その時の10Rは私とズーッと一緒に走っていた。そんな事が有った次の年の春、彼はグリーンのレーシングスーツでライムグリーンのZX−10Rと共に現れ10Rとなったのだが、公私共に忙しい彼がこの十年FUNKYに参加し続けているのは、本当にバイクが好きなんだと思う。
しかし、10年ひと昔と言います。10年有れば色々な事が有りますし環境も変わります。特に10年前とは生活環境が大きく変わった10Rが今年も北海道ツーリングに参加してきたのは正直驚きましたが、バイクを楽しもうとする姿勢には頭が下がります。
10Rを見送った我々は自動車道の終点丸瀬布を目指したのだが、先ほどから電光掲示板に気になる掲示がされていた。それは浮島IC〜奥白滝IC間が通行止で浮島ICで自動車道を下りるよう指示する掲示だったのだが、その掲示は私がこの自動車専用道に乗った時から迷っていた事への結論の掲示でもあった。
その私の迷い事とは、北見峠を走るかどうかだった。北見峠は浮島ICを降りて白滝に向かう時に通る国道333号に在る峠で、FUNKYのスペシャルステージにも登録されている楽しいワインディングロードなのだが、今日の最優先事項(知床峠で羅臼岳を見てPM7:00までに芽登温泉に到着する)からすると、我々には北見峠を楽しむ時間(時間の差は10分位?)もはばかられた。
私としては北見峠を走りたい気持ちは山々だったのだが、あの電光掲示板を見るまでは知床峠へ早く到着する方を優先するつもりでいた。しかし、神様は私に 「北見峠を楽しみなさい。」 と言ってくれたのです。
私はこれ幸いと北見峠を大いに楽しんじゃた訳だが、今回のツーリング やはり 私はついている・・・?

普段は全くと云っていいほど交通量の無い
北見峠だか、今日は結構車が走っていましたね。
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●AM10:19 北見峠
北見峠を下ると奥白滝IC入口が見えて来て、殆どの車両は奥白滝ICに右折して行ったんだが、先を急ぐ?我々はそのまま国道333号で丸瀬布を目指す。
●AM10:43 丸瀬布
丸瀬布に到着した我々は今日2回目の給油を行ったのだが、給油している間に雨がポツポツと降ってきた。空を見上げると青空も見えているのだが、所々に黒い雲が有ってその下で雨が降っているようである。
今日は雨が降らない筈では・・・? なのに雨とは・・・!? 天気予報に腹を立てながらもそのまま丸瀬布を発って遠軽へ向かった私だったが、走り出して直ぐに雨が強くなり路面もウエット路面に変わっていく。
空一面が黒い雲に覆われ始め、暫く雨が上がりそうも無いと判断した私は、バイクを路肩に停めて雨具を着る事にした。こんな事ならGSで雨具を着るんだったと悔んだ私だが、その15分後にまた悔む事になるのである。
遠軽への分岐を過ぎ、国道242号との供与区間を過ぎて再び国道333号の単独区間になると、雨は上がり峠のトンネルが近くなると陽が差して青空も見えて来る。トンネルを抜けるとそれはもう良い天気で、台風一過の晴天下で雨具を着て走っている我々は馬鹿みたいでしたね。
しかし、また止まって雨具を脱ぐのも時間の無駄で、結局美幌まで雨具を着たまま走る。国道333号を 栄⇒若狭⇒端野 とを走った我々は、一昨日通った北見の国道39号に出て左折、美幌へ向かう。
私が端野から美幌間の国道39号を走るのは本当に久しぶりで、大抵は一昨日のように途中から左折して網走に向かうのだが今回は美幌に向かう為直進、すると左側に美幌バイパスの入口が見えて来る。そこで私は、今回初めてこの自動車専用道路を使ってみる事にした。
美幌バイパスは美幌から女満別空港に向かう時に何回か走った事は有ったが、美幌市街をスルーする今回の区間は初めてで、我々は市街の混雑をスルーして街の反対側の国道39号に出る。しかし我々は市街に戻って昼食を取る事にしましたので、パイパスを使用しても大した時間の節約にはなりませんでしたね。
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美幌で昼食 |
●AM12:09 美幌

美幌の食事処 華風

今日は早目に昼食を取りこれからの追い込みに備える。

美味しそうでしょ 共に 780円
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我々はバイパスから美幌の街に少し戻り国道から少し入った所で見付けた中華レストラン? 華風 で昼食を取る事にした。時間は丁度正午を回ったところで、我々は5時間弱で中川から美幌までやって来た。
ここから知床峠まではまだまだ距離が有り、まして芽登温泉までとなると今日の行程のまだ半分も来ていないのだが、その時の私はこのまま順調に行けば、芽登温泉PM7:00到着は何とかなるような気がしておりました。
食事をした 華風 さんは、店内は綺麗だし料理の味も量も充分合格レベルで、我々は焼肉定食と野菜炒め定食?(共に780円?)を食べたのだが、大観光地の食堂等と違って地元の人が行く食事処は外れが少ないです。
私はツーリング先での食事は出来るだけ地元の人が行く街の食事処(観光地は出来るだけ避ける)で取るようにしている。名物的な物は別だが、大観光地で食べた食事が美味しい事は稀(美味しい時も当然有りますが・・・)で、価格も高いとなれば避けてしまいますね。
エネルギーを補充した我々は、いよいよ知床を目指して走り出す。国道39号に戻って右折、次の信号右折して国道334号に入り東藻琴、小清水と走り、国道334号の長い長い直線に出る。
小清水に出るまで我々の前をKawasakiのバイク(北海道ナンバーのZRX1200?改造費が掛っていそうな綺麗なバイク)がズーッと走っていたのだが、直線に出た所で我々が前に出る。
このZRX1200?とは知床峠でまた出会う事になるのだが、彼は我々より先に到着していて羅臼岳をバックに写真を撮りまくっておりました。
美幌から知床峠に行くには 美幌⇒斜里⇒宇土呂⇒知床峠 のルートが最短距離で時間も短く通常はこのルートを使うと思うが、FUNKYはチョッと違う。
FUNKYが知床峠に上がる時は羅臼側からと決まっており、また知床峠を走る時は知床半島の付け根を横断する根北峠を必ずルートに入れるのがお約束となっている。
お約束の理由は省略させてもらうが、これまでの経験からその方向で走った方が楽しいのが最大の理由かな・・・。
FUNKYのお約束に従って私は小清水から国道334号を直進、そのまま道道827号に入って国道244号に右折して根北峠を越え、古多糠経由で国道335号に出て北上、羅臼から知床峠に上がるルートを考えていた。
しかし、物事が思惑通りに運ぶと思ったら大間違いで、もう直ぐ国道244号に出るという所で、通行止の柵が我々の行く手をぐ。道道827号が通行止めになっていて、結局我々は国道334号に戻る事になり、斜里の国道244号に出てから根北峠に向かう事になるのである。
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そして知床峠へ |

羅臼のGS 目の前には国後島が見えている。

特に疲れた感覚は無かったが、長く走ると目が垂れる!?
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●PM02:30 羅臼
この遠回りで芽登温泉が少し遠くなってしまった(10分位?)我々だったが、通行止の区間は帰りも使うつもりでいたので、この通行止でロスした時間は合計20分になってしまいました。
ロスした時間を取り戻そうと我々は休憩も取らず走り続け、舗装が新しくなり走り易くなった根北峠を楽しむ。私がドライ路面の根北峠を走るのは本当に久しぶりで思いっ切り楽しみたかったのだが、エンジンの状況は宗谷丘陵の時と同じで高回転を使えない為、R750の後ろを走っていたりしてましたね。
古多糠経由で国道335号に出た我々は、国後島を右に見ながら羅臼を目指す。羅臼でガソリンを補給する予定にしていた私だったが、羅臼のバイパス沿い(道の駅の所)にGSが2軒有ると思い込んでいた。
バイパスに入り1軒目をやり過ごし2軒目のGSを探したが、2軒目を見付けられないまま旧道との交差点に出てしまった。
「あれぇ・・・。 GSは1軒だけぇ・・・?」
私、いつも羅臼手前のGSで給油しておりまして、今回が羅臼での初給油だったのだが、GSが2軒有ると思っていたのは私の思い違いで、結局R750が苦手なUターンをさせる事になってしまいました。申し訳ない。
我々が羅臼のGSにバイクを止めた時、美幌を発ってから1時間50分が経っておりました。走りっぱなしの1時間50分でしたが、目的地の知床峠を目前にしモチベーションは高く、私はそんなに疲れを感じていませんでしたね。
今日3回目の給油を行った後暫しの休憩を取った2人のGSX−Rライダーは、学校帰りの小学生に手を振られながら羅臼の街を後にし、熊の湯の横を通過し覆道を抜けていよいよ知床峠を上り始める。
今回の知床峠はウイークデイという事も有って最初のはみ出し禁止区間で車に前を塞がれる事が少なく走り易かったのだが、エンジンの事も有ってそれなりに楽しんだ感じですかね・・・。
●PM03:06 知床峠
そして我々は遂に知床峠のパーキングにバイクを入れ、イグニッションスイッチの切る。眼前には我々が願っていたように羅臼岳が圧倒的な迫力で迫っており、R750はバイクを降りて暫し羅臼岳と対峙しておりました。知床峠には台風の影響なのか強い風が吹いており、我々と数台のバイクが停まっているだけで閑散としておりました。
少しすると我々が追い越した観光バスが到着し知床峠が俄かに騒がしくなった中、羅臼岳の全貌を観ると云うミッションを達成した我々は、知床峠を後にし宇登呂へ向かって下って行く。その時、今宵の宿である芽登温泉はまだ遥か彼方(足寄の近く)に在って、私が設定したタイムリミットPM7:00まで残された時間は4時間を切っていた。
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この景色を見に遥々やって来ました。 じっくりとご鑑賞下さい。 台風一過とあってか知床峠には風が強く吹いていました。
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同郷人 |
知床峠から宇登呂に下る時、陽が西に傾くと太陽が正面に見えて眩く感じる事がある。太陽がオホーツク海に沈む時間には本当に綺麗な夕陽を見る事が出来るこの下りだが、幸か不幸か今日はその時間にはまだ間が有った。私は以前に一度その夕陽を見た事の有りまして、今回はその夕陽を思い出しながら走っておりました。
まだ一度も立ち寄った事の無い宇登呂の道の駅やオシンコシンの滝の前を通過、我々は斜里を目指す。オシンコシンの滝は今回の北海道で初めて立ち寄る予定にしていたのだが、憎っくき台風18号の為にそれも叶わず我々は走り続ける。
斜里に到着した我々は国道334号に左折、南斜里から道道1115号に入って清里を通過、札弦を通り過ぎた先から踏切を渡って道道805号に入る。この道は道道1115号と国道391号を繋ぐ道で我々は結構利用する道なのだが、以前道幅が狭くなっていた個所で拡幅工事が行われていて砂利道になっていた。
砂利道を走って行くと工事区間の途中で片側交互通行が行われていて、我々はそこの誘導員の前で停止させられる。
私が誘導員の方を見ていると、誘導員の彼が
「何処から来たんですか?」 と、聞いてくる。
「秋田からです。」 と答えると、私と同年代(60歳代?)と思われる誘導員の方は驚いた様子を見せ
「私も秋田出身なんですよ。」 と、嬉しそうに言う。 そして
「生まれは横手なんですけどね、北海道に来てから暫く経ちました。」 と続ける。
「私も横手の生まれなんですよ・・・」 と、私が答えると
「横手ですか・・・。懐かしいなぁ・・・。」 と表情をくずしながら故郷を思い出している様子だった。
彼が秋田を出てからどんな人生を歩んで来て、そして今どうしてここで誘導員をしているかは知らないが、彼の嬉しそうな表情が私には印象的でした。
そこで通行止めが解除になり、私はその場を離れたのだが、
「気を付けて行って下さい。」 と言ってくれた同郷人の言葉が、何故か私の心に沁み入りました。
それはほんの束の間の一ときでしたが、時間との競争をしている私に取っては何とも心和む出来事でした。同郷人の彼から元気を貰った私は、国道391号に出て左折、野上峠を超えて川湯へ向かう。
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想定外 |
川湯温泉入口のホクレンGSの信号を右折した我々は、川湯温泉を通過し道道52号を走って屈斜路湖畔の砂湯にバイクを停める。
●PM04:33 砂湯

陽が大分傾いてきました。 日没は近い。

ここで写真を取るのは8年ぶり?
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知床峠から1時間20分の一気走りだった。時間は4時半、タイムリミットまでは2時間半となった。
「ここで この時間!?」
これからは陽も落ちて暗くなり気温も下がるから状況的には厳しくなるが、私にはタイムリミットに間に合うだろうという根拠の無い自信は有りましたね。
我々は休憩と気分転換を兼ね屈斜路湖畔に記念写真を取りに向かう。陽が傾き太陽は屈斜路湖の外輪山近くまで落ちていたが、我々はキラキラと輝く湖面をバックにお約束の記念写真を撮った後、次の目的地津別に向かって走り始める。
砂湯を発って国道243号に右折した我々は、右手に見えて来た屈斜路プリンスホテルの先を左に入り津別峠に向かったのだが、前方にUターンして引き返して来る車が見えた。
近づくと道路は柵で塞がれ通行止になっている様子で・・・
「えぇーッ 通行止かよ・・・! 」
それは想定外の事であり、ショックのあまり柵の前まで行って通行止を確認する事もせず、私は直ぐにバイクの向きを変え国道に引き返してしまいました。
この道道588号の津別峠は、十和田湖の和井内から発荷峠に上がる道と同様、カルデラ湖から外輪山に上がる曲がりくねった急な峠道なのだが、発荷峠のように2車線の立派な国道では無くセンターラインの無い狭く曲がりくねった道道だった。
その細い峠道に台風18号に伴う大雨で崖崩れが起きたとしても不思議では無いのだが、この通行止による我々へのダメージは大きかった。津別峠を使えないとなると津別へは、美幌峠を越え美幌経由で向かう事になるのだが、そうなると距離は5割増だしこの時間だと美幌で夕方のラッシュに嵌りそうだから、時間のロスは5割増し以上になるのは確実だった。
津別峠の通行止を知った時点で、私は芽登温泉PM7:00到着は諦めた。これまではギリギリ行けると考えていた私だが、これから美幌を回って津別に行くとなると30分近く時間をロスするのは確実で、残された距離からしてどう足掻いてもその時間を短縮する事は不可能だったのだ。
私は如何に遅れを最小限に留めるかに気持ちを切り替え、国道243号に戻って美幌峠へ向かって走り出す。
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神様からのご褒美? |
はみ出し禁止の黄色線が道路中央に引かれた美幌峠は、いつもは車に前を塞がれ峠を楽しむ事は不可能なのだが、今日の峠は車が殆ど走っていなったのに加え、追い着いた車が前を開けてくれて楽しく走る事が出来た。
前に集中しR750を大きく引き離して走っていた私が、美幌峠直下まで来てふと左手を見ると・・・
「 何と云う事でしょう! 」
そこには屈斜路湖の中島が夕陽に赤く照らされ輝いているではありませんか・・・。
砂湯で見た太陽が今外輪山に沈もうとしていて、屈斜路湖の半分が日陰になって半分が赤く輝いていたのです。
●PM05:03 美幌峠
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半分影になった屈斜路湖の景色 神様からのご褒美?
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私は急いでバイクを路肩に止め、バッグからカメラを取り出してその景色をマイクロSDカードに収めたのだが、車も走っていないその静かな景色の中、下方からGSX−R750のエキゾーストノートが近づいて来るのが聞こえていました。
『 雄大な北海道の景色の中で聞くバイクのエキゾーストノート 』
北海道をバイクで旅するライダーとしては、それはもう至福の一ときでありました。
今思いますと、その時の私はR750の姿をphotographに収めたのですが、近づいてくるエキゾーストノートと共にmovieで撮っておけば良かったかな・・・と後悔しております。
『 思わぬ時に 思わぬ所で 思わぬ景色に出会う。 』
これもツーリングの楽しみの一つです。
我々にこの素晴らしい景色をゆっくり鑑賞している時間は無く、私はR750が到着すると直ぐにカメラをバッグに納め走る出す。止まっていた時間は1分も無かったと思うが、偶々美幌峠を通る事になった我々が、偶々夕陽が照らし出す中島を見る事になった訳で、この景色はここまで走って来た我々に対する 神様からのご褒美 であったかもしれませんね。
美幌峠から美幌の街まではそれほど時間も掛からずに到着したのだが、私の予想した通り道は渋滞していた。美幌から津別に向かうには通常国道240号を使うのだが、国道240号に出るまで結構時間が掛かりそうだし、国道は交通量が多くアベレージスピードが低そうだから、私は以前一度使った事の有る広域農道を使う事にした。
国道240号と並行して走るこの広域農道は、信号も走っている車も少なく我々は順調に走行を続け津別に到着、いつものホクレンセルフGSで今日4回目の給油を行った後コンビニへ向かう。
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月灯りと共に・・・ |

津別のコンビニで食料を購入
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●PM05:37 津別
砂湯を出て約1時間で津別のコンビニに到着した我々だが、津別峠を越えられなかった事で30分近く時間をロスしてしまった。
食料の調達を終えた我々は、ここで宿に電話を掛ける事にした。夕食の時間も有り宿に遅れる連絡を入れたのだが、R750から到着時間を何時頃にするかを聞かれる。
津別から芽登温泉に向かうには三つのルートが有って、一つは陸別、足寄、芽登と走って道道88号に入るルート、一つは津別から北見に出て訓子府、置戸と走り道道88号に入って芽登温泉に向かうルート、そしてもう一つは陸別と足寄の中間から山道を越えて足寄をバイパスして芽登温泉に出るルートである。
道の分かり易さから言ったら国道を多く走る足寄コースなのだが、このコースは距離が最も長く時間も掛かる。次に走り易く距離が短いのが置戸コースで、道も分かり易く通常はこのルートを使うべきだと私は思う。
しかしこの置戸ルートで芽登温泉に向かうと私の計算では二時間半は掛かると思われ、そうなると宿の到着は8時近くになってしまう。一応、R750には8時までには到着出来ると宿に連絡してもらい、夕食が取れなければそれも止むを得ないと伝えてもらったのだが、宿からは夕食はもう準備してしまっているので遅くなっても待っているとの返事をもらう。
しかし、その時の私は足寄をバイパスする第3のルートで宿に向かう事を決めていて、順調にいけば7時半には宿に着けると考えていた。その事はR750にも内緒にしておいたのだが、それは人間考えていたより早く着けば嬉しいだろうし、宿にしても予定より早く到着してくれれば印象が良いだろうと考えたからだ。
しかし、この第3ルートの足寄をバイパスする部分は山全体が牧場みたいな所を通っており、夜間は灯りが全く無い真っ暗闇の区間でもあった。私はこのルートを何回か走った事が有って(日中ではあるが・・・)全体のレイアウトや曲る場所を把握しており、夜間でも迷わずに行ける自信が有っての決断だった。
しかし、このルートを夜に使う事は迷う確率が高く、私はお勧めしません。とにかく夜は真っ暗で明かりは皆無、道は狭くセンターラインも所々で消えていますし、道は曲がりくねっていますから非常に危険です。
私はコンビニを出て陸別に向かったのだが、後ろに居る筈のGSX−R750の姿が無かった。少し走った所で私はバイクを止め暫く待ったのだがR750は来ず、コンビニに戻ってみるとR750がGSX−Rのエンジンが掛からないと言うので点検してみると・・・!?
メインスイッチをONにしクラッチを握ってセルボタンを押したがエンジンは反応せず、私がメーターを確認するとCHECの文字が表示されていた。私のGSX−Rでも表示されたこのCHECの文字、ギヤが入っている状況でサイドスタンドを出ている場合やキルスイッチがONになっている場合に表示される。
ニュートラルランプは点いているいるので、キルスイッチを確認すると・・・、何とONになっているではありませんか。知らぬ間にキルスイッチに触ってしまう事はよく有る事なのだが、キルスイッチが切れている事に気付かなかったR750、私は見掛け以上に疲れていると見ましたね。

陸別で小休止

陽が沈んで気温が下がり、寒さ対策に雨具を着る。
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津別を発った我々は、陽が落ちてすっかり暗くなった道を陸別へと向かったのだが、冬に度々最低気温の話題でテレビに登場する陸別に近づくに連れ、猛烈に寒くなって来た。
●PM6:35 陸別
私は堪らず陸別の街に入った所でバイクを止め雨具を取り出して着たのだが、R750もジャケットにインナーを取り付けネックウォーマーも装着して防寒対策を万全にしていた。
寒さ対策を万全にした我々は、いよいよ今日の最終目的地芽登温泉に向かって陸別を出発する。陸別から足寄に向かう国道242号には結構交通量が有って、我々はトラックの後に着いたりして走って行く。
しかし、国道と別れ足寄と上士幌の清水谷を結ぶ道道468号に右折すると、車は皆無、時々現れる牧場入口も真っ暗、暗闇の中で光は我々のヘッドライトの灯りだけになった。
我々はライトの明かりを頼りに路面に集中して走っていたのだが、ふと見上げた夜空にもう一つの明かりが有った事を知る。私が真っ暗闇だと思っていたのは間違いで、北海道に上陸した時まだ上弦だった月が、十三夜の月(十三夜の月は満月より美しいとされる)となり明るさを増して我々を照らしていたのである。
北の澄み切った夜空にぽっかりと浮かぶ月。
それはそれは幻想的で美しい月でありました。
R750に今回の北海道ツーリングで一番印象に残った事を聞いたところ、その時に見た 夜空に輝く月 との答えだった。
月の美しさは勿論だが、疲労もピークに達している時に真っ暗闇の冷たい空気の中で見上げた
『 美しい月・・・!! 』
その時の気持ちや環境が、より強く十三夜の月をR750に印象付けたのでしょう。
私はヘッドライトが照らし出す少ない情報と自分の記憶情報を照合しながら淡々と走りを進めたのだが、前方に一つの灯りが見えて来た時は、本当に安堵いたしました。
その灯りは道道468号と道道88号が交わる交差点に設置された街燈の灯りだったのだが、その交差点から芽登温泉入口まではもう目と鼻の先で、私はこれまでの緊張した走りから解放されホッとしてましたね。
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無事完遂 |

隣ではバンをトラックに積載していた。

ビールを飲んでいる写真ばかりで申し訳ございません。
この乾杯のビールの味は格別でした。
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しかし我々にはまだ緊張を強いられる事が残されていたのだった。道道88号に出て右折した我々は芽登温泉入口に向かったのだが、その入口を左に入った所からその緊張が始まる。
芽登温泉は道道88号から西に3km入った所に在って、その3kmの道は砂利道でSS系で走るのはとっても大変なのだが、まして今回は夜道ですから大変かと思いきや、意外に速かったです。
2年前ここを最初に訪れたR750は、歩くようなスピードでしか走れず苦労した事も有って、私は今回の砂利道夜間走行を心配したのだが、基本SS系は砂利道をスピードを出して走れませんので、明るくても暗くて走るスピードは大して変わらなかったようです。
●PM07:34 芽登温泉
AM7:16 ポンピラアクアリングスを出発、知床峠で羅臼岳を見て PM7:34 我々は無事芽登温泉に到着する。ターゲットとしていたPM7:00には間に合いませんでしたが、何とか30分遅れで到着する事が出来ました。
今日のツーリング時間は12時少々だったが、北海道ツーリングの平均所要時間は10時間程度なので、2時間ほど長いツーリングであった。それでも12時間以上のツーリングはいつも月例ツーリングで経験しており、特に長いツーリングでは無かったのだが、走った距離はいつもとは段違いに多く、やはり北海道ツーリングは別格ですね。
我々がやっとの思いで芽登温泉の玄関脇にバイクを停めた時、玄関先ではマツダのバン(古いボンゴ?)を積載車両に積み込む作業が行われていた。
詳しい事情は知らないが、ボンゴが故障し業者がここまで引き上げに来ていたようで、ボンゴに乗っていた3名の男性も我々同様まだ夕食取っていない様子だった。
到着が遅れ食事の時間で宿に迷惑を掛けてしまった我々だったが、同類が居た事で私は少し気が楽になりました。我々はバイクから荷物を降ろし受付をした後、直ぐに着替え食堂に向かう。
食堂は2年前に来た時と少し様子が変わっていて、小上がりの畳が敷かれていた場所がテーブル席になっていた。他にも2年前と違っている事が幾つか有って、トイレや洗面所が新しくなって近代的な物に変わっていた。
中でも最も大きく変わったのがご主人で、今日我々の応対をしてくれたご主人は、前回来た2年前はご主人の手伝いをしていた人だと思うのだが、ご主人に聞いたところ以前のご主人はお父さんだそうで、芽登温泉のご主人は代替わりしていました。
主人が変わった事で芽登温泉の色々な事が変わっていて、夕食の最後にケーキのデザートが出たり、朝食の後にドリップコーヒーが出たりしていました。顧客の管理もパソコンで行っているようで、私が2年前に来ていた事を次の日の朝には調べ上げていましたね。
何事においても代替わりする(世代交代)事は進化する上では重要な過程で、FUNKYもその時期に来ていると思うのだが・・・・。
我々は食事の前にビールで乾杯したのだが、今日のビールは格別に旨かった。ミッションを完遂して飲むビール。このビールを飲む為に走って来たと云っても過言では無い?かもしれないが、物事を成し遂げて飲むビールはどうしてこんなに旨いでしょうね!?
我々は美味しい夕食頂きながら今日の走りを振り返り、話は尽きる事なく部屋に戻ってからも続くのでした。
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ポスト幌加温泉 |
私は今日の12時間走行で耳鳴りや肩こり感じていた。耳鳴りは月例のツーリングでは普通の事なのだが、北海道では珍しくどうも耳鳴りはツーリング時間と相関関係が有り、私の場合12時間近いツーリングになると起きるようである。北海道で月例ツーリングと同程度の距離を走っても耳鳴りが起きない事から、走行距離との関係は薄と思われます。
私の肩コリは頚椎の1つの関節が狭くなっていて血行が悪くなると起きるもので、首が冷えるとてきめんに起きてしまう。その対策は首を冷やさない事なのだが、私は今回の北海道にネックウォーマーを忘れて来ていた。

朝の露天風呂と男性内湯
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肩こりを解消するには温めて血行を良くするのが一番で、それには温泉が最適で私は肩こり解消の為温泉へ向かう。芽登温泉には男女の内湯、女性専用露天風呂、混浴露天風呂が有って、私は先ず内湯(男湯には熱い湯船と普通の温度の湯船の2つ有る)で体を温めてから混浴露天風呂に向かう。
混浴露天風呂にはこれまで何回も入っていたのだが、今回は肩こりも有ったので打たせ湯を試してみる事にした。私の打たせ湯体験はそんなに多くは無いが、これまでの打たせ湯ランキングで一番なのは今は無き幌加温泉の打たせ湯となっている。
私はこの芽登温泉の打たせ湯に正直期待はしていなかったのだが、使ってみてこの打たせ湯が只者ではない事を知る事になった。
私は肩が凝った部分や首、冷えると調子が悪い左肩にお湯を当てて温めたのだが、姿勢を変えたり体勢を変えたりするのに下に置かれていた平らで大きな石が何とも具合が良かった。
平らな石の上に寝まってお湯に当れるし、腰掛けたり胡坐をかいたり正座をしてもお湯に当れるし、とにかく体のあらゆる部分に楽な姿勢でお湯を長く当てる事が出来るのである。それに加え、その石がお湯の中に沈んでいる事で半身浴状態で下半身は冷えず、上半身は打たせ湯のお湯で温かく、長い時間入っていても全く苦にならない打たせ湯なのである。
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そんな事で、時間を掛け首の周りや左肩を打たせ湯で湯治した結果、私の肩こりは和らぎ耳鳴りも治まっていました。私にとって今宵の宿が芽登温泉だったのは幸運でしたね。
2010年まで我々のこの地域での宿は幌加温泉と決まっていたが、その幌加温泉が休館になってしまった今、我々はポスト幌加温泉を探しておりまして、昨年泊った糠平温泉の 元祖 湯元館 と共に 芽登温泉 はポスト幌加温泉の有力候補に名乗りを上げる事になった。
私と入れ替わりにR750が温泉に行ったのだが、R750は暫く戻って来なかった。あまりにも遅いので私は心配したのだが、後に聞いたら私と同様打たせ湯に嵌って長湯になってしまったようです。
私は心地良い疲労感と共に眠りに就いたのだが 明日はFUNKY史上初めての北海道5日目(フェリー移動の初日を除く)の未体験ゾーンに突入する。
今までFUNKY北海道は基本3泊4日(ポレポーレの1泊は除く)で行われていて、それは連日の走行で疲労が蓄積し4日目ともなるとモチベーションも低下する事から、これまでFUNKYの北海道ツーリングは4日が限界(丁度良い日程)と考えられてきた。
しかし今回FUNKY北海道が記念すべき30年目となった事から、日程を1日延長し4泊5日(ポレポーレの1泊は除く)で行う事になったのである。
そしてその6日目の未知への扉が 明日開かれる・・・。
年寄り大丈夫かぁ・・・!? こればっかりは、やってみないと分かりません? どうなることやら・・・?
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