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北海道最終日の朝、私は布団から出てそっと窓を開け空を見る。朝靄は掛かっていたが空は青く今日は雨の心配は無さそうである。 今日は根室から苫小牧東港までの長丁場なのだが、途中大雪の三国峠やナイタイ高原牧場に立寄る予定にしていて時間的には結構厳しい予定になっている。 この厳しい予定を可能にしたのが、釧路市内のパイパス整備(自動車専用道)と道東道の阿寒IC〜浦幌IC間の開通が有る。 この新しい道を使用する事で交通量の多い釧路市内や国道38号(釧路〜白糠間)を走らなくてもよくなり、大幅な時間短縮出来ると私は考えたのだが、初めての道ですから行ってみないと分かりませんけどね・・・? 最終日ですので尻が決まっており、何か有った場合も考慮する必要が有るのだが、その場合は道東道を利用すれば何とかなるだろう。 我々は時間的余裕を持つ為、午前7時前には朝食を取り早目に出発の支度をする。 一福の朝食 荷物をバイクに積んでいるとお母さんが見送りに出て来てくれた。お母さんと一緒に写真を撮った我々は、花咲港 一福 を後にし、先ずはガソリンを給油する為GSを探しながら落石へ向かう。 お母さんと一緒の写真 この写真が最後にならないように頑張ります。 落石にGSは有ったが、まだ開いていなかった。厚岸までは燃料が持ちそうなので、次は霧多布でGSを探す事にする。道道142号落石〜別当賀間は原生林の中を走るアップダウンが混じったワインディングロードで私の好きな道の一つなのだが、海岸線を走る初田牛〜浜中間の道道142号もまた私が大好きな道である。 太平洋の海岸線を走るこの道は霧につつまれ視界が悪い事が多いのだが、今日の道道142号は晴れて霧も無く根室半島の特徴的な景色や穏やかな太平洋が広がっていました。 我々はそんな景色の中、ワインディングロードを一定のペースで走って行く。 浜中を通過し、我々は霧多布に到着する。私は霧多布で給油を考えていたのだが、最初に見付けたGSは閉まっていた。時間は8時を過ぎており(8時開店のGSが多い?)今日は 「休みの日・・・?」 と思っていたら次のGSで人影を発見、私はそのGSにバイクを入れようとしたら・・・入口にロープが張られていた。 中にいたスタッフさんに聞いたら開店は8時半だそうで、開店までにはまだ20分以上時間が有った。20分も時間をロス出来ないので直ぐに給油してもらえないか頼んでみたのだが、親切なスタッフさんは直ぐに給油の準備(給油機の電源も入れたり・・・)をすると言ってくれる。 我々は休憩しながら準備が出来るのを待ったのだが、他のスタッフさんが続々と出社し準備は一気に整い無事給油する事が出来ました。 今年のSANTOSは大雪山 開店前だったが給油してくれた親切なスタッフさん達。 最終日は雨の心配の無い良い天気です。 親切なスタッフさん達のお陰で給油を終えた我々は、道道123号を厚岸へ向かって走り出す。根室から釧路へ向かうには国道44号を利用するのが普通だが、FUNKYは景色や交通量の少なさ(国道44号も充分に少ないが・・・)から道道123号を使う事が多い。 厚岸で一旦国道44号に出た我々は、尾幌から道道142号に左折し昆布森を目指す。昆布森の名が示すように道道142号では荷台に昆布を満載したトラックが沢山走っていた。トラックの後ろを着いて行くと、道路脇の校庭のような広い場所へ入って行く。 それは昆布を干す専用の場所のようで、森を切り開き砂利を一面に敷き詰めた上に大量の昆布が干されていた。昆布森産の「なが昆布」は食べる昆布のブランド品のようで、煮物料理や昆布巻きに最適な 「棹前昆布」 として有名なようです。 今回は昆布を購入する機会は無かったが、一度機会を作って購入し味わってみたいものである。 私は釧路のコンビニで休憩を取ろうと考えていたのだが、道道142号から国道44号に出てもコンビニは見当たらなかった。我々は国道44号から直ぐ国道38号のバイパス(新しく出来た自動車専用道)に入った為、休憩場所が無いまま阿寒に向かう国道240号に入る。 国道240号には何か有るだろうと探したが、それらしきお店が無いまま阿寒ICに到着、我々はそのまま道東道に乗って本別ICを目指す事になった。 私は道東道のPAで休憩しようと考えたのだが、そのPAが現れない・・・・。道東道の阿寒IC⇒本別IC間は50km位有るのだが、区間の殆どが山の中でその半分はトンネルという道路だった。阿寒〜本別間は無料区間の為か結構交通量が有って片側一車線では追い越しも出来ず、我々はストレスが溜まっていく。 結局PAの看板が現れたのは本別ICの直ぐ手前で、私は本別ICで道東道を下り本別のGSで給油と休憩を取る事にしてそのままPAを通過する。 本別ICを出て国道242号を本別に向かって走っていた時だった。街の入口(制限速度が変わった?)付近で対向車線を走って来たホンダCBR(ヘッドライトからそう判断したが排気量は250?)のヘッドライトが瞬いた・・・!? 道は左に軽くカーブしていたのだが、私はその歩道に椅子に座った人を発見する。我々には特に問題になる事は無かったのだが、一応スロットルを戻してその前を通過する。私が街の入口で椅子に座っている人を見たのは久しぶりだったが、本別の街を通過する時はお気を付け下さい。 道路左側にGSを発見し私はそこで給油を行う事にしたのだが、霧多布のGSで給油してから2時間半、我々は一度の休憩も取らずに走り続け、本別でまた給油する事になった。 霧多布からの走行距離は150kmを超えてはいたが、200kmを目処に給油している我々としては少し早い給油だった。その理由は、これか先予定しているコースに暫くGSが無い為なのだが、北海道は早目の給油が基本です。 霧多布のGSで給油した後、ここ本別のGSまで無休憩の一気走りでした。 長かったぁ・・・。 給油して走り出し次に停まったのが給油の為のGSというのは、FUNKY史上初めての出来事だったかもしれない。皆さん本当に頑張りました。適当な休憩場所が無かった結果の一気走りだったが、次回このコースを走る時は事前に休憩場所をチェックしておきます。 我々は給油の後ゆっくりと休憩を取ったのだが、私はこの先のルートで頭を悩ませていた。糠平〜三国峠を往復(三国峠〜大雪ダム間は通行止)とナイタイ高原牧場に行く事は決めていたが、一昨日走る事が出来なかった陸別〜置戸間も走りたいし置戸〜芽登間も走りたい。 しかし、今日はフェリー時間(苫小牧東港PM7:20)が決まっており、遅くても午後3時頃には狩勝峠を出発したいと考えていた。今の時間は午前11時を回ったところで、陸別⇒置戸⇒芽登を周ると三国峠を往復する時間は無い感じで私は悩みました。 そして出した結論は、陸別⇒置戸間は諦めて芽登と置戸の中間に在る峠を往復、その後三国峠を往復してナイタイ高原牧場に向かうというものだった。 休憩を終えた我々は、本別から国道241号 道の駅 足寄湖 に出て芽登から道道88号に右折、置戸へ向かう。芽登温泉入口を過ぎた辺りから道道88号は楽しいワインディングが始まるのだが、我々は久しぶりの道を楽しむ。 この道はFUNKYの定番コースと云うかホームコースとも云える道で、何回走っても飽きる事がない本当に楽しい道なのである。 このまま鹿ノ子ダム入口まで走りたい衝動を抑え私は思い出多き峠のパーキングにバイクを止める。 そして暫くすると遠くからエキゾーストノートが聞こえてきて、それが次第に大きくなって来る。 澄んだ高音のエキゾーストノートの音色に、バイクはやっぱり 「音だよなぁー」 と思ってしまう私であった。 芽登から道道88号を北上、峠のパーキングでUターンして芽登へ戻る。 まだFフェンダーは無事ですね・・・。 休憩後、我々は来た道を引き返して芽登に戻り道道468号へ右折、国道273号清水谷へ向う。この道は国道242号足寄上利別から続く道なのだが、久しぶりに通ったら等間隔に段差が出来て通過する度に結構な衝撃に見舞われる。 この地域の道路には道を横断する切れ目が入っている所が多い(舗装が等間隔に区切られている 凍結関係?)のだが、その切れ目が盛り上がり段差(2〜3cm)を形成、段差を乗り越える時フロントサスに 「ゴツン ゴツン」 とかなりの衝撃が有り、それが10km近く続くのであった。 この事が後に起こるアクシデントに影響した?とも考えられるのだが、そのお話も後ほど・・・。 国道273号清水谷に出た我々は右折し糠平へ向かったのだが、糠平ダム手前の深い谷に入ると覆道のコンクリート壁が1〜2mの高さで茶色に染まっていた。これはこの前の大雨で横を流れる音更川が溢れた痕跡と思われるのだが、今は下を静かに流れる川がこの高さまで水位が上ったとは・・・驚きでした。 その時の大雨で国道273号は大雪ダム〜三国峠間でも通行止、糠平から然別湖に抜ける道道85号も通行止、糠平温泉は一時孤立状態になったようです。ちょうどその時、当店のお客様が糠平温泉に泊まっていたそうで大雨の話を聞いたのだが、宿の前の道路が濁流の川のようになっていたそうです。 道路は所々で片側相互通行になっておりましたが通行は可能で、糠平温泉を通過した我々は三国峠へ向かう。三国峠への道に車の姿は見られず、その昔舗装が三国峠手前で途切れていた時と同じような状態でした。 この国道273号は十勝と上川を繋ぐ幹線道路で、いつもは結構な交通量が有る道なのだが、三国トンネルから先が通行止めになっている状況では車が走っていないのも当然ではある。 私としてはこの状況を想定して三国峠へ向かっていたのだが、こんなに空いた三国峠へのアプローチは本当に久しぶりだった。私は昔を思い出しながら快適に走り、三国峠のパーキングにバイクを止めたのだが、いつもは混雑しているパーキングはガラガラでした。 停まっている車の台数よりバイクの台数の方が多かった。 お金が掛かっていそうなZ軍団も停まっていました。 北海道で標高が一番高い三国峠に到着、ふとブラックバードのフロントフェンダーを見ると・・・!? ブラックバードから降りたライダーがフロントフェンダーを見た時・・・? 「アラマァーーー!?」 ブラックバードのフロントフェンダーが大変な事になっておりました。 取付ボルトが脱落、フロントフェンダーがこんな状態に・・・!? 私の長いライダー人生の中でもこんな造形のフロントフェンダーを見たのは初めてで、驚いたと言うかこんな事も有るんだと感心してしまいました。 フロントフェンダーはフロントフォークの前後で片側2ヵ所づつ固定されているのだが、フォーク前側右側のボルトが脱落(先ほどの段差の衝撃が影響?)しており、それが原因でこのような造形になったと思われます。 右側のボルトが脱落した事で風圧に因る力が左側のフェンダー取付部に集中、左側取付ボルト周りに繰り返し荷重が掛かった結果、疲労でボルト周りのフェンダーが割れフォーク前側の固定が無くなった。 ボルト周りのフェンダーが割れた原因の一つに、フェンダーが20年前の物(1997年モデル)でプラスチィック(ABS樹脂)が脆くなっていたのも要因になっていると考えられる。 前側の固定が無くなった結果、後側の取付を支点にフェンダーが風圧でタイヤに押し付けられ、摩擦熱でフェンダーが融けこのような造形になったと考えられるのだが、高速系バイクのフロントフェンダーは空気抵抗を低減する為前輪の前部を大きく覆う形になっている。 その為風圧がフェンダーをタイヤに押し付ける方向に働きこのような造形になったのだが、GSX−Rのような前側が短いフェンダーだったら反対に後ろ側が溶けたかもしれませんね? 何れにしましても取付ボルトの脱落が原因と思われますので、タイヤ交換時に取り外したフェンダー(この手のフェンダーは取り外さないとホィールの脱着が難しい)取付ボルトの取付に問題が有ったと思われます。今後は取付ボルトにネジロックを塗布し、締付トルクをしっかり管理するようにしたいと思います。 後日、新しいボルトを注文したのだが、入庫(正規品)したボルト形状が取り付いていた物と違う形状(同じ段差ボルト)をしていた。取り付いていたボルトの段差寸法を測ってみると正規品より微妙に短く、この寸法差が取付ボルトの緩みの要因とも考えられます。 走行に支障のないようにフロントフェンダーに応急処理を施す。 フェンダーがタイヤに当った部分は消滅しておりましたので、フェンダーがタイヤに当たる心配は無かったのですが、振動で脱落するのが怖かったので応急処置をする事にしました。 段付きの特殊ボルトは持参しておらず普通のM6ボルトを加工してフェンダーを固定、左右に分かれた先端部をカッターで短く切って応急処置を終える。 修理を終えたところで、時間はランチの時間になっていた。私は三国峠の手前に在る三股山荘でランチを考えていたのだが、来る途中に確認したら営業していないようだった。国道が通行止になっている状況では休業も致し方無いところだが、ありがたい事にパーキングに隣接したカフェが営業していて、我々はそこでランチする事にいたしました。 国道273号は三国トンネル手前で通行止になっていました。 峠のCafeでランチにします。 三国峠のパーキングには休憩所が有って、私はこれまでも時々利用(殆どが自販機の利用)していたのだが、今回初めて昼食を取る事になった。以前はそばとかうどん等を食べられたと記憶していたが、行ってみると洒落たCafeになっておりました。 店内に入るのはこれまで何回か有ったが、食事をするのは今回が初めて・・・。 明るい店内 拘りのコーヒーがお店の売りのようです。 四人で四ブレンドをオーダー違いを確認? 私がオーダーしたブレンドは 「樹海」 (極深煎り) 美味しいコーヒーでした。 食事メニューは、カレーとトーストだけのようでした? エビフライカレー 1200円 私が食べた ソーセージカレー 1200円 食事メニューはカレーとトーストのようで我々はカレーを選択、私は5種類のソーセージが添えられたソーセージカレーをオーダー、少し間が有ってカレーが運ばれた来る。カレーの味だが、普通に美味しいカレーだったのだが、数日前に食べた下川のカレーの味が舌に残っていて、私はどうしてもそれと比べてしまいました。 そして5種類のソーセージですが、それぞれ味が微妙に違った美味しいソーセージでしたが、5種類も有ると印象が分散しインパクトに欠けるように感じました。私の勝手な考えですが、1本でも太くて大きな北海道的な?ソーセージを添えた方がインパクトを与えるのではないでしょうかね・・・? 後で知ったのですが、ここのオーナーさん秋田市のご出身ようで、お話してくれば良かったと少し後悔しているところです。私の大好きな三国峠の地でこれからも頑張ってもらえたらと思いますね・・・。 食事を終えた我々は、お約束の撮影ポイント松見大橋を見下ろす橋へ向かう。 松見大橋を見下ろす橋の上にバイクを止める。 高所恐怖症の人は無意識に端から離してバイクを止める? 下を覗くとここも結構高い橋の上である事を知る。 私は松見大橋の景色より眼下に広がる広大な原生林の景色が好きですね・・・。 定番の写真だが、松見大橋は見る橋であって走っても何の感動も無い!? 写真撮影を終えた我々は、交通量が殆ど無い道を糠平へ向かって走り出す。いつもはここでアドレナリン出まくりの走を楽しむ私なのだが、今回は何故か冷静でスロットルを開け切れない自分がいて、自分に驚いてしまいました。 大人になったのか? 年なのか? 自分でも分からないのだが、何十回とこの道を走っていて初めての経験でした。 今日の国道273号は車が走っていない万に一つの状況に有り、私はある所である事を試そうと考えていた。それはタウシュベツ川橋梁を望む為に設けられたパーキングの先に在る長い直線での事なのだが、私はスロットルを開けながら直線に出る右コーナーに入って行く そんな直線を走っていてもう少しで終わりという時・・・突然タコメーター横のランプが点灯する。私は反射的にスロットルを戻してしまったのだが、私が考えていた数より5足りなかったのは残念であった。 突然のランプ点灯にエンジンに何か有ったかと焦った私だが、点灯したランプは燃料警告灯でそのまま走っていても何の問題も無いランプでした。あと数秒点灯が遅かったら数を5プラス出来たと思われ、何とも間の悪いランプ点灯でした・・・。 糠平に到着した我々は、来た道を引き返し上士幌のナイタイ高原牧場に向う。FUNKYでは糠平から然別湖経由で狩勝峠へ向かうのが定番コースなのだが、道道85号糠平〜然別湖間が通行止で今回はナイタイ経由で狩勝峠に向かう事にしました。 上士幌の街で空になった燃料タンクを満たした我々は、ナイタイ高原牧場へ向う。ここで満タンにすれば燃料は秋田まで持つ筈で、後は燃料を気にせず走りに集中出来るだろう。 上士幌の街からナイタイ高原牧場展望駐車場までは15分程で到着、今日は天気も良くてナイタイの道は走っていて本当に気持ち良かった。 ナイタイ高原牧場の展望パーキングに到着、ここからは地球が丸い事を確認出来ます。 FUNKYがこの地を訪れるのは2年ぶり(2014年9月)だったが、私がバイクを止めて驚いたのはレストハウスが無くなっていた事だった。ログ造りのレストハウスは昨年10月の強風で全壊したそうで、地階のトイレを残し綺麗に無くなっておりました。 ナイタイが初めての彼はお約束の写真を撮ります。 レストハウスの建物は土台(地階のトイレは無事)を残して無くなっており、隣のコンテナハウスで営業していました。 我社と同じコンテナハウスの店舗。簡単に設置出来、固定資産税が掛からず費用は経費で落とせます。(レンタル?) レストハウスの営業はその横に置かれたコンテナハウスで行われており、私は久しぶりのソフトクリームを買いに向かう。 コンテナハウスの店内は以前より大分狭かったが、営業内容は依然と変わっていないようで食事も出来るようでした。私は奥のカウンターに行きソフトクリームを注文したのだが、価格は300円と以前と変わらずコーンも変わっておらず安心しました。 応対してくれたオーナーさん?(以前開店時間前に中に入れてくれてソフトを作ってくれた方?)に、レストハウスを再建する予定が有るのか聞いてみたのだが、再建したいが費用が・・・・的な事のようでした。 売ってて良かったナイタイのソフトクリーム。 以前と変わらない美味しさで、お勧めです。 私はこれからの予定を考えていた。今の時間は3時少し前、フェリー出港時間の7時20分までは4時間と少々、乗船時間(遅くても6時50分頃)までは4時間を切った。このまま走ればまだ少し余裕は有るのだが、予定しているルートには先日まで通行止になっていた個所(落合〜トマム間)も有って不確定要素もある。 ナイタイを出発した我々は、先ずは道道337号⇒国道274号⇒道道593号⇒718号⇒狩勝峠の途中に在るサホロモータースポーツランドと走り、狩勝峠下のパーキングにバイクを止める。この時点で時間は4時少し前、タイムリミットまで3時間を切っていた。 それでも乗船時間には充分に間に合う時間だったのだが、私は乗船の前に鵡川の秀来でどうしても天塩ラーメンを食べたかった。ラーメンを食べる時間を30分とするとタイムスケジュールがタイトになってしまう為、私は天塩ラーメンを食べるかどうかで悩んでしまうのであった。 狩勝峠下のパーキングで休憩を取る。 トイレ休憩を取った我々は、パーキングを出て狩勝峠へ走り出す。新得〜落合間も先日まで通行止になっていたのだが、不通になっていたのは峠を越えた先で狩勝峠の登りは支障なく走れたのは幸いでした。 峠のパーキングを過ぎ右の深い右コーナーを抜け次の左コーナーを抜けると、道は緩い下りの長い直線に出る。その直線を走って行くと路面が茶色になっている場所が有って、私がそこの左側の山を見ると・・・大変な状況になっていました。 谷筋の木々が根こそぎ流され倒木や大きな岩がゴロゴロしており、そこから流れ出た土石流が道路を塞ぎ通行止にしたようです。 私は最近これと同じような状況を見ていて、それは台風10号の被害を受けた岩手県を走った8月のツーリングの時だった。小本川上流の山中を走った時、谷筋の道は土石流が今回と同様道路を汚していました。 今年はFUNKYにとって大変な年となりました。いつも走っている地域が、彼方此方で大雨の甚大な被害を受けてしまいました。我々は単なる旅人ではありますが、一日も早い復旧・復興願うばかりです。 十勝地方は今回の大雨で鉄道や国道が分断され一時孤立し掛けたのだが、道東道が無傷で残ったのは幸いでした。道東道がまだ夕張と繋がっていなかった頃、あまりの交通量の少なさに税金の無駄遣いと揶揄されたものだが、そんな道東道が十勝の孤立を救ったのは皮肉ですね・・・? 東日本大震災時、日本海側の交通網が復旧物資の輸送に大きな役割を果たした事をみても、インフラを複数持つのは大切な事だと思います。通る車が少なくても、高速道路は国道とは別に全国に張り巡らさないといけないと思いますね・・・。 我々は落合からトマムへ向かったのだが、この道道1117号の状況はもっと悲惨だった。この区間は通行止がつい先日復旧したばかりだったのだが、谷筋からの土石流が道路を地盤ごと削り取っている状況が何カ所も有りました。 応急工事は削られた道路を砂利で埋めただけで片側相互通行になっておりましたが、完全復旧には暫く時間が掛りそうです。 トマムから先は大雨の被害は見られず快適に走る事が出来たのだが、私は占冠の道の駅で休憩を取るかで迷っていた。 今の時間を考えると、道の駅で休憩する時間を削ると鵡川でラーメンを食べられる可能性が出てきたのだ。当然占冠から先は頑張らなければならないのだが、道の駅の休憩と天塩ラーメンを天秤に掛けた私が出した結論は・・・当然天塩ラーメンでした。 私は道の駅占冠前の信号を右折、赤岩経由で国道274号に向かったのだが、占冠の道の駅で休憩を取ると言っておきながら走り続ける私の行動に、後ろのメンバーは戸惑ったと思いますよ・・・? しかし、後続は先頭に着いて行くしか無く、私の我がままに付き合される事になったメンバーには謝るしかないのだが、ラーメンを食べる事で許して下さい。 しかし、これから先が長かった。私は目の前にぶら下がった人参を追い駆ける馬のように、ラーメンを食べたい一心で一生懸命走りました。 幸いな事に国道274号も穂別に向かう道道74号も交通量が少なく順調に走る事が出来ました。初日に泊まったポレポーレ前を通過する頃には天塩ラーメンが見えて来て、穂別から先の走り慣れた道で私は更に頑張りました。 後ろのメンバー達も、私の頑張がラーメンを食べる為のもである事を察し、我々は一丸となって鵡川の秀来を目指したのである。 一気走りで何とかラーメンを食べる時間を作り出しました。 我々が鵡川に到着した時、頑張りが功を奏し30分のラーメン時間を作り出していた。私は早速店内に入り親父さんに2か月ぶりのご挨拶、天塩ラーメンを注文する。 最近この天塩ラーメンを食べる事が私の北海道ツーリングの閉めとなっていて、このラーメンを食べながら北海道ツーリングが終わる寂しさと無事に帰還する喜びを噛み締めるのでした。 この天塩ラーメンを食べる為に頑張ってしまいました。 外に出ると陽が沈んで暗くなり始めていた。 今回の北海道ももう直ぐ終わります。 私がラーメンを食べられた満足感と共に外に出ると、空は陽が落ちて大分暗くなっていたが西の空には夕陽の余韻が残っていた。我々はフェリー乗り場まで北海道最後のツーリングに出発する。 そして苫小牧東港フェリーターミナルに無事到着した我々は、秋田行きのバイクが並ぶ列の後ろにバイクを止める。今日は北海道最終日としてはFUNKY史上最長の700kmも走ってしまったが、ラーメンも食べられたし、フェリーにも間に合い、お土産も買う時間も取れて本当に良かった。 お土産を買って容量を増したバック。 すっかり暗くなってもう直ぐ乗船です。 我々は無事フェリーに乗船、いつものルーティーンを消化して缶ビールを開け、北海道の無事を祝し乾杯する。これまで何回もこの乾杯をしてきた私だが、来年またこの乾杯が出来るかなぁ・・・? 乾杯したいなぁ・・・。 無事乗船して皆さんと乾杯!! このビールの味が格別なんです。 行きに一緒だった彼と帰りも一緒になり、我々は夜遅くまで北海道の思い出話に花を咲かせるのでした。 今回の船倉は車が少なく広々していた。バイクが転回するスペースが取れるのでバイクの乗船が最後になったりします。 秋田港に接岸しました。 扉が開きます。 この山々を見るとほっとしますね・・・。 フェリーは定刻に秋田港に着岸、我々は8時半過ぎ店に無事帰還する。今回の北海道で我々が走った距離は2,300km、予定していた距離より雨や通行止の影響で100km程少なかったが、大きなアクシデントも無く全員無事に帰還出来たのは何よりだった。 FUNKY 33年目の北海道が無事終了しました。 毎年の事だが、レポートを書きながら来シーズンの北海道の事を考える自分がいる。次回はあれを食べたいとか今度はあそこを走りたいとか色々とイメージしてしまうのだが、今の最大の心配事は老化による左手中指の傷みが直るかどうかである。 この中指の痛みは長年クラッチレバーを握り続けた結果(使い過ぎ)と考えられるとのだが、何とかシーズンが始まる春までに直って欲しいと願っているところです。 おわり 平田隆太郎 |
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