2012 FUNKY 北海道 Part 29 初日 2日目 3日目 4日目 5日目 最終日














曇りのち雨の朝
    
 3日目の朝、年寄りはいつものように6時前に目が覚め、あしたの城内部と外部を散策してみる事にした。

 窓から見える天気は、昨晩の天気予報通りの曇り空だったが、雲の流れは早く午後から雨の予報は当りそうな空模様ではある。

 1階に下りて食堂に行ってみると、大きなガラス戸からは北海道を感じさせる大きな景色が広がっていた。

 サロベツ原野が目の前に広がる情景は、13年前に見た景色と何ら変わっておらず、私は13年前テラスに座って景色に対峙していたおじさんの事を思い出していましたね。



外にはサロベツ原野が・・・!!

 私は静まりかえった建物からそーっと扉を開け外に出てみる。建物の回りの芝生は綺麗いに刈り込まれ、花壇には色とりどりの花が咲いていて、とっても気持ちの良いエクステリアだった。

 外には我々の3台を含め6台のバイクが停まっていて、その中にはBMWやファイヤーストームの姿も見られた。そうこうしている内に、シルバーのZZR1400のライダーが出て来て出掛けて行く。荷物は積んで行かなかったから、サロベツ原野へ朝のお散歩に出掛けてものと思われる。



昨日宗谷丘陵を走っていた時に起きた奇跡!?


 ここからはサロベツ原生花園も近く、朝のサロベツ原野をゆっくりと流すのも良いかもしれないなぁ・・・。

 玄関に戻ってヘルメットを見ると、昨日宗谷丘陵を走っていた時にエアーインテークホールに嵌った蝶々が脱落せずにまだ残っていた。ここまでそこそこのスピードで走って来た筈なのだが、頭から穴の中に嵌った蝶々は奇跡的に残っておりました。

 意図しなかったとはいえ殺生をしてしまった私は、蝶々のご冥福をお祈りしたのだが、この姿はある意味SHOEIヘルメットの優秀なエアーインテーク性能を証明しているのかもしれませんね・・・。

 「 バタフライも吸い込むエアーの抜けの良さ!! 」

 そんなキャッチコピーも良いかもしれません?



サロベツ 豊徳  あしたの城 の朝

こんな物まで販売されているんですね!?

↑右のバイクが・・・。
※右が私と同学年ライダーのファイヤーストーム


   この一生懸命テーブルを拭く少年の  ⇒
        13年前の姿がこれ・・・※     



 建物の中に戻ると、食堂では朝食の準備が始まっていた。そこにはテーブルを一生懸命拭いている少年の姿が見られたのだが、彼は13年前風呂上がりに蒙古班のお尻を見せてくれた彼に違いなかった。お母さんの話によると彼は今高校生になったそうで、一緒にいたお姉さんはここから出て他所で暮らしているらしいです。

 あしたの城の朝食はam7:00からで、時間通りにそれは始まった。朝食は13年前と同じパン(トースト)の朝食だったが、13年前と違ったのはパンの追加が出来た事で、食事の前にお父さんからパンの追加が出来る事がアナウンスされる。



朝食はパンメニュー

 私の朝食はいつも食パン1枚なのだが、昨日の事もありパンを1枚追加してしまいました。あしたの城の朝食はこの手の宿のスタンダード的な物で、美味しく頂き食事を終える。

 雨が降る前に少しでも多く走ろうと私は出発時間をいつもより少し早いam8:00に設定、出発の準備に取り掛かる。毎回の事だが歯を磨いたり、トイレに行ったり、着替えたり、荷物をパッキングしたり出発前には何かとやる事が多いのだが、必ずと言っていいほど何かを忘れて作業が遅くなってしまうのは歳を取ったせい・・・?

 私が部屋を出る時、大きなスーツケース(ハード)を持った長身の彼と一緒になったのだが、階段をガタゴト言わせながら下る彼の姿は、この宿には何か似合っていませんでしたね。
 
 この手の宿にはやはりバッグパック(リュックサック)がお似合いなのだが、彼はあのハードケースを持って車ではなく公共交通機関を使って独りで旅しているようでした。ハードケースをゴロゴロ引っ張りながらに移動は大変そうでしたが、彼は体が大きいし(コブクロの大きい方と同じ位の身長)、若いし(19歳)、それは年寄りの余計な心配なのかもしれません。

 我々を見送りの為かどうかは分からないが、外に出るとファイヤーストームのオジサンやプロボクサーやZZR1400の青年がいて、我々の作業を見守っておりました。私の同学年の彼は動画撮影がご趣味のようで、走りながらの撮影やカメラを置いて自らの走りの撮影などをしながら旅しているらしく、我々の出発の様子もしっかり撮影されておりました。

 出発の準備が終わり、緑のバイクのセルスターターボタンが押される時が来た。我々が注目する中、緑の人はボタンを  「 押す・・・・! 」

 「ブルルンッ・・」 セルモーターは、一瞬引っ掛かったようなそぶりをみせながらも回り、エンジンは一発で見事に掛った。

 砂利道での押し掛けに不安を抱いていた私はホッと胸を撫で下ろし、自らの黄色いバイクのセルボタンを押してエンジンを掛け、我々は皆さんに見送られながらあしたの城を出発、砂利の坂道を下って行くのでした。

 道道に出て右に進路を取ると、そこには食事の時テーブルが同じだった自転車おじさんが走り出すところだった。彼は軽そうなロードバイクに乗っていて大きな荷物も積んでおらず、どう見ても北海道を旅するチャリダーさんには見えなかった。

 しかし、考えてみたらお金さえ有れば大体の物は旅先で入手可能で、大きな荷物を持たずとも自転車の旅は可能と思われ、彼は大人(お金持ち)のチャリダースタイルを北海道で実践していたのかもしれません・・・?

 稚咲内で道道106号に出た我々は、左折して天塩に向う。日本海には利尻島が少し霞んで見ていたが、天塩方面の西の空に目を転じると、日本海の水平線近くに黒い雲が有って次第に近づいているように見える。

 あの黒い雲に追い着かれないよう、我々は東に逃げなければならないのだが、今はまだ遠別町の啓明まで南下しなければならず、それまであの黒い雲に追い着かれない事を願うばかりである。

 今日のサロベツは、西から接近しているであろうて前線(低気圧?)に向かって東風が吹いていたが、それほど風は強くなく走り易かった。天塩の手前に在るオトンルイ風力発電所の風車群も何となく回っている程度で、発電にはそんなに貢献していない感じでしたね。

 我々はオトンルイ風力発電所前のパーキングにバイクを入れたのだが、雨雲から逃げなければならない我々にゆっくりする時間は無く、写真を数枚撮っただけで天塩へと向う。

 
利尻島は見えてはいましたが・・・。   雨雲が接近中です。  緑のバイクのエンジンは止めません。
ドライ路面のスペシャルステージを楽しむ
 前回ガソリンを給油したのは音威子府で、あれから我々は200km以上走っておりそろそろ給油を考えるタイミングなのだが、今日は国道沿線の大きな街でないとGSが開いていない日曜日でその配慮が必要だった。

 出来れば天塩で給油し次の給油を下川で行いたいと考えていた私は、天塩の街中からバイパスに出てみたのだが、見付けたGSは閉まっておりバイパス沿いに道の駅まで行ってみたがGSは無かった。私はこのまま遠別に向かい音威子府での給油を考えたのだが、音威子府までは60km以上有りこれまでのスロットル開度からしてガス欠の心配が無いわけでは無かった。

 道の駅の交差点で左右を確認した時、右側の道の奥にオレンジの明かりが見えた。 「 もしかして? 」

 私は交差点を過ぎた所でスピードを落とし、その先に在った国道事務所?の門の前でUターンして引返し、明かりの下へ向かうとオレンジの明かりはやはりGSの明りだった。GSの在った道は以前国道だった道で、私はバイパスではなく旧国道に向かうべきだったようです。

 給油を行った後我々は国道232号を南下し遠別の啓明に向かったのだが、シールドに ポツリ ポツリ と水滴が当るようになってしまった。それでも雨はそれ以上強くなる事は無く、上がったり降ったりを繰り返す。啓明で国道232号と離れ道道119号へ左折して東に向かうと、雨は上がり空も少し明るくなったように見える。

 我々は佐久までのワインディングロードを楽しんだ後、国道40号を天塩川沿いに音威子府へと向かう。ここまで来ると空も明るくなり、雨の心配はしなくても良さそうである。左に見える今日の天塩川の流れは穏やかで、何年か前大雨洪水警報が出ていた時に見た濁流の天塩川と同じ川とは思えない清らかな流れでしたね。


音威子府のSeicomartで休憩

 この天塩川沿いの道は所々に追い越し車線が設けられていて以前より大分走り易くなったもだが、ハミ禁解除区間の直線に1カ所オービスが設置されていますので(バイクは関係ないか?)お気を付け下さい。

 本日のメインディッシュ歌登〜仁宇布〜下川に備え音威子府のSeicomartで休憩を取った我々は、咲来から道道220号に入り咲来峠を越えて歌登へと向かう。この歌登までの道は、見通しが効くワインディングロードが多く走っていて大変楽しかった。

 歌登からは道道120号に入ってペースを上げた私は一気に仁宇布まで走り、昨年のプチで停まった場所にバイクを止める。


昨年も休憩した仁宇布の木陰の場所

 昨年は気温が高く日陰が恋しくて偶々見つけた木陰にバイク止めたのだが、今日は熱い日差しも無く此処でなくてもよかったのにまた止めてしまいました。

 私の場合一度止めた場所にまた止まる傾向が有って、それが次第に固定化いく事が多いのだが、止まる場所を決めるとそこまでの時間とかそれから先の時間が読み易くなるので、止める場所を固定するメリットは結構大きいと思います。

 仁宇布〜下川間は山の中を走る山道が40km以上続くのだが、私はこの道が結構好きだ。道幅は広くはないし路面も平坦ではないからシートに座っている暇は殆ど無いのだが、アベレージはそこそこで気を抜く所が無く走りに集中している為か、40kmはアッという間に過ぎてしまうのです。


サンルダムの受け変え道路で後続待ち。
ここでパラパラときちゃいました。

 下川手前のサンルダムの為に造られた付け替え道路に上がった所で後続を待ったのだが、またパラパラと雨が落ちてきてしまった。我々は此処までそこそこのスピードで逃げて来たのだが、雨雲も追うスピードを上げたようである。

 我々は下川のいつものGSにバイクを入れ、給油と休憩を取る事にした。GSの店長さんはお休みでお会いする事は出来なかったが、スタッフのおじさんから興味深い話を聞かせてもらった。

 最近北海道ではバイクに乗ったKoreanグループが増えているそうで、彼らは飛行機で飛んで来てレンタルバイクを借り北海道をツーリングしていると言うのだ。

 Koreaには北海道の様な道は少ないだろうし、バイクを所有する事もまだ一般的ではない?だろうから、お金持ちの間で北海道ツーリングがブームになっても不思議ではなく、これからはヘルメットを脱いだ皆さんの会話がKorean語みたいな事が普通な時代になるのかもしれませんね。

遂に雨に追い付かれた・・・
 下川を出た我々は、国道239号を東に向う。天北峠に近づくと次第に路面が濡れてきて雨が降った跡は見られたが、雨には当らず天北峠を越える。天北峠を境に天気が変わるという話を以前名寄のGSの人から聞いた事が有ったが、その言葉通り西興部側は路面も乾いており空も明るかった。

 西興部の街から道道137号に右折した我々は滝上を目指したのだが、途中に在る有名な?氷のトンネルに向う道を右に見て走る田舎道は、札久留峠でクライマックスを向える。私がこの道を走るのは久しぶりだったが、北海道の何処にでも有りそうなこの田舎道、結構好きかもしれません。

 道道61号に出た我々は、左折して滝上へ出る。我々はこれから遠軽に向うのだが、滝上から遠軽に行くには道道137号を使うのが最短ルートになる。しかし、道道137号には砂利道の峠が有って我々はこれまで使う事は無かったのだが、その峠が舗装された?との情報も有り、今回私は道道137号を使う事を考えていた。

 ところがである。 道の駅 たきのうえ の先に在る道道137号の入口に遠軽方面通行止めの表示がされているではないか・・・。通れないのでは致し方なく、私はそのまま国道273号を紋別方面に向かい、上渚滑の先から道道553号に入り道道305号に出て、丸瀬布方面へ右折する。

 私はこの先で道道137号に左折し上原峠を越えて遠軽に出る事にしていたのだが、道道137号に入る手前から雨が降り始める。時間は正午を回ったところで、この雨は本格的な雨の前ぶれと思われ、我々は予定通り?雨に追い付かれて?(追い付いた?)しまったようである。上原峠の上りは何とかハーフウエット路面で少し楽しめたのだが、峠を越え遠軽側に入ると雨は本格的降っていて、空も厚い雨空に覆われていた。

 私は峠を下り切ってから雨具を着るつもりでいたのだが、雨が強くなって我慢し切れず坂の途中の直線にバイクを止めて雨具を着る事にした。これ以降宿の在る網走まで雨は止む事はなく、昨晩考えた12時までにスぺシャルステージを楽しむコース設定は正解でしたね。

 遠軽の街に出た我々は昨年立ち寄ったファッションセンター しまむら 前を通過、時間は昼食時で私は食事処を探して走っていた。私は回転寿司を見付け止まろうとしたのだが、発見したのが遅く止まり切れずにそのまま通過してしまう。Uターンする事も考えたがそれも面倒で、その先で食事処を探すが見付けられないまま遠軽からサロマ湖に抜ける道道244号の入口交差点に来てしまった。

 この先にレストラン等が集まったモール的な場所が有る事は知っていたが、サロマ湖にも食事処は有る筈で私はそのまま道道244号へ左折する。そこから先は、昨年の再現ビデオでただひたすら雨の中を走る我々だったが、芭蕉で国道238号に出て食事処を探したが無かった。



サロマ湖と言えばホタテで私はホタテの
私はホタテフライをオーダーしたのだが、残念でした。





これはフライとは呼べない!?

 そこに現れたのが 道の駅 愛ランド湧別 だった。この観覧車等のレジャー施設が併設された道の駅は、これまで何度となく前を通過していた私だったが、一度も止まった事が無い道の駅だった。

 昨日の事もあり、早目に昼食を取りたかった私は、他のメンバーを待たせて食事が出来るかどうか見に走る。建物の上には大きなレストランの看板が乗っていてレストランは有りそうだが、営業しているかは別の話で私は二階に上がって行く。

 二階は広くて綺麗なレストランになっておりスタッフの姿も有って食事が出来る事を確認、私はメンバーの所に戻ってここで食事をする事を伝える。雨具を着ている時の食事は先ず雨具を脱ぐ事から始まるのだが、これが面倒だし又これを着る事を考えると気が重くなる。

 時間は1時を回っていたとはいえ、二階の広いレストランに客の姿は少なかった。私はサロマ湖特産のホタテを使ったホタテフライ定食をオーダーしたのだが、結論から言うとここのホタテフライはお勧めしません。

 フライと云うにはあまりにも外の衣が硬過ぎ、かじるとガリガリとする食感はもはやフライとは呼べないオランダ煎餅レベルの硬さで、ホタテの味も何も感じられませんでしたね。

 他のメンバーが食べたメニューも特筆する物は無かったようで、このレストランのレベルは低いと言わざるをえないだろう。そんなところが閑散とした店内に現れているのかもしれないが、窓から見えるレジャー施設も閉鎖されているようだし、この道の駅の先行きは危ぶまれますね?
 


雨の中、外国人と日本人のカップルは
雨具も着ないで走り出して行った。
※ HYOSUG GT250R


食事を終え雨具の所に戻ると、外人さん(白人男性)と日本人女性の若いカップルがいて、出発するところだった。彼らはカッコいい赤いバイクに乗っていて(タンデム)、私は最初そのバイクを DUCATI かと思ったのだが、良く見るとタンクには HYOSUNG と書かれていた。

 HYOSUNG? その時の私はどこのバイクか分からなかったが、帰って来てから調べたらそれはKorea製のバイクだった。レッドバロンで販売している?Vツインのアメリカンタイプは知っていたが、スポーツタイプも出していたのは知らなかった。

 エンジンは同じVツインを使用しているようだが、外見はイタリアンバイクその物(イタリヤのデザイン会社?)で、Koreaの自動車メーカーがイタリヤのデザイン会社にデザインを依頼しているのと同じ手法なのかもしれません?

 赤いバイクには北見ナンバーが付いていて、メンバーの話によるとレンタルバイクではないかと言っていたが、彼らは雨具も着ないでタンデムで雨の中へ走り出して行って、私は風邪を引かないか心配してしまいました。

 きっと熱く燃える?カップルには、雨なって関係なんでしょう・・・!?

アニマの里
 我々はまた雨具を着て彼らの後を追ったのだが、雨はだんだん強くなってきて昨年と全く同じ展開になってきた。暫く走ると 道の駅 サロマ湖 の前を通過、湧別の道の駅と違ってパーキングには車が沢山停まっていて、多くの人で賑わっていた。食べ物系の幟も沢山見えたので、この辺で食事をするなら 道の駅 サロマ湖 の方が良いのかもしれません。

 我々は降り続く雨の中、黒い軽乗用車(ダイハツ?)の後に着いてマッタリと走ってたのだが、下りの少し長い直線道路で行き成りシルバーのニッサンNOTEに追い越される。勢よく水飛沫を撒き散らしながら追い越して行くNOTEに、

 私は 「 頑張るなぁー 」 と見ていたのだが、メンバーの話によるとナンバーはわナンバーだったらしい?

 常呂を過ぎ我々はようやく能取湖が見える所までやって来た。いつもの年なら能取湖の岸辺を赤いサンゴ草が彩っている時期なのだが、今年は全く色付いておらずこれも今年の夏が長かった影響なのかもしれません。

 能取湖の見える左側に時々視線を送りながら走っていると、左側のパーキングに先ほど我々を追い越して行ったNOTEが停まっているのが見えた。そのNOTEの横にもう1台シルバーの車が止まっていて、屋根の上には小さな赤い物が載っていた。

 NOTE さん、やっちゃいましたね!

 地元の人ならご存知だと思いますが、常呂〜網走間の国道238号はその筋の方々がよく出没される場所で、ここで頑張ると高い北海道土産を買う確率が高いんです。私の経験では北海道内で一番多く覆面を被った車と遭遇している様に思います。

 レンタカーと思われるNOTEを運転するドライバーさんはその方面の情報に疎かったと思われ、何をそんなに急いでいたのかは知りませんが、スピードの出し過ぎにはお互い注意したいものです。

 網走市内に入った我々は、明日に備え以前にも給油した事が有るセルフGSで給油を行う事にした。給油を終えてふと見ると、隣がセブンエレブンになっていて我々はここで夜の飲物を調達する事にした。我々はこの先のローソンでいつも飲物を調達していて、私はこのセブンイレブンの存在を今まで知らなかった。

 私はお店の方にいつこの店が出来たかを聞いたのだが、店自体は以前から在って最近リフォームして新しい外装にしたのだと云う。十年以上前から何回もこの前を通っていた私はセブンイレブンの記憶が全く無かった事に驚いたが、GSに隣接していて目立ち難い建物だったのかもしれません。

 「 やっぱり、お店も人も最初は見た目ですよね!? 」

 もし外装が以前のままだったら、私はガソリンを入れたら真っすぐローソンに向っていたと思うし、やはり見た目は大事ですよね・・・!!


綺麗に舗装されたアニマの里の坂道


最初舗装は1周する予定では無かったようですが、
施工業者のご厚意?より1周する事になったそうです。

 セブンイレブンを出た我々は、国道39号との交差点を右折して網走湖沿いを少し走り、博物館網走監獄に上がる道に入って踏切を渡り、左手に見えて来るアニマの里の看板横の坂道を登って行く。

 昨年宿泊した時、凸凹道になっている坂道を舗装する話を聞いていた我々だったが、今年は楽にアニマの里前まで行けると期待していたメンバーが約一名いた。

 そのメンバーとは、あの整備されたあしたの城の坂道を、アニマの里の坂道の方がまだマシと言わしめたメンバーで(砂利が厚く敷き詰められた道が特に苦手)、OFFの坂道にはチョッと煩いんです。

 そしてアニマの里の坂道はしっかりアスファルト舗装されておりました。何も気を使う事も無くアニマの里に到着した私だったが、何か拍子抜けでした。

 アニマの里凸凹道は私の中ではセットになっていて、暗い凸凹道を登り切って到着するのがアニマの里な訳で、今日の到着時間が早く明るかった事も有って 「やっと到着した感?」 が無かったですね。

 そうは云ってもこれからは綺麗なアスファルト道が当り前になる訳で、凸凹道は昔話として語られる事になるのだと思います。

 今日は雨が降っていてバイクをハウスの中に入れるかどうかで皆さん悩んだのだが、結局全員ハウスの中に入れる事になりました。ハウスの中の床は土で、濡れたタイヤに土が付着して汚れてしまうのが難点だが、屋根が有れば何かと便利なのは確かですね。

 荷物を下ろして玄関に行くと旦那が出て来て 「こんにちわ・・」

 1年ぶりの挨拶を交わす。早速いつもの部屋に案内された我々は、着替えて風呂に入る事にした。到着時間が早過ぎた為?まだお風呂のお湯が半分位だったが、雨で冷えた体を温めスッキリとする。

 風呂から上がった我々は、談話室に行って夕食前の宴を始めてしまったのだが、そこにどこかで見た人がやって来たのには驚いた。その人とは、今朝あしたの城で別れの挨拶を交わした私と同学年のファヤーストーム乗りの彼で、彼は何故かアニマの里にいらっしゃいました。

 今日は浜頓別のトシカの宿に泊まると言っていた彼、あしたの城を出てから宗谷岬を回り浜頓別まで行ったらしいのだが、私が助言した連日のジンギスカンの件も有って、そのままオホーツク海沿いを走り網走まで来てしまったようです。

 連日のジンギスカンよりアニマの里の夕食の方がどれだけ良いかは言うまでもないが、我々が今日アニマの里に泊まる事も彼の頭に有ったようで、今宵の宿をアニマの里に選んだようでした。2009年にも同じ人と連夜の宴をした事が有ったが、この手の宿に泊まる人は同じような宿を選びますので、私は次の日の宿で前日の宿に居た人と出会って驚いた経験が有りますね。

FUNKYのストーカー?
 予定コースの1/3近くをカットした我々は、4時前には宿に到着してしまい夕食まで時間が有り過ぎて宴の予行演習?を行う事にしたのだが、そこに旦那がやって来て興味深い話を話し始める。我々が来る3週間位前にFUNKYを知るバイク乗りが泊まったそうで、旦那はそのライダー達(2名)をFUNKYのストーカーと表現していた。

 我々の前に秋田のライダーがアニマの里に泊まり ホッケの写真を添付して 「アニマの里 NOW!」 と SNS に載せた事を知っていた私は、旦那がその事を話しているのだと思ったら違っていた。確かにそんな秋田のお客さんもいたと言っていたが、旦那が話してくれたのはその彼らの1週間位前に泊まったお客さんの話だった。

 九月に我々が来る事を知っていた?彼らは、我々に彼らが来た事を話さないよう旦那に硬く口止めしていたらしいのだが、旦那は今こうして話しちゃってる訳で旦那の口に戸は立てられない事を皆さんは知っておいて下さい。

 彼らが旦那に口止めしたのは、私に話が伝わればレポートに書かれてしまう事を心配した?のではないかと思われますが、聞いた話(ネタ)を没にするのはあまりにも勿体ないお話で、私の判断でレポートに書く事に致しました。結果的に旦那が口止めの約束を破った事を公表する形になってしまいますが、この件に関しての全ての責任は私に有る事をここに宣言致します。

 旦那の話す二人のライダーは、カワサキのバイクに乗る秋田県人だったそうで、彼らは FUNKY IN 北海道 のコースをそのままなぞって走っていて、旦那はそれをFUNKYのストーカーと表現していた。ストーカーと言う表現が適切かどうかは分からないが、私はそんなライダーの存在を知り驚くと共に

 「 それはチョッと不味いかも・・・?」 と思ってしまった。

 以前、 FUNKY TOURING のコースを参考に関東から走りに来ているいうライダーが私の店に顔を出した事が有ったが、北海道のコースをそのままなぞっているライダーがいるとは、考えてもみませんでした。

 彼らがどの年のコースをなぞっていたかは知らないが、アニマの里に泊まったと言う事は少なくても2日間はなぞっている筈で、そこから彼らは彼らなりの結論を導き出していたようなのである。

 旦那から聞いた彼らの出した結論とは・・・

 「 FUNKYはきっとスピード違反をして走っているに違いない。 」 との結論だったらしいです。

 彼らがどう頑張って走っても時間が足りず、我々と同じ時間に出発しても我々と同じ時間に宿に到着出来なかった事から、彼らは上記の結論を導き出したらしいのですが、私 彼らの結論に対し異議を申し立てるつもりはございません。

 北海道においては法定速度を守って走る車に出会う事の方が難しく、北海道の車の流れは本土と比べ速い事も事実ですし、我々が一部区間においてスピード違反をして走っている事は認めます。

 我々と同じ時間に宿に到着出来なかったとしても、その間に取った休憩時間、食事の時間等も有りますから同条件での比較は難しいと思います。しかし、旦那の話では我々のコースを忠実になぞる為、彼らは翌朝早くに出発して行ったと云いますから、彼らも我々の到着時間を目指す努力はしていたようです。

 彼らが FUNKY IN 北海道 の全のなぞりに成功たかどうかは私の知るところではないが、その時の私は彼らが無事に目標を達成して祝杯の美酒に酔われた事を願っておりました。

 
FUNKY北海道とは・・・?
 それにしても、私のレポートを読んで同じコースを走る事を考えた人の存在を知り、私は少し嬉しかった。このレポートでは道路名や道順、曲がる方向などを出来るだけ書くようにしているのだが、それは同じコースを走る時に参考になればと考えているからで、その趣旨に添って走っている人の存在に私は嬉しかったのである。

 しかし時間的ファクターが思わぬ結論を導き出していた事は私の想定外だった。全くその事を考えていなかったと云えば嘘になるが、私はある程度の想定をした上で時間を書いていて、結果的にはその想定が甘かったと云うか我々の走りと他のライダーとの走りの差が考えていより大きかった?のが想定外でした。

 今後のレポートから時間的ファクターを除外する事も考えたが、ある程度の指標は必要でしょうから今後は想定の見直しを考える事に致します。

 皆さんにお願いしたいのは、北海道ツーリングのコースをなぞる事自体は我々同様に北海道の道を楽しむと云う意味からしても大いに結構なのですが、それに時間軸を持ち込むのは止めて頂きたいと云う事です。

 FUNKYの北海道ツーリングは、ある人から言わせれば修行の場だそうで、休む時間も無く只々走りづめのツーリングは、楽しめるようになるまで数年の修行が必要だと申しております。また、毎月行っているツーリングは北海道ツーリングの準備の意味合いも有りまして、北海道で必要な気力、体力、テクニック、スピード感覚等を身に付ける為の鍛練の場でもあるのです。

 またハードの面でも、バイクの装備(ブレーキ、タイヤ、スクリーン、荷物の積載等)やライダーの装備(ライディングウエアー、グローブ、ブーツ等)もそれに合った物に強化され、北海道ツーリングを支えているのです。

 考えてみて下さい。新幹線はあのスピードで走っても大丈夫な車体(ハード)とそれを総合的に制御するシステム(ソフト)が有ってはじめて安全に運行されているのです。通勤電車は勿論ですが、在来線の特急車両では新幹線の様なダイヤでは走れないのです。

 我々が行っているカリキュラムをへずに、いきなりFUNKYの北海道ツーリングをそのまま実践しようとする行為は、無謀と云うか大変危険です。絶対に行わないで下さい。もし、それを行い何かが起きてしまったとしても当方と致しましては一切の責任は負いかねますのでご承知おき下さい。

 時間に余裕を持って安全に北海道を楽しみましょう。

夕食から宴へ
 夕食の時間になり我々は食堂に移動、アニマの里の美味しい夕食をいただく。メニューは例年通り?だったが、いつもの焼きたてのホッケの開きは今回は味りん漬けだった。今年はホッケが不漁だそうで、ホッケの開きがなかなか手に入らないのだとお母さんが言っておりました。

 今回のデザートは初めての?自家製プリンだったが、これがまた美味しかった。宿の食事と云うのは何パターンか有るのだと思うが、大きく変わると次に来た時に戸惑うし、何も変わらないのも寂しいし、そのへんのさじ加減が難しいのでしょうね。

カメラを目線の目付きが悪い!?

ハンバーグ、ホタテの貝焼き、自家製かぼちゃ他
いつものメニューが並ぶ。

今年のホッケは味りん漬けでしたが旨かった。
※新メニューのプリン 美味しい!

 私と同学年のフェーヤーストームの彼も、他のお客さん達と楽しそうに食事をしていて、連日のジンギスカンならなくて本当に良かったですね。食事を終えた我々は、談話室に戻って宴の続きを行う。暫くして旦那が私がお土産に持って来た秋田の地酒 新 政 (特別純米酒 六號を持ってやって来る。

 お酒が嫌いではない旦那は新政を一口飲んで一言。  「 いつも飲んでいる酒とは全然違う・・・。 」

 その一言が聞きたくて秋田からバッグに入れて運んで来たんですから、いっぱい飲んで下さい。



建物が色がエンジ色になりました。
※以前は白でしたが・・・。

 旦那は建物の外壁を白からエンジ?色に一人で塗り直したそうで、それはそれは大変な作業だったようなのだが、私が色が変わった事に気付いていなかった事に非常にガッガリしていた。

 旦那は綺麗になった外観に気付いてもらいたかっただろうが(その気持ちは良く分かる)、人間は外観に対して意外に鈍感で、カミさんのヘヤースタイルが変わったのに気付かないのと同じで、外壁の色なんて見ているようで見ていないもんなんですよ・・・。

 我々と同じくこの時期(9月)にアニマの里を訪れる方(男性)がいらっしゃいまして、これまで何回か一緒になってお話した事が有ったのですが、今回もご一緒でした。

 彼は同学年の彼や他のお客さん達といつものペースでお話を楽しんでいらっしゃって、私はその後ろ姿を眺めながら何となく話を聞いていたのですが、こんな事が旅の思い出になるんですよねぇ・・・・。

 アニマの里のお客さんは子供連れの家族客から一人旅のお客さんや老若男女のカップルさんまで客層が偏っていないのが特徴で、個性的な宿が多いとほ宿の中では異色の存在ではである。

 そして問題は今宵も明日のお天気だった。今日は半日雨だったが、予報によると明日走る予定にしている根北峠や知床峠は雨の予報がでており、明日の宿が在る大雪地域には大雨警報が出ている状況に、私の頭の中はノープン状態だった。

 明日雨から逃げられる場所は皆無で、そうなればいかにして時間を潰すかが問題になりそうである。

 雨の時、温泉に入って時間を潰すのがFUNKYの常套手段なのだが、どこの温泉にするか悩むところではある。

 明日は何処へ行っても雨、行き先は走りながら決める事した私は部屋に戻って眠りに着くのでした。


  FUNKY殺すにゃは刃物は要らぬ 雨の三日も降ればいい 」
 
4日目
by Ryuta

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